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白鳥春彦氏は、2012年にミリオンセラーとなった『超訳ニーチェの言葉』などの著書を持つ評論家・翻訳家。
「勉強は独学に限る」として、難解な本を読むコツ、教養を身につける方法、外国語の独学法、考える技術・調べる技術などを記している。
様々な気付きがあるが(もちろん、類書に書かれていることも多い)、独学に関しては以下のようなものである。
「特定の師を持たない。しかし、多くの師を持つ。しかも、そのへんの中途半端な教師を師とするのではなく、本物の最高レベルの師を持つのが独学である。具体的にいうと、最高レベルの書物を師とするわけである」
「独学を続けていると、人生が変わる。知識が増え、それにつれて考え方や視点が幅広くなっていくからである」
「独学しているうちに、自分に強い影響を及ぼす書物に出会うことにもなる。このような本を持つことは確かに大きな幸せのひとつであるはずだ」
「体験は過ぎ去り、深化追及されない。しかし、知識は普遍的であり、人間が古代から積み重ねてきたものなのだ。・・・この世に生き、そして人類の宝の輝きを享受するのが独学なのである」
また、本書の最大の気付きは、「真の教養の第一は聖書を読むこと」という指摘である。「聖書を知らない以上は世界を理解できない・・・世界の土台が聖書にあるのだから、そこに何がどのように書かれているのかを知っておくかどうかで世界の見方が変わるのは当然」、「キリスト教がわかれば哲学もわかる・・・ベースにある宗教さえ知っていれば、哲学はそれほど難解なものではない」等。
(2013年1月了)
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ご本人もおっしゃっている通り、これは実践書ではなくて思考書というか、独学をする上での心構えや思考の仕方などを書いた本です。しかも、すべての人に通じるやり方でもなく、これをやれば必ず結果がついてくるわけでも、目に見えて年収が上がったり出世したり受験に成功したりするわけでもない。
でも、そこがこの本のポイントなのだろうと思います。
白取さんのご本は、こちらで2冊目になりますが、1冊目のときと同様、読みながら脳みそが活性化されるのを味わえます。事実と真実の違い、知識と教養の違い、そしてなによりも、自分自身で考えることの大切さ。そういうものを、時に優しく、時に突き放して伝えてくれる本ですので、たとえ作中、彼と同意見になってもならなくても、「ではなぜ私は賛成できないのだろうか」「こういう理由だからか」「その理由は好き嫌いとは別次元なのか」「好き嫌いで意見に賛否するのを選ぶことはよくないことなのか」「よくないとすれば、どうよくないのか」「そもそもよくないとはどういう定義なのか」と脳内で一人議論ができるので、有意義です。
星を一つ下げた理由は、彼にしては珍しく?「常習飲酒をするな」と同じ内容を同じ言葉で何度も書かれていたことは、はたして本当に必要だったのかと思ったことと、後半、フリーメモや調べ物の仕方として内容があまりにも具体的になりすぎて、もっと抽象的な方が彼の思考を楽しめたのにと思ったからです。
あとがきにあった「美しい人間」という言い回しが好きでした。
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白取さんの主張はどの本でも一貫している。
何もかも漫然と眺め、世にあるもの一切を当たり前だと受け止めている限り疑問は出てこない。子供の様にあらゆる物に「なぜ」と言う疑いを持たないと知識は得られない。
カトリック宣教師がすぐに外国語を覚える伸ばしてラテン語を知っているから。ちょっと知っているだけで大体の意味が理解できる。
自分の感情をコントロールするのは大人が身に付けるべき事の1つ。本を読むとは、異質な人間の考えを取り敢えず受け入れて理解する事。そう言う許容の心がないから、怒ったり忿懣を抱えたりする。
文芸作品は、文章や論理の正確さではなく、描写のうまさや効果的な表現が重要。人は物語を読む時、頭の中に生まれ動く映像をリアルに観ている。
書物の理解には心理状態が深く関わる。感情が激しく動いたり、焦った気持ちでいるならば、本を読んでもまともな理解ができない。ゆったりとした気持ちで時間がたっぷりあると言う状態で読むのが最も理解が速まる。
その人が使う言葉はその人の思考と行動を如実に表現している。思考と言動が密接に関係しているのは、人間は言葉で物事を考えて判断するから。よって言葉で人を動かす事も出来る。
言葉のセンスとは、言葉全般についての強い関心。センスのある人は的確で幅広い言葉の使い方をする。相手が良く理解出来る言葉遣いをするように努める。言語や使い方に関心を持っていて、すぐに特徴が把握できる。
センスのない人は癖の強い話し方をする。何についても特定の言い方で纏めてしまう。この場合はいくつかのパターンの言葉の使い方しか知らない。要するに論理が乏しい。
単語を多く知るほど外国語への楽しみが多くなる。文法が分からずとも大体の意味が類推できる様になるから。分かるという事ほど人間に深い楽しみを与えてくれるものはない。外国で初めて会う他人と世間話がちゃんと出来る会話力は外国の大学に入る語学力よりも高い。
外国語の勉強法、まずは構文の習得。論理的な文章に多用される構文。論理パターンの枠組み。注釈付きの英字新聞。構文が分からなければ、論がどう流れどう纏まるか理解出来ないから。
教養がある程に外国語の理解が深く正確になるのだから、大人になってからの語学学習は少しも引けを取るものではない。
ユダヤ人がなぜ頭が良いのか?世界で最も古くから多くの考え方を学んで来たから。「タルムード」
調べたい事柄の言語化。武士の生活実態を調べたいなら、キーワードは武士にせず、武士の俸禄、住居、権限と義務、結婚、人数…等具体的な事柄をキーワードにする。後から増えるので数を初めから限定しないのもコツ。
