電子書籍
ちょっと異色
2022/01/02 16:26
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
透明人間なんてタイトル付けてるからこりゃ怪奇ファンタジー系のミステリーかとおもいきや、そうじゃなかった。あの国が絡んでくるとは意外。後味すっきりだけど色々と考えさせられる話でした。
紙の本
子供向けではない。
2013/02/25 19:02
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童書のはずなのに、いつもの島田荘司。しかし島田荘司の目を通すと、日常風景がなんでこんなに嫌な感じになるんでしょう。トリックなどは普通。子供に伝えたいテーマがこれだとすると、買い与える価値はないと思います。
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透明人間は存在する。人間を透明にする薬もある。透明人間になると1度は自然に元に戻る。けど、2度目に飲んだら、もう戻れない…。
聡明で孤独な少年ヨウイチとそれを見守り愛情を注ぐ隣人の真鍋。夏休みに起こった殺人事件をきっかけに、彼等の平和な暮らしは終わる。
色々なヒントがあるので、大体予想はつきます。つくのですが、なんとも切ない。 事件そのものの謎よりも、背景にあるものの方が興味深い。個人の力ではどうしょうもない事があるのは事実。短い時間でも、たとえ偽りでも、根底に愛情があれば伝わると思いたい。 子供の頃には解らなかった事も、大人になると解ってしまう。 大人になるってせつない。
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講談社ミステリーランド第1回配本作品の文庫化。
作品冒頭、ペルセウス座流星群の夜が、なんともいえず美しい。
主人公の少年と隣人の男性が、真夏の夜の浜辺に腰をおろし星を見上げながら語り合う…というか、主に男性が語る場面なのだが、その一言一言に心を動かし、見えるもの聞こえるものに敏感に反応する少年の様子が、みずみずしくもせつない。
ミステリーとしては、とてもフェアに書かれているため、謎の核心にあるものが何かは最後の解明を待たずとも察することができる。しかし、それをこの作品のテーマに持ってくるとは、しかもこれほどリリカルに書ききるとは…さすが島田荘司! それに、あっぱれミステリーランド! です。
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読み始めは「ファンタジー系」かと思いきや
しっかりとしたミステリーでした。中盤、眞鍋氏が語る「外国」。
やはり、あの国でしたか。
少しばかり切なくなる読後感。
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初シマソウ。
途中まで、謎、謎の連続ですごくよかったのに、終盤の帳尻合わせが、好きやない。うーん。
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なんとなく買うときから予感はしてたけど、前に読んでた。
でも再読してみても面白かった。
島田さんは初期の作品は文句なく名作揃いだけど、後期はやや当たり外れがあると思う。特に社会派の傾向が強いほどイマイチに感じる。この作品はそれらと比べても独特のテイストがあり、異彩を放っている。
トリック?はまあさほど重要ではなく、主人公の少年独特の切なさがたまらない。
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う~ん…
ストーリーは島田荘司ワールド全開なのですが、この謎解きはいま一つ…いかんでしょう…
設定もいかにも陳腐では…?
あ、そうか、この作品、もとは「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」というコンセプトの講談社「ミステリーランド」向けの書下ろしなのでしたね。子ども向け。
…でも、子ども向けでこのストーリーはちょっと…では?(^^;;
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タイトルと表紙から気になって購入しました。宣伝文句の割に、ミステリのカラクリがなんとなく想像できてしまったこと、どんでん返しのネタ、透明人間の意味がいい意味で予想を裏切ってくれなかったことが、少し残念だったように思います。
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小学生のヨウちゃんは、近所で印刷会社を経営する真鍋といろいろな話をするのが唯一の楽しみ。真鍋はヨウちゃんにさまざまなことを教えていく中で、「透明人間は存在する」と言いきります。そんななか、ヨウちゃんと真鍋の住むF市で殺人事件が起きます。殺害時の状況は、被害者が透明人間になったとしか思えないものでした。事件から少し経つと、真鍋はF市から去ります。
犯人は誰なのか?透明人間は本当に存在するのか?
