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読了、★5。経営を科学的に捉えようとする海外の経営学のトレンドを知ることができ、久々に知的興奮を味わった。ドラッカーって所謂哲学者だったのね。
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経営学者は経営学を経営“科学”とすべく奮闘中とのこと。
自分にとって科学的アプローチは、やはり、しっくりくる。
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日本で人気のドラッカーはアメリカでは経営学とは見なされていない、というような衝撃的なメッセージに惹かれた。
「世界の経営学のフロンティア」から日本が遅れている。それは日本人がアメリカで経営学を勉強することが減っていること。MBA取得はあくまでも日本に帰ってビジネスをすることが前提になっているため、アメリカで研究を続ける人が少なく、また最新の経営学が日本には紹介される機会が少ない、という事実。
さてドラッカーだが言い得て妙なのは「ドラッカーの言葉は『名言ではあっても、科学ではない』」という筆者の言葉。日本人は座右の銘や格言が好きだからドラッカーがはまるのかも知れない。
筆者が言いたいことは、経営学は科学的なアプローチをするのが今のアメリカの手法であり、メッセンジャーの言葉だけではなくて、仮説と統計学的に証明をされたコンテンツが主流だ、ということ。そのためには母数をあつめた事例を統計的に研究し、それを学術誌に投稿して議論に持ち込む必要がある。(その点においてやはり日本人が好きなハーバードビジネスレビューは学術誌ではないので、日本ほど重用視されていない。)
マイケル・ポーターの「競争の戦略」ももはやそれだけでは完璧ではない。筆者はポーターの戦略論はつきつめて言えば「競争をしない戦略」と切って捨てる。なぜなら科学的に分析をすると競争優位は永続的には続かず、最近は一時的なものですぐに他社にとって変わられる時代。これを「ハイパー・コンペティション」と名付けられているが、短い競争優位の環境を再び取り戻すためにはより積極的な競争をしなくてはならない。ポーターの戦略ではこれが出来ない。
「組織としての記憶力」の研究紹介は興味深い。組織全体が情報を共有しているよりも、誰が何を知っているかを知っている(トランザクティブ・メモリー)がむしろ生産性を高める、という考え方。
日本ではまだ根付いていないがアメリカではオープンイノベーションが当たり前の世界になっている。これを活用するためには「知の探索」と「知の探求」がバランスよくある必要がある。前者は知を広げることで、後者は既知の知を深めたり重ね合わせたりしてイノベーションを創出すること。
「ソーシャル」についても多くの誌面を割いている。面白いのはひとり一人が強い結びつきであるよりも、むしろ弱い結びつきの方がネットワークが機能する、という理論。強い結びつき(たとえば親友)は先入観があるし、第一強い結びつきは簡単には作れない。震災の際にTwitterは機能したけどmixiは災害対応にはあまり役立たなかったことを思い出してみると良い。
様々な理論が本書では紹介されているが、最後に課題も投げかけている。理論の偏重が理論の乱立を招いていること。平均に基づく統計手法が独創的な経営手法の分析を妨げていることなど。
本書はドラッッカー好きの日本人に最新の経営学を学ぶきっかけを与えるにはとても良い書であると言える。一方でアメリカ中心の経営学の簡単な紹介にとどまっている。つまり本書を読んでなんらかの経営に役立つ戦略��作り出せるか、というとそれは出来ない。なぜならあくまでも紹介集にすぎないから。しかも百花繚乱の様相を示している経営学のほんのさわりを紹介することしか1冊の本には出来ない。入山氏の考える経営論についての続刊を期待したい。
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グローバル企業の経営者が何を考えているか、という本かと勘違いして購入したが、内容は結構面白かった。
知の幅を広げると共に、深く掘ることの必要性が、繰り返し述べられている。
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経営学には教科書がない。つまり現在進行形で進化を続ける経営はセオリーらしいセオリーは非常に少ない、ということだ。だからこそビジネスは面白いし難しい。また学術的にビジネスやマネジメントに対してアプローチするのは新鮮であった。
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経営学者は「学者」である以上、科学(Science)を志向する。すなわち、名経営者の経験則や、含意に富んだドラッカーの金言ではなく、統計学や経済学、あるいは認知科学的なアプローチをとる。
・組織の記憶力に重要なことは、組織全体が何を覚えているかではなく、組織の各メンバーが他のメンバーの「誰が何を知っているか」を知っておくことである。
・ホフステッド指数:国民性という概念が4つの次元(Individualism, Power Distance, Uncertainty Avoidance, Mascuinity)からなる。
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これちょっと久々に私自分の読むスピードにもどかしさを感じるくらいの本でしたよ。
何がすごいかって
①経営学の最先端の研究がわかりやすく載ってる
②経営学の発展の流れと種類がコンパクトに解説されていて、全体を俯瞰できる
③経営学の今後の展開が予想されてる
のです!
