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3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

それでも『俊平』の頃のように期待している自分がいる

2013/01/03 20:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る

40歳代の恋愛(というより、恋愛のやり直し)を描いたこの物語も、これにて完結。
やはり話の途中で評価するのはむずかしく、第2巻のレビューでは「健太の逡巡がリアルに思える」などと書いてしまったのだが、ここへきて健太こそリアルでなくなってしまった。彼の思いこみは他人のことをまるで考えていないわけで、これはとても40代とは言えないのではないか。
そう考えると、遼介も薫子もどこかある種幼いところがあるように見えてしまう。40代はまだ人生のやり直しができるのだろうか。そんなことを考えさせられてしまうのだ。
もちろん、マンガはマンガなわけで、実際にはあり得ないこと、ある種あこがれと思ってしまうようなことが起こりうるのだと描いてしまうことに意味があるのかもしれない。しかし、『俊平』で同世代人としてのリアルさを感じた身としては、柴門マンガには夢よりもリアルさを求めてしまうところがある。そここそが、柴門マンガの魅力だったのではないだろうか。
別のところでも書いてしまっているのだけれど、25年も会わないでいた同級生に、同窓会という場で再開したからといって、一時の懐かしさや感情でその後の人生をかけてしまうようなことをしてしまうのだろうか。個人的にはそこが、どうしてもリアルにならないのだ。
しかも、多少意外なところはあったものの、ラストはやはり予定調和のように、当初収まるであろうと思われていたところへ収まる(という結果が描かれているわけではないのだが)という、いかにもの終わり方をしてしまっている。物語としては、最初の設定からするとこれしかないのだろうけれど、やはり何か物足りない。
柴門マンガは、作者が自分と同世代をそのまま描いていた時にはリアルであったけれども、徐々に時間や舞台を変えていくことでそのリアルさが薄れていったような気がして仕方ない。それでも『俊平』の時のリアルさの魅力が忘れられず、こうして読み続けてきたのだけれど、そろそろ終わりなのだろうか。

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2013/01/09 15:33

投稿元:ブクログ

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2014/07/21 17:10

投稿元:ブクログ

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