この文庫版に限ったことかもしれませんが、挿絵の抽象画がとにかく恐怖をあおります。
途中まで、透明人間になる薬は本当に存在するのではないかと疑ってしまうような上手い書き方がされていて、引き込まれました。ソ連アゲをしていた序盤の記述と時勢から、真鍋の正体はうすうす気づけるものではありましたが、透明人間のトリックは破れませんでした。悔しい…(笑)
真鍋のような境遇の人間に、一時でも生きる幸せを感じさせることが出来たヨウちゃん。彼自身は真鍋との別れ方を後悔すると思いますが、真鍋自身は彼らに出会えたこと自体が幸せだったろうと思います。
「この納屋に、これまでのぼくのすべてがあった。生きる意味のすべてが。」
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北朝鮮の内情はニュースで聞きかじるくらいしか知識がなかったから、
理想郷が何を指しているのか想像ができなかった。
してやられたと言うか本当にオカルトチックなオチにならなくて良かったと言うか、
ストンと腑に落ちた読後感でしたね。
ただ、金縛り云々の下りは必要あったのかな(笑)
透明人間に対するミスリードを誘いたかったのか、少年期によくある症状を現したかったのか、
そのどちらも兼ねていたのかはわかりませんが、
さしあたってストーリーにあの場面は必要なかったような気もします。
ちょっとあざとかったかもしれないですね。
でも個人的には好きでしたよ。短さもあいまって小さく綺麗にまとまっている感じ。
表題のぶっ飛び具合から社会派小説へのシフトは良し
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透明人間は何を意味するのか。真鍋の正体は?
最後に明かされた真実に、そういうオチか!と納得。トリックとかないミステリーも楽しめました。
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ミステリ界の巨匠・島田荘司の作品。
実は島田荘司の作品をほとんどまともに読んだことがなく、純粋なミステリ作品としては本作がほぼはじめてという点をまず断っておく。
物語は「ヨウちゃん」と呼ばれている人物の視点から語られ、その人物がこうであって欲しいと思っている願望のフィルターを通して描かれているが、そこはミステリ界の巨匠だけあってきちんとフェアに情報を与えてくれており、元々ミステリーランドという子供向けミステリとして出版されたとはいえ本格派の体裁を整えてあるあたりはさすがである。
ヨウちゃんが語る隣人の「真鍋さん」は何でも出来る人で、いつもヨウちゃんのことを気にかけてくれる優しくて頼れる人だった。彼が語る言葉の端々から、そして昭和52年という時代設定から、おおよそ彼がどんな人なのか、彼が語る国はどこのことなのかは察しがつく。そこからおおよその事件の背景が見えてくるが、明かされる真実は自分としては結構意外で、ヨウちゃんが信じていたものとは別の意味でまんまとだまされた。
真鍋さんはその理想郷と思っていた国から長い手紙をヨウちゃんにくれるが、そこで明かされる真実は結構切なくなる。この物語を通して、僕たちが生きているこの社会は案外捨てたものじゃないし、一生懸命やればきっと報われるんだよという島田荘司からのメッセージが織り込まれているように感じた。
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本格としてはもちろん、ミステリとしても稚拙な印象はぬぐえないと感じた。
作者は社会的なテーマを描くため、何とかミステリに仕立て、子どもを主人公に据えて魅力を増し、エンタメとしての体裁を整えた。
と、普通なら見向きもししないけど、やっぱり島田さんの力量で引き込まれてしまう。
やっぱり職人だなあ。
こういう小粒な作品もいいですね。
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時代は昭和52年の夏、孤独な少年ヨウイチの唯一の楽しみは、家の隣で印刷所を営む真鍋との語らい。身近なこと、宇宙のこと、将来のこと、様々な事柄を真面目に語り合った二人だが、一人の女性の消失事件が二人の運命を変えることになる。
島田荘司氏らしい奇想と、昭和50年代という某国がまだ理想郷と一部に思われていた時代背景がマッチして、良質なミステリーに仕上がっている。少年向け作品らしいが、時代を知っている大人のほうが味わい深いかも。