紙の本
オールスターキャストの大サービス
2012/12/10 15:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディーヴァーの既読作を並べてみると、わたしはジェフリー・ディーヴァーの「ファン」といわれても仕方がないかもしれないが、別に熱心な支持者と言うものではない。頭脳型の凶悪犯罪に対する四股麻痺探偵の痛快マンハントチェイスというミステリーなのだが、いつも冬場にはこれに匹敵するようなハラハラドキドキの面白い作品に出くわしていないだけのことなのだ。読むほうも惰性で読んでいるし、実は作品もお決まりのストーリー展開であって新鮮味がない。
ただ著者には
「今回は新機軸で驚かされるんじゃぁないか」
と期待を持たせるだけの風格はありますね。
カバー裏のキャッチコピーは詳細でした。
「突然の閃光と業火………それが路線バスを襲った。送電システムの異常により電力が一つの変電所に集中、爆発的な放電が発生したのだ。死者一名。これは事故ではなかった。電力網をあやつる犯人は、ニューヨーク市への送電を予告なしに50%削減することを要求する。だがそれはNYに大停電を引き起こし、損害は膨大なものとなると予想された。
FBIと国土安全保障省の要請を受け、科学捜査の天才リンカーン・ライムと仲間たちが捜査に乗り出した。しかし、敵は電気を駆使して罠を仕掛け、容易には尻尾をつかませず、第二の殺戮の自国が容赦なく迫る。
一方ライムはもう一つの大事件を抱えていた。宿敵たる天才犯罪者ウォッチ・メイカーがメキシコで目撃された。カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンスとともにライムはメキシコ捜査当局をサポートし、ウォッチ・メイカー逮捕作戦を進めていたのだ。
ニューヨークを人質にとる犯人を頭脳を駆使して追うリンカーン・ライム。だが彼は絶体絶命の危機が迫っていることを知らない………」
さて、わが国をみれば衆院選に向け、乱立した政党の政権公約・マニフェストがほぼ出揃った。沸騰する争点の一つは原発政策だ。エネルギー・環境戦略である。この雰囲気の中であたかも環境保護をテーマにジェフリー・ディヴァーが正義を主張するかのようにみせた、本著の出版はタイミングがいい………。と思いたくなるが、徹底的なエンタテインメントがディヴァーの持ち味である。「再生可能エネルギーへの転換を」などと彼から見れば余計なロマンでありその辺を語ることはない。
登場人物はおなじみアメリア.サックスはじめとするニューヨーク市警の仲間たちと介護士トム。今回はこれに読心術(キクシクスと呼ばれる)の天才・キャサリン・ダンスと筆跡鑑定(文書検査士と呼ばれる)の天才・パーカー・キンケイド………とにかくこのシリーズは鬼才・達人が多い………もでてくるから、かれらが活躍した作品を読んでいると少し得をした気分になれるかもしれない。さらにメキシコのほうでは宿敵・ウォッチ・メーカーの暗躍もある。
なにか大物のスターたちの友情出演からなるオールスターキャストの年末豪華作品といった風情で、ラストもわたしの大好きなドタドタとしたドンデンガエシの連続ワザではなかった。落ち着いたホームドラマのエンディングまがいには、このシリーズもそろそろ一段落かなと思わせる。
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リンカーン・ライムシリーズ。
今回は要するにレッドヘリングにライムたちが振り回される話だな。
振り回されたあげく、ライムが(自粛)
今作も強引ながら、やはりラストのどんどんどんでん返しがたまらんです。
うるさいこと言わずにスリルとサスペンスを楽しもうぜ!