実は、私はゼミや経営戦略の授業で、いつも
・有名な理論に対する評価とか反論ってないのかな?この理論は今どうやって発展させてるのかな?
・ぶつぎりで色んなテーマが出てくるけど(垂直統合、PPMとか)、それぞれどう関連して背景にどういう問題意識があるの?
ってことがわかんないなーと思ってもやもやしてました。
ばらばらと色んな知識を断片的に詰め込んでるけど、それぞれつながらない、みたいな。
そういう経営学における関連性をわかりやすく示してるのがこの本です!
ゼミで先生が言ってたことも多々でてきて、情報がばばばーっとつながってテンションあがりましたw
この本を、3年のゼミ入る前に読んでおけば、もっと輪読本を批判的に読めたなーと思ってます。笑
で、ここからが、3年生諸君、よく聞いてほしんだが(笑)、①②③があることによって、もう一つ良いことがあって。それは、
経 営 学 の 研 究 の や り 方 を 学 べ る こ と
です!
既存研究にどう対抗してリサーチクエスチョンの種を見つければ良いのか、既存研究をどう発展させれば良いのか、その着眼点が書かれているので、大いに、大いに、卒論の役に立つと思います。
(もちろん、そういう目的のために書かれた本ではないので、それは読み取って活用せよ、ということですが。)
そんなこんなでかなり良書なので、ぜひ一読をおすすめします。
ビジネス書のような”俺の成功体験記”や経営学の一部を解説してる本は世にあまたあります。
しかし、この本のように経営学全般においての過去から今、未来までをわかりやすく解説してる本は、今までみたことありません。
ってことでみなさんぜひ!
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気になるトピックでアカデミズムとしての経営学の今をざっくりつかめる良質でわかりやすいガイド本。ただ、読めば読むほど違和感が増すのは、著者のせいではなく、経営学が本来内包する矛盾を強く意識せざるを得ないから(著者の入山さんの誠実さは「経営学は本当に役に立つのか」という章をわざわざ設けて説明している点で疑いようもありません、念のため)。
科学的であろうとして、企業の事例を集めて統計的に処理する実証研究は基本的に「後付けの理屈」にすぎない。後付けだから、すでにそれを実践している企業にとっては「自分たちがやってきたことの正しさを確認する」以上の意味はない。まだそれを実践していない企業にとっては新しい戦略を受け入れる意味があるが、MBAホルダーが増えてその戦略が広く普及すると、もはや差別化の要因とはならない。先行企業はとうの昔にそんなことは取り込み済みで、次なる実践に移っている。
要するに、企業はチャレンジを続け、経営学はそれを説明する理屈を考えているだけ。経営学を「実学」ととらえると、どうしてもそういうことになりがちだ。だが、「実学」じゃない「理論科学」なんだといった瞬間に、経営の役に立たない経営学って何なの?という話になりかねない。むずかしいところです。
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経営戦略として何を考える必要があるのか、
それを日夜研究している経営学者たち。
就労経験を経たうえで大学に入って研究している方が多いので、
本当に何を考えて経営戦略を考えなければならないか、
またそのインプットとして何を知っておかねばならないかを、
情報だけでなく、経験からの思考・分析で研究を進めている、
いわゆる実践的な内容が多いイメージがした。
意外だったのは、経営学者はドラッカーを誰も読んでいないという事実。
経営学は、理念ではなく科学的に分析することが目的のため、
抽象的な内容が多いドラッカー(意思や想いが多い内容)は、
参考にはなるが研究のインプットにならないのかもしれない。
構成としては、色んな研究内容をかいつまんで紹介する流れになっている。
そのため、どの章から読んでも特に問題ないし、
極端なことを言ってしまうと、読まない章があっても問題ない。
私は、本書の中でも特に以下が印象に残った。
「弱い結びつきが強い結びつきより有益なことがある」
これは目からうろこだった。
起業家同士のつきあいは、これなのかもしれない。
印象に残った内容:
・ポーターの戦略とは、競争しない戦略である。
SCPパラダイム:
Structure(構造)、Conduct(遂行)、Performance(業績)を取ったもの。
事業を行ううえで適切な産業を選ぶ、
今いる産業の中で出来るだけユニークなポジションを取るといった、
ポジショニングを重点的に考え、競争優位を実現する考え方。
・組織の記憶力を高めるために、トランザクティブ・メモリを活用すること。
トランザクティブ・メモリ:
組織の記憶力に重要なことは、組織全体が何を覚えているかではなく、
組織の各メンバーが他メンバーの「誰が何を知っているか」を知っておくこと。
・継続的なイノベーションを実現するには、「知の探索」と「知の深化」が必要。
知の探索:
新しい知を求める活動
知の深化:
