紙の本
ファン向けだが、面白い企画。
2019/08/12 00:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリー作家たちが、デビュー前に書いた作品を修正なしで載せるという企画。書いた当時にまつわるエッセイ付き。
完全にファン向きの内容でしたが、ファンとしては、面白かったです。
関西の先生方は特に、デビュー後にも出てくるキャラクターが登場する話もあり、そこも楽しかったです。
デビュー前と言っても、中学生の頃の原稿を載せる人から、大学のサークルで書いた作品、応募用の原稿など、本当に多種多様でした。
「ええっ!そういう感じで終わっちゃうの!?」という感じの話や、ギャグに走った話など、エッセイもついて見れるからこそ、当時を思い描いて微笑ましい気持ちにもなれました。(作家の方々にしてみたら、かなり恥ずかしい企画だったと思いますが。)
デビュー数年前、という作品を載せている場合は、かなり仕上がっている感じがありました。特に、綾辻行人さんの話は、かなり出来上がっちゃっている感じでした。人形館を読んでいたこともあって、比較は面白かったです。
汀こるものさんの話は、心に残るレベルで怖かったです。
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デビュー前の作品と言うことで、荒さが目立つものもあれば、完成度の高い作品まで様々。
それでも各作家さんの特色が出ていて興味深かったです。
当時の話はとても面白く羨ましくも感じました。
そんな中でも初野さんの作品が一番引き込まれて読みました。今の作品としても十分通るのではと思える出来でした。
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ミステリ作家のデビュー以前の作品とそれにまつわるエッセイを集めたアンソロジー。いやあ、実に面白い企画ですな。
収録作家は有栖川有栖、法月綸太郎、霧舎巧、我孫子武丸、霞流一、高田崇史、西澤保彦、初野晴、村崎友、汀こるもの、綾辻行人。
学生時代のサークル内で発表することを前提としたものや、新人賞に応募することを前提とした作品があるため、完成度は比肩出来ませんが、どれもこれも「こんなミステリが好き」という部分が抽出されているようで面白かったです。そういう意味では各作家の特色(個性)が表れているんですよね。エッセイ含めてミステリを楽しむ為の本なのかも。
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各作家のデビュー前の作品を集めたアンソロジー。さすがに現在の作品と比べると出来はいまいち?と思いきや。アマチュア時代にやはりこれだけのものは書けないといけないんだなあ、と思ったりも。でも本当、各人の色というか、個性は充分出ています。おなじみのキャラクターも登場していたりして、楽しい限り。
お気に入りはやはり「人形館の殺人」の原型である綾辻行人「遠すぎる風景」。これは人形館ネタバレになるので未読の人は注意です。
初野晴「14」も好き。これはとても完成度が高い気がしました。読み応え充分です。
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帯、まえがき共にハードルを上げ過ぎかと。習作よりもエッセイを楽しものとして1500円は高いのか?安いのか?悩む所ではある。
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デビュー前の作品を手直し禁止で表に出す羞恥プレイ。なんだか楽しそうだなぁw
でもまぁ、ファン向けの作品でもあると思う。あたりまえだけど。
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【収録作品】「蒼ざめた星」 有栖川有栖/「殺人パントマイム」 法月綸太郎/「都筑道夫を読んだ男」 霧舎巧/「フィギュア・フォー」 我孫子武丸/「ゴルゴダの密室」 霞流一/「バカスヴィル家の犬」 高田崇史/「虫とり」 西澤保彦/「14」 初野晴/「富望荘で人が死ぬのだ」 村崎友/「Judgment」 汀こるもの/「遠すぎる風景」 綾辻行人
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何この豪華な面子…しかもデビュー前作品…だと…。そんなの買うしかないじゃないのよお!というわけで、まんまと釣られました、ミステリフリークのアカウントはこちらになります( ´ ω ` )ノども
綾辻・有栖川・法月・我孫子・霧舎という新作出したら絶対読みたい本格第一線の先生は勿論、酷評したことのある先生方の作品も面白く拝読しました。これは、各作品の末尾に付された先生方のエッセイも併せて興味深いです。逆に言うと、エッセイが無ければ、かなり荒削りなオムニバスを見せられて憮然としかねない内容ではありますね(笑)。
本題のミステリ自体は、全体的にトリックが力技な印象です。「そこ、挑戦状付けちゃいます?」、「伏線分かりやすいなあ」などと謎の母親的目線←で微笑ましく読み終えました。
デビュー前に書き上げて、本来なら日の目を見ることのなかった筈の作品を今回出してしまった先生方のコメントがまた面白い(笑)。
お目汚し失礼しますよ~、と恐縮する方もいれば、まあこんな感じですかね、と淡々としてる方、結構書けてるんじゃね?と自画自賛(笑)してる方、今とかわんね〜な!と自省される方(笑)まで、様々な反応が見れますよ(*^^*)キャラが滲み出てて楽しい!
