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初めてナオコーラさんの読んだけど、しっくりきたー!他の作品も読もうー!
今回はあっという間に読んでしまったけど、共感できたところもそうでないところも、次は噛みしめながら読みたいな…
全体を通して、シオちゃんの感じる世界がなんとも魅力的でした。
そして解説で栞と紙という関係に気づき、(遅い。。
テンションがあがりました。
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綿矢りさのことばの選び方、川上未映子のことばの振り回し方も好きだけど、山崎ナオコーラのタイトルもそれらに引けをとらず素敵だ。
タイトルを一瞥して、反セカイ系的なストーリーかと勘繰った自分が稚拙で安直すぎた。
作中には、荒川とたまがわ(どちらも実在するあの荒川とたまがわ)が登場する。
前者は家族という、後者は異性交際という、それぞれの関係性を象徴するものとして現れる。
本作の冒頭、「私は川が好きだった」と過去形でさりげなく語られていることに、読了後解説を読んだうえで気付いた。
エンディングを迎えるあたりで、栞(主人公)は川に飛び込んで一向に飛び出してこない鳥を案じながらも自分は「いま」空に目を向ける。
荒川沿いのまちに住んでいる私は、ときどき川沿いを走っている。
走りながらいつもつい川面を眺めているような気がする。
川面を眺めることを止めようとは思わないが、空を仰いで深呼吸も今度してみよう。
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孤高。つよい。栞にはなれないけれど、栞の気持ちはわかる。
ナオコーラさんの書く文章や会話にどきりとしたり、はっとしたりしながら、魅了される。
西加奈子さんのあとがきも愛にあふれていて素敵。
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口幅ったいようですが何か共感できる雰囲気をもった小説で、どんどん引き込まれていきました。
もしかするとこれは著者の私小説的作品なのかな?大学生活から「社会人」になった主人公の栞(シオちゃん)の思考錯誤の野心と定まらない立ち位置への不安を、当時の社会状況と並行に辿りながら、見事に描写していて面白かったです。
小説を書きたい私。男と付き合いたいが一人の人間として自立したい私。社会人として生きたいが社会に迎合したくない私。いや、むしろ社会とは緩やかに繋がっていたい。芸術観賞は己を磨くためではなく現実を逃れて別の視点に立つため。確固とした意志というほどでもないが、自分は「自分」のために生きていきたい。何もかもが出来上がってしまったこんな現代社会に生まれて、苦しみもがきながらも「自立」したい現代「女性」を丁寧に描き、未来を感じさせる清々しさも印象的でした。それに自分自身、「若さ」への憧れも強く感じ、少々、羨ましかったです。(笑)
解説の西加奈子さんも書いておられるように、「ページをめくらせる魅力」と「ページをめくる手を止めさせる詩性」の共存も全くその通りですね。
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小説家を目指す栞とその彼氏の紙川に関する話。若者の誰もが抱いていそうな鬱屈とした感じを詩的で淡々とした独特の文体で書いていて面白かった。
「社会が温かいものだということを、みんな知らな過ぎる。人間は遺伝子の乗り物というだけでなく、文化の乗り物でもあるのだ。」
という言葉が印象に残った。
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さらさらと綺麗な文章が散りばめられている。ストーリー性は薄く、詩性を強く感じる。あの素敵な一文をもう一度みたくて再読しました。
とてもよかった。
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こんなに心が震える小説は久しぶり。物語全般が、私の身近な女の子(ほんの少し世代は上だけれど)なので、彼女たちがあの時こう考えていたのか、傷ついたり、強くなったりしていたのかもしれないと思わされて、こみ上げてきてしまった。ものすごく突き放したり、急に感情的になったりする文面に女性の二面性のようなものが感じられて生々しい。私自身がそういった女性の部分を排除しようと生きてきているので余計にそう感じるのかも。ナオコーラさんの「人のセックスを笑うな」をもう一度読んでみようかなと思う。昔読んだ時とはなんとなく、印象が変わるかもしれない。
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グサリとささった言葉はいくつもある
私もストローになりたい
百枚、千枚、もっともっとクローバーを増やしたい
私史上一番グサリときた本
只今、幸福だ
美味しいやつ沢山食べた位幸福だ
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心揺さぶる言葉に感動。ナオコーラさまの本2冊で、はまった。ストレートで、シンプルで、キュートで、ロマンチックで、素敵だなあ♪
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このひとの本ははじめてで、しかも偶然に新着図書お知らせでタイトルを見ておもしろそうと思って、借りて読んでみましたが、めっちゃよかったです!