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〈リンカーン・ライム〉シリーズ第9弾
リンカーン・ライム、絶体絶命。
電力網をあやつる敵がニューヨークを恐怖に陥れる。
ミステリ:
ストーリー:
人物:
読みやすさ:
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今回は電気を使った殺人事件。 犯人は変電所、エレベーター、ホテルと様々なところに罠を仕掛け、アークフラッシュをかけたりニューヨーク中を恐怖に陥れる。一方以前ライムと対決し、逃げ仰せたウオッチメーカーがメキシコに出没。犯人はどんな罠をまたかけるか、と言うところと最後にウオッチメーカーと今回の事件が微妙に結びつく。最後のライムとウオッチメーカー、レーガンとの対決が見物。前のソールコレクターも良かったが、やはり今回の方が話の内容が非常に現実味が有り、またどんでん返しの妙が有り、数倍良かった。これは読むしかない。
次回ライムが手術により少しずつ体を動かせるようにしようとしている強い意志が見えたところも、今後の活躍が期待でき良い終わり方だった。座布団5枚ですね。
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リンカーン・ライム・シリーズの最新作。今回はツイストっぷりはちょっと控えめかな。とはいえ、そこはディーヴァーさすがの高クオリティ。タイムリミット型サスペンスや宿敵ウォッチメイカーの再々登場など読ませどころは充分で、最初から最後まで読むものをガッツリ掴んで話さない。いや〜面白かった♪
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リンカーン・ライムシリーズ最新作。相変わらず面白かったが、若干いつもより微量証拠からの推理がさみしかったかな。
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リンカーン・ライムシリーズ第9作。大満足です!一気に読まずにはいられないけど一気に読むのはもったいない、そんな心地よいジレンマに陥りました。
マンハッタン内の変電所で電気による爆発ー“アークフラッシュ”ーが発生し、付近に停車中だったバスの乗客らに複数の死傷者が出た。何者かによる故意に起こされた事故だった。犯人の狙いは、個人か、電力会社か、それともアースデイに合わせた環境テロか?NY市警はリンカーン・ライムに捜査の指揮を要請した。ライムは、過去に取り逃がした殺し屋ウォッチメイカーをメキシコ警察と連携して追跡中だったが要請を受けた。だが現場から採取した物的証拠から手掛かりが殆ど見つからず、さらに犯人から次の犯行を予告した脅迫状が届く…。
「人間の心臓を止めるにはたった100mA、ヘアドライヤーの消費電力の百分の一の電力で足りる。」
“電気”が今回の厄介な敵の武器。
アークフラッシュの被害が恐ろしげで、様々な悲惨な現場をくぐり抜けて来たサックスまで怯えさせる。電気という、その脅威を忘れて便利さだけで身の回りに溢れているものを、ここまで上手く使いシリーズ史上でも強烈な印象を残したディーヴァーに拍手!
クラウドゾーンの捜査など従来とは違った手法も交えながら、擦れたシリーズ愛読者の予想や期待の斜め上をいくtwistedな展開も見事。なかなかライムお得意の科学捜査が活かせなくてヤキモキさせられるんだけど、終盤にはスカッと爽快感が得られる結末。犯人とライムの会話は、常識的に被害者たちのことを考えたらあり得ないんだけど、いい雰囲気になっちゃったのはご愛嬌。
シリーズファンは、最終章の8ページに一番衝撃を受けたのでは?
うーん、これで次の新作も目が離せない。
そしてこのシリーズの醍醐味であるリンカーン・ライムチームの面々の活躍ぶりも、惰性に陥ることなく存分に堪能出来た。
このシリーズの新作を読む時は巻頭の登場人物表にじっくり目を通して誰が出てくるのかをチェックするのも楽しみのひとつ。今回は自分がお気に入りの、2丁拳銃のアノ人が載ってなかったので若干ガッカリしてたけど…チラッと要所で登場してくれたのはラッキー。
今回の登場人物の中ではプラスキーが不運続き。今までもかなり貧乏くじを引いてきたけど…あまりにも可哀想でディーヴァーは彼を虐めるのを楽しんでるんじゃないかと疑う程。まぁ、例の被害者の身元が分かってからのルーキーの態度は感心できないけど。ライムの叱咤が効いてくれるといいなぁ。
FBIの覆面捜査官デルレイの巻き返しは、彼の本領発揮であっぱれ。というかむしろ、一旦落ち込んだ彼の尻を叩いた人がよかった!
あぁ、なんだか、プラスキーの初登場やらウォッチメイカーやら、そもそも初期のライムやライムチームが出来ていく過程をもう一度読み返したくなった!
The Burning Wire/2010/Jeffery Deaver
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電力がテーマということで、福島原発事故が影響しているのかと思ったら、執筆は2010年。「全国のすべての電力会社にこの危険を認識させるべきだ。しかしそれ以上に、一般の人々に広く知らせることが大切だろう。・・・・みながいまの半分の電力で暮らすよう心がけるだけで、年に何千という命を救うことができる。・・・いまこそ電気を使う我々一人ひとりが自分の問題として真剣に考えるべきだ!」これは脅迫状からの引用だけど、(この場合の危険とは電力線の電磁波による白血病の誘発)福島後の我々には切実な問いとして突きつけられる。ということで、さすがジェフリー・ディーヴァー、電力の他操作方法としてのクラウドなど物語の大道具小道具は実に時代をよく捉えている。必読!