ミステリ作家が一つの本の中でこんなに恥ずかしがったり反省したりするの、過去に無いんじゃないだろうか。さすが講談社(笑)。修正許しません!なとことかも、超ドS(笑)。
20代の始め頃に既にこれだけの物を書いてた、っていうのは、ミステリ作家を目指してる人達の一つの指針になったりするのかも、とチラッと思ったりしました(´・ω・`)
今作をキッカケにして、私達をギャフンと言わせてくれる未来の推理作家がきっと生まれてくれることでしょうっo(^▽^)o楽しみ~
本来なら星3つのところですが、講談社のチャレンジ精神への敬意と、各先生方のコメントへの愛、そしてこの作品が次世代の推理作家誕生にきっと寄与してくれることへの期待を込めて、星4つです!笑
◉有栖川有栖/蒼ざめた星…江神シリーズ前身\(^o^)/わーい
犯人は何故、被害者の顔面を二度轢いたのか?
◉法月綸太郎/殺人パントマイム…犯人は何故、ワープロの指紋を消す必要があったのか?
◉霧舎巧/都筑道夫を読んだ男…犯人がドアに弄したトリックは完璧な筈だった。
◉我孫子武丸/フィギュア・フォー…足を4の形に見たてたダイイング・メッセージの謎。
◉霞流一/ゴルゴダの密室…扉に貼り付けにされて殺された被害者の部屋に、犯人はどうやって侵入したのか?
◉高田崇史/バカスヴィル家の犬…オームズとワトヌンの愉快な冒険(笑)。レ「ストレス」レイド警部(笑)。
◉西澤保彦/虫とり…観察される宇宙人の謎。彼等は何故、月世界に軟禁され、人間によって管理されるのか?
◉初野晴/14…男は何故、複数の人間に生活を覗かれることになったのか?
◉村崎友/富望荘で人が死ぬのだ…謎解きは笑止千万なオチが付いて終わるーー筈だった。
◉汀こるもの/Judgment…私を助けてくれた彼は殺人者だった。そして、私は毎夜、水が滴る音を聞く。
◉綾辻行人/遠すぎる風景…母親が謎の死を遂げた。しかし、それと前後して、僕の周囲では奇妙な出来事が起こっていた…。『人形館の殺人』原型。
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現役ミステリ作家のデビュー前原稿が収録されています。とても面白く、興味深い本です。それぞれの原稿も必読ですが、そのあとの作者コメントも必読! 作家志望者・ミステリファンをターゲットにしているようですが、どちらでもある私には、まさにバイブル。何やら考え過ぎていたことに気づき、吹っ切れた気がします。シンプルに、ストレートに、楽しんで書いてみよう。そう思いました。
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デビュー前の習作アンソロジー~有栖川有栖(1959同大)「蒼ざめた星」京都郊外の崖の上で殺された男は何故顔だけ二度も轢かれたか:法月綸太郎(1964京大)「殺人パントマイム」自宅書斎で口述筆記中に殺された食品会社社長:霧舎巧(1963駒大)「都筑道夫を読んだ男」接着剤とチェーンロックで密室を造る:我孫子武丸(1969京大)「フィギュア・フォー」シェーのポーズのダイイングメッセージ:霞流一(1959早大)「ゴルゴダの密室」ホテルの浴室ドアに磔にされた手品師:高田崇史(1958明治薬科大)「バズカヴィル家の犬」ホームズのパロディ:西沢保彦(1960米エカード大)「虫とり」月で異星人と暮らす状況を世界に伝える捨てられた男達:初野晴(1973法大)「14」白眼を剥いた女子中学生と仲間に追い詰められる落ち目のお笑い芸人:村崎友(1973成城大)「富望荘で人が死ぬのだ」お盆過ぎの臨海セミナーハウスで殺人:汀こるもの(1977追手門学院大)「judgement」なんちゃって女子高生売春婦と殺し屋中学生:綾辻行人(1960京大)「遠すぎる風景」多重人格もの~どいつもこいつも凝った名前にしやがって覚えきれない。皆,大学を出てるんだね。まあ,中卒だとか,大学在学中に賞を取ると騒ぎになるわけだが。一様に恥ずかしそうにデビュー前の作品を陳列。初出じゃないところが余計に恥ずかしいのかも。「バズ・・・」,「14」,「judgement」が印象に残るかな。綾辻はちゃんとストーリー構成ができている
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図書館にて借りる。この企画を考えた人はドSじゃなかろうか。小説よりもエッセイの方が面白い。みんな羞恥に悶えてるところがなんとも…(笑)
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11人の作家による、作家になる前に書いた短編集。
これを読んで、これなら小説家になれる! と思う、のが目的?
