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日本人の食卓が劇的に変わったときはいくつもあるのだが、代表的なものとして2つ。1つは戦後間もないときにファーストフードや穀物食など食べ物が西洋化・ジャンク化したとき、そしてもう一つは1853年の開国の時代である。そのときは西洋料理がやってきた。そして明治維新に入ると、江戸から東京に移り変わり、「文明開化」の象徴の一つとして「牛鍋」とよばれる現在のすき焼きがブームとなった。
家庭料理もまた「西洋」の影響を受け、パンやスープも食べられはじめ、音楽や歌も西洋のものが入るようになった。本書は西洋料理が入ってきた時代の家庭料理について食卓だけではなく、調理教育・料理学校・料理本などをもとに近代の家庭料理事情を紐解いている。
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江原絢子『家庭料理の近代』吉川弘文館、読了。西洋料理の渡来は、日本人の食生活を大きく変えることになる。本書は幕末以降、近代日本の家庭料理に注目することで、その豊かさを再発見する。
肉じゃが、すきやき、とんかつはどのような経緯でわたしたちの「家庭料理」へとりこまれていったのか、本書はその経緯をあきらかにする。
新しい料理や技術の伝播には、料理教室・学校~料理、婦人雑誌が機縁となった経緯の詳説が著者ならでは。
『家庭料理の近代』吉川弘文館の著者・江原絢子さんによる「解題 近代日本の料理書(1861~1930)」『東京家政学院大学紀要』第43号、2003年。pdf→ http://www.kasei-gakuin.ac.jp/library/kiyou/zenbun/43H225.pdf
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幕末からの食の内容の移り変わりや、それに伴う料理学校や街の風景の変化など生活面を主に取り上げている本。思いの外、古い料理が今でも作られていることを改めて認識するに至った。
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近代日本における家庭料理の変化の歴史。
明治以降、家庭の食事はどう変わっていったのか。
西洋料理や中華料理、また、それらの新しい料理と旧来の日本料理を融合させた「新たな和食」。
そうした新しい料理が家庭に普及していく様子を、学校教育の記録や当時の料理本などから読む。
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帯文:”カレー、とんかつ、フライ、肉じゃが、コロッケ、すきやき、シチュー…。今日の食卓を豊かにした「食の文明開化」を描く”
目次:日々の食卓重視へ――プロローグ、新しい料理への目覚め、料理教室・料理学校の誕生と発展、女学校の調理教育、料理書と雑誌による料理のひろがり、あとがき、参考文献・・・etc