とても生活感があって、素朴なストーリーですが、主人公が社会に対して持つ違和感やらで、少しばかり立ち止まって考えさせられる。
個人的に、読んだタイミングとしてもよかった。主人公と紙川さんのいざこざで、ああーって思わされる部分がちらほらあって。
「何かを知りたいときは、受け身じゃだめだよ。嫌われてもいいって覚悟で、聞いてみなよ」。127ページのこれがよかった。
この読みやすさもいい。著者のほかの本も読みたくなった。
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ひとりの女性の大学生活以降の日々を淡々とした、かといって無表情ではない独特の文体で綴った一冊。
主人公の彼氏である紙川くんの言動に対する主人公のリアクションを通して、「男がこんな言動をするとき、女はこんなふうに思ってるんだ」という一例を見て取ったように思う。
また、女性視点での社会性というもの、戸籍制度というものについて述べているところはなかなか興味深かった。
核家族化により「一家の大黒柱と称されるような良き男性を探すべきとされる旧来の価値観」以外の選択肢が増えた。
女性の社会性を考える時に、「子供を産む」以外に社会的に認められる(仕事や経済的成功など)手段が増えた。
いわば自由を手にしたわけだが、自由とは確固たる意思と実行力を持つものでなければ、ただ流されるだけのものであると私は思っている。だから現代の若者は迷い、憂う。
ひとつ、視野を広げるのになかなか面白い一冊だと思いました。
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20~30代の女性であれば共感できる内容が盛りだくさん。
もちろん男性であっても楽しむことができる。
ナオコーラさんらしい素敵なセンテンスに溢れ、明日への希望を持つことができる一冊。
1990年代後半にオリーブ少女だった人には特にオススメ!
女性だって強いのだ!
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9割くらい、私。
静かに衝撃を受けたっていうか
「ぴったり」自分のなかに収まったというか。
私、こんなこと考えてます。
すっきりした。
気持ちいい小説だなぁ。
なかなか出会えないよ。
出会ったなぁ。
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ロストジェレーションの迷える女性達に、栞という主人公の生き方を通じて、そっと教えてくれる自我の磨き方論ですね。
溢れでるグッとくるセンテンスと、アイデンティティーを養う為のヒントが網羅されてます。
人それぞれの境遇に照らし合わせて、「私はこう思う。あなたはどう?」と問われたときに、思い思いの賛否が生まれ出るスタイルで書かれてる事自体、作為的なのかな? 作品について語る会...とかあったら盛り上がりそう...
栞は小説家を目指す25歳。
彼氏となる紙川さんとの恋愛感情は、自身を見つめ直すきっかけになります。
人を愛すること、共に暮らすこと、共に目指すもの。
あれこれ思い描く将来と、自分自身のあるべき姿を見つめ直す先に目覚めた彼女の結論とは...
もちろん僕は男だし、ん~こういう人は付き合いにくいなあ~とか、考え方がちょっと卑屈じゃない?とか、
どっちかと言えば共感の類いはあんまり無かったんですけど、
小さな幸せに浸るより、掴みとらなくちゃいけない居場所にたどり着こうとする「行動」が素敵ですね!
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「わかるわかる」って自分を省みる部分があったり、「なるほどなぁ」って気付かされる所があったり 主人公への共感を呼び起こし更に文章の詩的な美しさも感じさせる言葉の選び方や表現の仕方が良かった