昔の小説と本人によるエッセイ…というか、書いた頃の話つき。
小説の方は当然ながら、犯人も何も分かりません。
エッセイの方も、作者本人達が黒歴史、と言っていますが
どうだめなのかも分かりません。
初野さんの話が、かなりぞっとしてしまいました。
付きとめた執念に、ではなくて、最後に。
希望を失ったものは途方にくれる。
そして希望を打ち砕いた人間に復讐する。
とはいえ…これは、怖い、です。
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内容が、というより企画の趣旨自体が面白い。
有栖川有栖、法月綸太郎、我孫子武丸などなど、そうそうたるメンバーの世に出ていない処女作を集めた一冊。
私自身も11人中9人が既読で、あの大御所の学生時代の作品が読める、とつい飛びついてしまった。
当然磨ききれていないものもあるが、あの名作の下地になったのだと思うと、感慨深い。
ミステリマニアには是非お勧めしたい。
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現在活躍しているミステリ作家の人たちのデビュー前の作品を集めたアンソロジー。
面白い企画だと思います。目標は作家を目指す人に希望を持ってもらう事だとか…うーん、なんてこと(笑
評価は純粋に読み物としてならば★-1したいところ。本棚に眠る卒業文集よりは読めるのは確かだけれど、いかんせん皆さんお若いです。
逆に三度のご飯より好きな、新刊が出ると即買いな作家さんがいるのなら★+0.5してよいです。
構成としては懐かし原稿にコラムがついている形式×11。
個人的には大好きな作家さんがいたので手を出し、つられて読んだ14でゾクゾクをもらえて満足です。この方の他の作品を読んでみたくなりました。
≫目次
まえがき・・・有栖川有栖
有栖川有栖 蒼ざめた星(ミステリー)
法月綸太郎 殺人パントマイム(ミステリー)
霧舎巧 都筑道夫を読んだ男(ミステリー)
我孫子武丸 フィギュア・フォー(ミステリー)
霞流一 ゴルゴダの密室(ミステリー)
高田崇史 バカスヴィル家の犬(パロディ)
西澤保彦 虫とり(SF)
初野晴 14(サスペンス)
村崎友 富望荘で人が死ぬのだ(ミステリー)
汀こるもの Judgment(ホラー)
綾辻行人 遠すぎる風景(サスペンス)
あとがき・・・綾辻行人
*作品のジャンルは個人的な印象によるものです。
≫BOOK DATE
0番目の事件簿/講談社/メフィスト編集部・編/913.68 め
9784062180788/383p 19cm 1500円/2012.11
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人気作家のアマチュア時代作品を無修正で大公開!作家志望者、ミステリファン必読の“前代未聞”本
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有栖川有栖「蒼ざめた星」
……同志社大学推理小説研究会時代に執筆した江神シリーズ作品
法月綸太郎「殺人パントマイム」
……京都大学推理小説研究会時代に執筆した犯人当て
霧舎巧「都筑道夫を読んだ男」
……駒澤大学推理小説同好会会誌に収録された作品
我孫子武丸「フィギュア・フォー」
……京都大学推理小説研究会時代に執筆した犯人当て
霞流一「ゴルゴダの密室」
……ワセダミステリクラブ時代に執筆したデイリースポーツ懸賞付き犯人当て
高田崇史「バカスヴィル家の犬」
……中学時代に執筆した作品
西澤保彦「虫とり」
……SF同人誌に収録された作品
初野晴「14」
…… 第38回オール讀物推理小説新人賞に応募した初投稿作品
村崎友「富望荘で人が死ぬのだ」
……大学時代のミステリークラブ機関紙に収録された作品
汀こるもの「Judgment」
……追手門学院大学文芸部の卒業記念誌に収録された作品
綾辻行人「遠すぎる風景」
……京都大学推理小説研究会時代に執筆した『人形館の殺人』原型作品+++
なんと貴重な一冊だろうか。初々しいものあり、ちょっぴり未熟なものあり、すでに現在を想わせるものあり、無防備なものあり、さまざまで愉しめる。若き日の著者の方々が、意気揚々と愉しんで書いていらっしゃる姿が目に浮かぶような一冊である。