紙の本
のめりこませるために
2013/02/22 23:59
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投稿者:TM - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代において、のめりこませるには、消費者に参加させることが重要だと主張する。
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エンターテイメントが現実に入ってくる例(テレビ、映画、書籍、ゲーム、web、ライブイベント等のメディアミックス)がたくさん。
タイトルは「のめりこませる技術」だけど、ハウツー本ではなくケーススタディみたいな内容。
R/GAやW+K、42entertainmentのゲーミフィケーション事例があっておもしろい。
AKQAが先に出版した「velocity思考」よりずいぶん具体的でためになった。
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Sense & Respond(探って反応)型ビジネスモデル
顧客一人一人の変動する要求に反応し続けるビジネス戦略
もし視聴者が物語を自分のものとして語り出したら何が起きるのか?
ブランドイメージはマーケティング担当者と消費者が「共犯関係の中に」創りだしたもの
神秘性というものは想像力の起爆剤(JJエイブラムズ)
物語が謎の箱でなくて何だというのか?「ロスト」も「スターウォーズ」も然り。意図的に出し惜しみされた情報がなくては、神秘性は生まれない。そして、神秘性とキャラクターは同じなのだ。「自分の内面を探って中に何がはいっているか見てご覧なさい」ミステリーの箱というのは、私たちのことだとわかるはず
スターウォーズはただのSFじゃなくて、世界を丸ごと描いていたから凄かった。しかも田舎の少年の話だった。ルーク・スカイウォーカーという少年がタトゥーインという田舎惑星から冒険を求めて旅立つ話なんだ
根底で「ロスト」が「スターウォーズ」に深く影響されているのは"本質的な単純さ"と"外見的な複雑さ"という性質。ルーカスの偏執狂的な細部への執着の下には、"善と悪の戦い"といった単純だが普遍的かつ古典的なテーマが隠されている
「ロスト」の作劇哲学は、人間描写第一主義。ライターが「ワニが竜になったらスゴイだろう?」なんて言ってきたとしても、こちとらはジャックの離婚体験の方に興味があるんだよ。ジャックと父親との軋轢。チャーリーのロック至上主義的独我論。ハリーの承認欲求。そういったことがしっかり描かれているからファンがハマるのだ。「ロスト」の魅力はキャラクターの魅力なんだ
「じらして喜ばせる」「対話型という幻想」は、意図的に小出しにされる情報によって生み出される。視聴者に語り手の役を担わせるのではなく、製作者が厳しく管理する情報操作によって「ロスト」は参加型として成立した
インターネットは基本的に社会的なつながりを作るためのメディア。"人とつながる"ということと"物語"を融合されるヒントは、受け手を"のめりこませる"こと
ゲーム的力学
ゴール設定をして、タスクを与えて褒美を出す
良い物語は感情を伝える。もし物語からいくら儲けるかということばかり考えていたら、人生はつまらないものになるだろう。"共感"が私たちに"つながる"理由を与えているのだ
ロッサ・リーブス(テッドベイツ) USP理論 M&M's お口で溶けて手で溶けない ハードセル
デビッド・オグルビー(O&M) ブランドパーソナリティ ハサウェイシャツの男 ソフトセル
ビル・バーンバック(DDB) アイデアをどう実行するか VWビートル クレバーセル
競争原理と強調原理
競争原理に基づいて発達した"信号"は終わらない競争に発展するからコストがかかる。送り手は執拗に送りつけ、受け手は頑として拒む。"信号"は大きく長くなり、これでもかと繰り返されていく。一方、強調原理に基づいた"信号"は陰謀の囁き。みんな聞き耳を立てる
。安上がりで、情報量も大きくできる。
cf.サブサービエントチキン
今はね、「これ宣伝だろ?何か買わせたいんだろ?お見通しだって。お見通しだってことも、知ってるんだろ?新しいチキンサンドを食えと言うなら、食ってやるよ。代わりにチキンマンをいじらせろということなんですよ(アレックスボガスキー)
消費者の文化の中に直接ブランドを溶けこませていかないと、ブランドは消費者に対して意味を持てない
ゲームが物語を生む(ウィル・ライト シムピープル作者)
Nike+によって、「走り」は「物語」に昇華する
得点を与え、順位を示し、面を重ねていくという一般的なゲームの法則は、プレイヤーが求める報酬を与えている。しかし、報酬があるからドーパミンが放出される訳ではない。"不確実性"こそが放出を促す。動物の学習機能は、"今度はうまくいくかも知れない”という可能性により導かれる。それは、"探餌本能"と深く関係している。あなたが食物を探すときは、あなたを"探すという行為"に集中させる仕組みが必要。ゲームとは、「探餌本能」のこと
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アメリカは進んでいるなと思った。日本の放送局でここまで考えている人は、ほとんどいないだろう。けれども話が脱線しているケースが多いので、読む必要がない部分も多い。
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フランク・ローズ『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』フィルムアート社、読了。本書は様々なメディアの「のめりこませる技術」を素材として取りあげ、“仕掛け”を浮かび上がらさせる現代メディア論。軸になるのはコミュニケーションとしての「物語」。連続・全体ではなく点と点への傾注。
インターネットはそれを加速させ、現実と設定の物語を地続きにしてしまう。のめり込むことは返す刀で反対者を分断する。本書は具体的な事例を元に、その現在を報告。大著ながら手にすべき1冊か。http://www.filmart.co.jp/nomerikomaseru.php
