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電子書籍
内藤誠監督映画化原作
2017/08/27 06:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
若き日の著者自身を投影させた坊や哲が、個性豊かなキャラクターたちとしのぎを削って戦うところが良かったです。
紙の本
「あまり本は読まないんだ」と言いながら、色川武大=阿佐田哲也は夏目漱石の名を挙げた。そしてドストエフスキーの名を。
2004/07/09 01:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すなねずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある悲劇(美)に捉えられ、死を思いつめて漱石のもとを訪れた女性に対して、彼は生を説く。別れ際に、ほんの一言。
女→「先生に送って頂くのは光栄で御座います」
漱石→「本当に光栄と思いますか。そんなら死なずに生きていらっしゃい」
>(『硝子戸の中』)
『ギャンブル人生論』(阿佐田哲也)の中に「深夜に現われた若者に関する話」という短い文章がある。
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この「往年の私」が『麻雀放浪記』の主人公・坊や哲である。
で、僕もこの若者のようにして色川武大=阿佐田哲也を訪ねたことがある。別れ際にサインを頼むと、色川さんはこんな歌を添えてくれた。
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厳密にいえば、『麻雀放浪記』の主人公は坊や哲ではないのかもしれない(『カラマーゾフの兄弟』の主人公がアリョーシャではないのと同じように)。「青春編」のメインは八方やぶれな賭博者「ドサ健」のように思えるし、「風雲編」のメインは底抜けに明るい不思議少女「ドテ子」のような気がするし、なかんずく「番外編」では坊や哲はもうギャンブルから足を洗っており、明らかに李億春というコリアンが主人公である(*個人的には、昔から「番外編」が一番好きだ。李の手前勝手な壊れ方が堪らない*)。坊や哲が腕の激痛に苦しみながら闘う「激闘編」においてのみ、彼が本当に主人公らしく見えるのがなんとも皮肉な感じである。そもそも「主人公」というのはそういうものだといえば、そうなのだろうが…つまり「病」…。で、坊や哲と阿佐田哲也を同一視してしまうことにも少なからず問題があるのだろうけれど、(悪いけども)棚に上げておく。
麻雀小説というだけで、一種の偏見からこの小説を読まないなら、それはとっても損な話である。「阿佐田哲也」は色川さんの麻雀(小説)用の別名であるけれど、色川武大という稀有な作家を読み解く鍵は、間違いなく阿佐田哲也にある。(断言)
そこには社会への違和感を誤魔化すことなく真っ向から「自己」を追求すること、そしてその闘いをエンタテインメントとして表現すること、その苦悩と困難が色川武大固有の痛みの感覚とともに誠実すぎるほどに刻印されているからだ。
色川さんはナルコレプシー=眠り病に苦しんでいた。これは笑い事ではない。でも笑い飛ばすことでしか癒されないものもある。だから色川さんを愛する人たちの幾人かは、漫画で、あるいはエッセイで、彼の居眠りをジョークとして笑い飛ばしつづけた。
僕は、現実の色川さんを前にして、「突然眠ったらどうしよう」と気を揉んでいたことを覚えている。ごめんなさい、色川さん。で、ありがとうございます。ゆっくり休んでください。天国で。
というわけで……心して読め!
紙の本
博打の世界
2002/07/19 14:52
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投稿者:みっつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の少年が戦後の日本を舞台に博打の世界に入っていく。博打の世界で真剣に生きようとしている姿が麻雀と通して真剣味が伝わってくる。
麻雀の事がそれほど詳しくない私にとっても十分楽しむことができた。作者がほんとに麻雀がすきなのだろうなと伝わってくるものがある。
登場人物にもそれぞれ味があってたのしめる。ママやまゆみといった女の存在もかなり大きなものなのだろうと思う。そして最後に出目徳が麻雀うっている最中に死んでしまうのだが、博打人らしい方法で葬る。なんだかすがすがしい気さえする。こういった本を面白い小説というのだろうと思った。