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星野博美の紀行文やエッセイを読んでいると、視野の広さってなんだろうと考えさせられてしまう。広い視野を持ちなさい、などと中立の立場で広く物事を見渡して判断することをよしとする意見をよく聞くし、自分もしばしば同じようなことを言うけれど、本当にそれでいいのだろうかと不安になる。決して否定的な意味でいうのではないが、星野博美の視野は狭い。
視野は狭いが視点が低い訳ではない。そして視力はとてもよい。きっとそれだからこそ、ちょっと脇に目を振った時に色んなことが見えてきて、またそちらへのめり込んでいくことになるのだろう。そのバランスが愉快なのだ。
そして、視野は狭いけれど好奇心はとても旺盛。一つのことが気になると、ずうっとそれを追いかけないではいられない。世の中というのは面白いもので、一本道をひたすら辿っていると思っていたのに、あちらこちらの道がいつの間にか直ぐ傍にに寄って来ていたりする。そして、寄って来る道が気になっていると今度はその道が交差してくる。一つのことが色んなこととつながる。星野博美のエッセイの魅力はそんなところにある。
免許書を取る、ただそれだけのことにまつわる由無しごとを描いているけなのに、見過ごしがちな日常にこんなにもみっしりと様々な価値観やら人生訓やらが詰まっていたのかということが、知らず知らずの内に見えてくる。つくづく、何にもないような日常が実は一番面白い、と言えるためには、じっくりとその日常と付き合っていかなければならないということを思い知らされる。
人生の節目に読んで損はない一冊、かも。
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星野さんとは同年代。
で、同じように、この年代になって普通自動車免許取得を目指していたとは・・・
(本を読んだら私の方が、先にとっていましたが)
いやはや、その苦労、よくわかりますよ・・・・
しかし、免許をとるのに、合宿で、しかも長崎の島にまで行くとは・・・びっくり!
さすがにそこまでは出来ない!!
五島の島での、教習の様子や、息抜きのお散歩や、乗馬や、遠足(自動車学校主催)など
いいなぁ~と思ってしまった
しかし・・・最短16日のところ、4週間近く滞在するのは、ちとね・・・
無事に免許取得し、都内の自宅での自主練のようすは、さらにおもしろかったです。
歩くのと、車とでは、同じ道でも違うよね
世田谷、やっぱり鬼門でしょう・・・わははは
私も久々に乗るために、卒業した学校で夜間に自車持込みのコース練習に行こうかと・・・
ああ、しかし、学校まで辿り着けないぞ、きっと・・・あららら
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年齢制限なし、動物たくさん唯一馬に乗ることができる、学校の前は海、一人部屋、全然知らない土地・・・
条件が整った「自動車学校」は長崎県の果て五島列島にありました。
人間関係に行き詰まり、愛猫に死なれ、日々の生活に疲れていた40代の星野さん。
最初は、変わった人だと思ったけど教習所の先生たちとのやりとりや、寮長(本当は寮長などいません)としての役割を懸命に担う姿はすてき且つ痛快で面白かったです。
来島者ならではの五島への感心が独特で新鮮でした。
島外から来た人にはこんな風に映るのかってのが分かります。
島に住む人にはぜひ読んで欲しいです。
星野さんに優しくしてくれた人がたくさんいてよかった~!
最後、お父さんとの会話でお墓参りの話をしたくだりは私はちょっと泣けました。
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40代で運転免許を取ろうとする様子を書いたお話。
しかも島で、合宿で、馬のいる自動車学校で。
星野博美さんの本を読むのは初めてなのですが、スラスラ読みやすい軽妙な文体に、視点の鋭さ・面白さが加わって引き込まれます。クスっと笑える箇所多数!!
免許取得の話だけではなく、島の人々とのかかわり、他の合宿生とのかかわり、先生方とのかかわり、馬とのかかわり。
などなど意外と(?)盛りだくさんで面白かったです。
免許の方は予想通り悪戦苦闘ですが、それも面白くて笑ってしまいます。
まず窓の開け閉めからして大変!昔ながらのハンドル式がいいって書いてあって笑いました。風景に見とれてしまったり、慎重すぎて発進できなかったり、エピソードがいちいち可笑しい(笑)
短期滞在者の自分にとっては素晴らしい島だが、ここにずっと住んでいる人々はどうなのかと考察してみたり、そういった島の生活にも触れられていて一種の旅行記のようでもあり。
そしてなんとか免許は取れた、その後東京に帰ってからの運転特訓がまた面白い!!まず特訓の先生であるお父様が強烈な個性を放っている(笑)
東京での運転には、島での教習が全然役に立たないって(笑)
ダメじゃん!