1.フランク・ローズ『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』フィルムアート社、読了。本書は「のめりこませる技術」を腑分けする現代メディア論。メディアの物語性に問題を提起する。著者は元ワイアード誌編集長。膨大な事例を検証し説得力に富む。http://www.filmart.co.jp/nomerikomaseru.php
2.フランク・ローズ『のめりこませる技術』フィルムアート社。インターネットの登場は伝統的なメディアに対する改革となったが、「物語」事態のあり様を変えることにもなった。即ち、従来の視聴のみ受容する観客を「参加」型がへと変容させた。送受信の境界が曖昧になる中で、物語が消費されている。
3.フランク・ローズ『のめりこませる技術』フィルムアート社。参加は市場のあり様をも変容する。受け手を巻き込み参加させる技術は「企業」ではなく「個人」をターゲットとする。進化し続けるこの技術を前に、のめりこまない視点は必要不可欠となろう。メディアを材料に現代を読む異色の「物語」論。
4.フランク・ローズ『のめりこませる技術』フィルムアート社。以下、蛇足。副題の「誰が物語を操るのか」は消費社会の動員の問題への警鐘となるものだが、そもそも人間は「物語」を消費しながら生きていくほかない。「良い/悪い」の二分法ではないが、この「物語」性をどう捉えるかの視座も必要不可欠。
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アメリカの事例、スターウォーズ、ロスト、等の映画、ドラマを例にとってユーザーが物語に参加してきたコンテンツの解説。ARGの事例も多い。
コンテンツを設計するには参考になる。
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メディアミックス。何となく使い古された言葉で、いまでは口にするのがちょっと気恥ずかしいが、アメリカで意識されだしたのは比較的最近のことだったらしい。ちょっと意外。何かと職種ごとに組合があって、メディアをまたがった人材の交流がうまれづらかったからなのかな。
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日本人が触手好きだったりロリコンだったりするのはまた別の理由な気がする。そんなことはさておき内容はとてもおもしろかった。こういうことがゲーミフィケーションなんだろうなという事例がたくさんでててよい。たくさん課題もあるが熱意がとても伝わってきた。
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結論は客をのめり込ませるためには、その感情にうまく応えることだということ。
バットマン、スターウォーズ、ロスト、マトリックスなどの映画、GTAなどの映画、日本には馴染みのないドラマなどで実際に使われた今でいうところのO2O、ゲーミフィケーションによるファンとの成功例、失敗例を赤裸々に綴ったものである。
また、日本のアニメとして、超時空要塞マクロスなどを取り上げているのだが、相当のオタクなのだと思われる。
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概ね代替現実的な映画、ドラマ、ゲームの試みを取材した内容。物語論そのものよりは先端技術と物語とマーケティングの関係性を明らかにする。体系だった技術に関する議論というよりはルポ。個人的には求めていた内容とやや異なったが、ユーザが本物を求めているわけではない、という最終章の主張は大変興味深かった。
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海外ドラマで
意味不明な場面があったけど、それがどうやらネットとの連動企画だったことがわかった。
あの手この手で引き寄せられる受け手
でもスターウォーズみたいに
二次創作で盛り上がって大河になるような
作品はもう出てこないんだろうなぁ…
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熱狂的なファンの獲得はどの企業にとっても重要な戦略である。
マルチメディア、ソーシャル、3Dなど新しい技術により、熱狂的なファンを意図的につくり出すことが可能になりつつある。
日本では昔から、アニメのメディアミックス戦略として、いわゆるオタク文化の創造という形で行われてきた。
この本では、日本のオタク文化からはじまり、米国の取り組み、スターウォーズの復活、アバター、ドラマのLOST、ゲームのSIMSなどの事例を、実際のクリエイターへのインタビューを通じて解きほぐしていく。
顧客を熱狂させようとする取り組みが、思惑どおりにいかなかったり、予想外のところで熱狂が生じたがビジネスに結び付けられなかったり、そんな成功、失敗を読み進めるうちに、タイトルの「のめりこませる」技術がなんとなくわかってくる。
顧客は自分の物語を語りたい、ということであり、そのための世界を緻密に作り上げることがポイントである。
クリエイターへのインタビューの旅の構成なので、技術の体系的なまとまりはないが、旅を終えるころには何かが変わっているかもしれない。
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ちょっと無理くりな感じがした。
アレやコレやでクレイジーにのめり込んだ人たちがいるのはわかるが、それを目の当たりにしていないので若干響くものが少なかった。
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素晴らしい。
この本自体にのめりこんでしまった。
創作する上でいくつもの視点が加わった。
訳もとてもいい。
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マスメディアの緩やかな終焉と、自らがメディアとなっていくネット社会の考察。
アメリカのゲーム・ネット史。物語を使用して人をのめりこませる技術。参加型の「面白いこと」事例が多数あり、謎の多いドラマ・映画、Web上の謎解きなどが好きなら読む価値がある。
「あのゲーム楽しかったねー」や、技術的側面偏重だったり消費構造に目を向けるのが精いっぱいな類書に対し、アメリカのゲームがネット文化(技術)をいち早く取り入れて展開していく様子が克明に記され「ああ、こりゃ、かなわんわけだ」と。