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毎日こま切れに読んでたかもしれないけど、物語にグイグイ引き込まれるという感じがなくてやや不満。っていうか、この人の話、少し飽きてきたかも。どんでん返しが売りになると、どうしても期待しちゃうし、それを期待してる時点で既に「どんでん返し」の効果はないんだよな。。。でも新刊が出たら買っちゃうかな。
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最後の最後まで目が離せない展開が続いて、緊張しながら読みました。
また、電気という身近な恐怖に前作同様ゾッとさせられました。
ライムとウォッチメイカーとの関係性がとてもいいなぁと思いました。
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シーリーズ9作目、NY市科学捜査顧問リンカーン・ライムが挑む真犯人は意外な人物。
ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムシーリーズ。今回の事件はニューヨーク市内の変電所や電力会社等の送電線を狙い無差別殺人事件が次々と発生する。
変電所を遠隔操作で操り過剰な電圧が掛かる様に仕向け街の中で爆発的な放電を発生させバスごと市民を感電死させる。市内のホテルのフロアに電気を流し手すりやドアノブ等金属にさわった客は全員感電死して行く。等想像も出来ない様な残虐な手口で犯行が繰り返され犯人からは電力大手アルゴンクイン社にNY市内の強制停電させる要求が届く。
犯人は、病気退職し会社に恨みを持つ元アルゴンクイン技術者なのか、再生エネルギーに否定的なアルゴンクイン女社長か、それとも環境団体ジャスティス・フォー・ジ・アースのテロなのか、、、
また時を同じくしてLAの捜査官キャサリン・ダンスからライム因縁の犯罪者ウォッチメーカーをメキシコで包囲しているとの報告を受ける。ウォッチメーカーは逮捕されるのか?
9作目にしてもライムを取巻くチームの目まぐるしい活躍や犯罪の巧妙な仕掛けはJ・ディーバー健在が十二分に伝わりマンネリ感も無く斬新なストーリーで相当なボリュームある小説ですがあっという間に読み終わります。
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「敵が“電気”ってどういうこと?」と思ったけど、読んでみて納得。電気が凶器になり得る色んなお話が出てくるが、まるで生き物のように描かれてる点が印象的で気に入った。
証拠分析の面白さは他シリーズに比べて若干劣ってるように思う。電気を使う犯行という設定のせいなのか、証拠自体が地味で、劇的に展開するような流れにはなっていない。このシリーズの見所である分析シーンのインパクトが弱いとなると、自然とチームのドラマに目がいってしまう。ダンスやキンケイドの近況も知れたし、まあそれはそれで良かったのかな。
前作に引き続き、社会性のあるテーマを手段としてストーリーを展開させるのはすごく巧いし感心させられるけれども、直接手を下していない分、ある種のモヤモヤは残る。でも本作品で一区切りついたみたいなので、次回からの新しい展開に期待しよう。…作者の思惑通り、読後は金属に触れるのが怖かった。
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このシリーズは文庫で揃えていたが待ちきれず単行本で購入。
上下2段組でこの厚さ…至福の読書だった。
いつものキャラクター、肝心の事件はもちろんのこと、それぞれの登場人物同士の関係性の変化も楽しめた。終盤などは感動すら覚えた。
やっぱりこのシリーズ大好きだ。
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登場人物たちを応援したくなるよりも「さぁ、次はナニ?」って気持ちが優先させられる毎度の展開
お決まりのどんでん返しが今回もビシっと決まった
そして、リンカーン ライムシリーズも一区切り
なので、次回作も期待しちゃう
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人間の心臓を止めるためにはたった100ミリアンペア(ヘアドライアーの消費電力の1/100の電気)で足りる・・・
私達の生活には電気が欠かせなくなっています。日常生活,経済活動,医療などなど電気がないとどれも立ち行かない状態です。
今回のリンカーン・ライムの敵は,その「電気」を武器にするテロリスト。銃やナイフといった武器とは違い,いたるところに「電気」は存在しているので,狙われた者は,いつどこで感電死させられるかわかりません。
四肢麻痺という障害を抱える科学捜査の天才リンカーンとそのチームの面々もその恐怖に怯える中,次の犯行を防ごうと立ち向かって生きます。
今回は,並行してリンカーンの宿敵である「ウォッチメイカー」の追跡劇も描かれています。リンカーンが取り逃がした唯一の犯人「ウォッチメイカー」。今度こそ捕らえることができるのか。
そして,もちろんディーヴァーの代名詞「どんでん返し」もありです!!