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毎日運転してるけどこんなに深く考えたこと無かった。わたし無事故ゴールドです。何か新しいことを出来るようになるっていくつになっても嬉しいことなんだね。
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40代女性、飼い猫が死に、人間関係に行き詰まり、何か新しいことをしたいと思って長崎の島で合宿免許取得に励む随筆。馬に乗り放題、島の方言で温かく指導する教官。こんなところで免許を取れたら心が元気になるはず。読後感がとってもよく読みやすい本だった。
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小説かと思ったら実話でした。それほど面白い。本当に合宿免許を取りに行くのに、こんなに面白い事が毎日起こるのでしょうか。こんなに個性的な人たちばかり登場するのでしょうか。車を運転しにいくのに、乗馬ができる教習所があるのでしょうか。筆者は40代女性で、運転するのが、慣れず、非常に苦労していているようですが、心の中では「やっぱり向いていないからやめた方が、いいよ」と何度も思ってしまいました。
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これは面白い!
中年女性である筆者。
ある出来事をきっかけに、現状を変えようと思い立つ。
そしてその方法が運転免許を取ること。
しかも東京から遠く離れた、自然豊かな五島列島での合宿免許。
そんな筆者のドタバタ奮闘記ですね。
読んでて素直に面白いと思った。
ただ、最後のほうの東京でのエピソードはもっと短くてよかったと思う。長くなるほど「島」での印象が薄れてくので。
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「合宿で免許を取る」という行為に、ここまで真正面から向き合う人が世の中に他にいただろうか!?
仕事でつまづき、心機一転飛び込んだ五島の自動車教習所での苦難(?)の日々と、そこで出会う美しい景色と素朴な人々。著者のまっすぐな感性を通すとこんなにも愛おしいものになるなんて。自分が日々いかに多くのことを見落としているか気づかせてくれる一冊です。
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とにかく面白いの一言!!
声を出して何回笑ってしまったことか。私も免許を取るのには苦労した方だけど、星野さんは自分でも言ってたように「脳」の回路から変えなければいならないほどのすごい挑戦。
離島ならではの逸話も面白く、合宿免許と言う二重の閉鎖環境ならではの苦労。そして無事免許が取れた後の本当の恐怖。
リアルなだけに本当に面白く、あっという間に読めてしまいました!
こういう笑いは大好きです♪
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新しいことを始めると見えなかったものに目が行くようになる。すると新しい発見や出逢いがある。そして新しい自分も発見できる。
私も色んなことに億劫になりがちだけど、踏み出す勇気をこの本からもらったかも!
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面白かった。
一気読み。
新しいことが出来るようになるときの楽しさを私も久々に体感したくなった。
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日頃、何気なく運転をしている私には、かなり興味深い本となりました。 著者の、長崎県のごとう自動車学校での奮闘ぶりが目に浮かびます。良質のユーモア小説のようで、地元の五島弁の先生と福岡や、長崎からやってきた生徒たち(含む著者の東京)のやり取り、本当に新鮮です。 誰か、映像化しないですかね、 美しい五島列島の風景と、悪戦苦闘する著者そして、仲間たちとのやりとり、絵になると思うのですが、どうでしょう。
最近話題の、ペコロスの母に会いに行くと、近いような遠いような、長崎弁満開の物語であります。
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合宿免許に挑戦した著者の体験記。
場所は著者の住む東京からはるかに遠い長崎の五島列島、福江島。
乗馬もできる、海のすぐそばにある自動車学校って素敵です。
楽しく読みました。
実地教習では、かなり苦労をされた様子。
何かを習得して、今まで出来なかったことができるようになった感動が伝わりました。
車の運転と人生に相通ずるところがあるなんて…奥深いなぁ。
東京に帰り、運転をするようになって発見したことや、変化したあれこれがまた面白かったです。
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会社員になってから最近免許を取ったので、すごく共感。そして五島で免許を取らなかったことをすごく後悔。私は本文にも出てくる目黒の日の丸自動車学校でとってよかった、そんな若い子ばっかりでもなかったし。それでも世田谷の自宅前でレンタカー擦ったからまたもや共感w もしもバイクの免許取るようなことがあったら五島に行きたい。