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常に疑問を持ち、そこから派生して知識を得ていく。
知識と情報は違い、知識人と教養人が違うとの言葉は、まさに学問は現実の世界にいかに活かすが重要なのだと気づかせてくれました。テストを通過するための、お勉強ではなく、人生に役立つ教養を得たいと思います
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資格試験や大学受験のいわゆる勉強ではなく、知識や教養を身につけるための勉強について書かれた本。やや高圧的な文体が鼻につくが、内容としては面白い。とりあえず聖書は教養として一読すべきだと思った。
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・勉強によって得られる知識の効力よりも、勉強をすることで身につく能力のほうがあとになって広く応用が効く。
・独学をするには辞書や事典、地図を準備しておく。
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自学こそが本当の学びという主旨には賛成できるけど、偏見に満ち、自己顕示欲ばかりが見える文章にうんざり。
バングラデシュは貧乏だから見るべき文化がない(p44)、『共産党宣言』は幼稚(p58)、『論語』は中国官僚の処世術にすぎない(p114)、ウェーバーの論は狭い(p154)…。さらに専門家が積み重ねてきた研究を無視して、フロイス1人が書いた本だけを根拠に江戸時代は野蛮な時代だったと決めつける(p98)。
ヨーロッパ至上主義、ヨーロッパの言語や文化を学んだ自分は高級だといいたいだけだ。しかも自分の印象や好みだけでものを言い、客観的研究の態度とはほど遠い。
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独学の仕方というよりも独学する事で得られることや、宗教を学ぶべきと言った内容の本。勉強を導く教科書のようなものがどこかにあるはずだという思い込みが独学の障碍になっているというのは共感できた。他にはあえて難しい言い回しを多く使っていたり著者の主観が多かったりという印象が残る。
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所々気の利いた言い回しが散見されるが、基本は「著者の独学方法」を紹介しただけの本。しかしながら、自分と同じスタイル以外は認めない、といった老人特有の視野狭窄な断定が多く、読んでいて窮屈。自分のスタイルをごり押ししてくる輩はだいたい寂しい人間であるという私の勝手な偏見から、斜め読みして終えました。再読はありません。
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独学に対する姿勢の本。聖書を理解できていないと、世界を理解出来ない、というのが1番気になったワード。いろいほな本や考え方は、すべて聖書からきてるとか。
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独学に重きをおいているので期待して読んだがひどい
哲学書をたくさん読んでいるのを自慢したいようだがそれ以前に論理の基礎的なところが破綻している。
「パソコンは本の代わりにはならないし、パソコンで勉強することも実際には無理である。電脳社会がどうのこうのというけれど、機器が電脳になっても人間の頭は絶対に電脳にはなれないのだ。」
情報の手段と受け取るものが同じ必要はまったくないし、人間の頭は印刷でも出版でもないし
それ以外にも哲学書を読んでも理解できなかったという話のすぐあとに、大抵の哲学書は読めば分かる
ってあるし
著者以前に出版社ディスカヴァー・トゥエンティワンを疑うという久々にひどい本
わー超訳『ニーチェの言葉』の人なのかー気になっていたけど読まなくてよかった
新書で被害が少ないうちに読んで良かったという
ひどいひどい本
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賢くなりたいなぁ、と軽い気持ちで手に取ってみましたが、私にとってはアタリでした。
難解な本を読むことに躊躇する場合は、臆しなくなる方法や、内容が頭に入らない時の読み方、難しい内容を理解するための三種の神器、哲学のススメなど、厚い本にステップアップする技術を学びました。
また、聖書は読むべし、としていましたが、科学、芸術、戦争史、その他諸々の本ではキリスト教に関わる事が多いので、西洋的な考え方を知るためにも毛嫌いしていた聖書に挑戦してみようと思います。
短期的に知識を叩き込む方法ではなく、長期的に教養を身につけるための本の読み方、の本でした。
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著者の断定的な言い回しに癖が強いが、言っていることは勉強への姿勢であり賛同できる。
研究に近い類の独学のすすめである。
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独学の心構えや筆者のやり方を教えてくれるけれど、少し高圧的。学ぶ姿勢の考え方はなるほどなと思うけれど、筆者の考え全てに賛同できるかといえば難しいなという印象でした。
聖書は読み物として面白いので、ほかの宗教の聖典は一度は目を通したいところはあるかな。
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図書館で借りることがほとんどなので、少しどきりとしました。だからすぐに忘れるのかなあ。いろいろためになりました。