既存の知識を改良していく活動
ただ、企業は「知の深化」に偏りがちで、「知の探索」に時間が割けていない。
外資で1.5割は仕事以外の時間を組織のメンバーに割り当たえる取り組みは、
まさに「知の探索」を組織メンバーで行って、イノベーションを起こさせることを
期待している取り組みなのだと改めて感じた。
・1つのテーマについて深い情報を得たいのであれば、
インターネットで調べるのではなく、まずはその領域に詳しい人を探し、
関係性を構築することが遠回りのようでいて早く情報が得られる。
何故ならば、深い情報というのはまだまだ形式知化されておらず、
人依存の情報であることが多いからである。
暗黙知を共有するためにも、関係性の構築が重要。
・多様な知識を効率的に得たいのであれば、「弱い結びつき」がよい。
必要以上の情報を得る必要がなく���取っ掛かりとしての情報を中心に得たいなら、
弱い関係の人から情報を得るのが良い。
・国民性を考えるときに意識すべき内容は以下。
Individualism:個人主義か、集団主義か。
Power Distance:権力に不平等があることを受け入れるか。
Uncertainty Avoidance:不確実性を避けがちか。
Masculinity:競争や自己主張を重んじるか。
・実は日本は集団主義ではない。アメリカから見れば集団主義なだけである。
・一人の技術者が移転した場合、知識が一方的に移転することはない。
むしろ元いたところのほうが、知識が還元されることが統計的に分かっている。
それにも関わらず、退職者とのつながりを断ってしまう企業が多々存在することは、
悲劇としか言いようがない。
気持ちよく外に送り出し、知識を循環させることが望ましい。
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優れたトランザクティブ・メモリーを持っている日本企業=総合商社
モデレーティング効果
住友電工のポワフロンはヤミ研(知の探索)?
P148 両利きの経営の考え方は、企業が組織やルール・戦略体制をうまくデザインすれば、コンピテンシー・トラップに陥ることを防げる可能性を示唆しています
P181 Structural hole活用したbiz 商社
P210 Talentは、自分の専門分野の最先端の情報を得るために、たとえ生活コストが高くても一定の地域に集積することを統計的に示している
P216 transnational communityの中にいるひと…アメリカの大学、院で学んだり就業経験のある起業家が多い
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経営学というと、膨大なケースをひたすら学ぶ印象があったが、今まさに仮説→理論→実証を構築していく最中にある新しい学問であることが分かった。
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■経済性
経営学では、国民性を指数化して、ビジネスへの影響を分析することが行われている。
その1 つ「ホフステッド指数」によると、日本人の国民性は、際立って集団主義が強いというわけではない。
中国や韓国などアジア諸国に比べれば、個人主義的な傾向が強い。
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経営学ってなんだか社会学に似てるなぁ!うまく言語化できないけど・・・と思っていたのがこの本を読んですっきりしました。
「p58ビジネスをする上でも人と人とのつながりを重視される方には社会学系の話がとても面白く感じられる」に納得。
・p101~103 情報の共有化よりも、従業員の多くが「他の人が何を知っているかを」自然に日頃から意識できる組織作り
who knows what が自社でどれくらい浸透しているか
p169~170 暗黙知について
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MBAを考えるとケーススタディを通じた意思決定を学ぶ事が主流だと思っていたけど、そえは経営学を学んだとは言えない。
学問としての経営学をツールに落とし込んだものを利用しているにすぎない。理論を学ぶだけでは使えない事が分かっているから、一度現場を経験したうえで理論を学ぶのが筋かなあなんて思います。だからまだ僕にはMBAは早い。
あとこの本を読んで驚いたことはドラっがーが研究対象とされていないこと。名言として価値はあっても学問としてどうなのかってところ。
-Who knows What? 知のインデックスを構築する必要あり
-経営学を学ぶには?論文を読む!!(本著にもたくさん論文が紹介されている)
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2013/01/01
新年一発目の本としてはなかなか良かったんじゃないでしょうか。
経営学が実務の最先端を行くことはないが、checkには有用かと。