紙の本
セカンドを読むのであれば不要かも?
2015/12/28 12:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんしん - この投稿者のレビュー一覧を見る
セカンドオブマシンエイジを読むための前提で読むのであれば、恐らく不要と思われます。セカンドで大体内容が被ってます。
投稿元:
レビューを見る
日経ビジネスのWebサイトでこの本の冒頭部分が紹介されており、非常に興味深かったので購入して読んでみました。
短くて1日で読み終えられる本ですが、内容にはいろいろと考えさせられるところがあり、いい本だったと思います。
コンピュータの発達が想像以上であり、従来は人間でないとできないと思われていたような高度の分析、判断、コミュニケーションまでこなせるようになってきており、多くの雇用が機械に置き換わってしまった結果、失業が増えているというのは、実際その通りだと思います。
それを克服する方策は、コンピュータやネットワークを使って自らのアイデアで改善・改革を行えるスキルを身につけた人を増やし、労働のミスマッチをなくすこと、そういう教育システムや労働市場の流動性が極めて重要になってくるという解決策も、まさにその通りでしょう。
自分自身のこれからのスキルアップや、子供たちへのアドバイスを行う上で、必ず念頭に置いておく必要があると思いました。
投稿元:
レビューを見る
短いが重要な論点を提示している。
ICTの進化が非常に早いためで、雇用の調整が間に合わず、多くの仕事がコンピュータに奪われているという指摘。
テクノロジー失業という言葉はケインズの昔からあるのだが、それが加速している。
自動車運転のような複雑なパターン認識をともなう作業はコンピュータにはまだ無理と2004年にはいわれていたが、2010年にはGoogleがほぼ実用になりそうな自動運転を実現した。しかもそれは、トリッキーな方法ではなく、力技でまっこうからパターン認識をやってのけてのことだった。(20万キロ自動走行して一度だけ事故を起こした。それは信号待ちで停車中に人の運転するクルマに追突されたのだった、という話には笑った。)
コンピュータとの役割分担において、人間は何をするのか。
創造的な仕事、人をよろこばせる仕事、は「まだ」人にしかできない。
その方向を伸ばすための具体的な19の提言も含まれている。アメリカを前提としているが、アメリカですらこうした方向性へむけた行動が不十分だと認識されているとき、日本の現状はどうかと考えると、これは相当に厳しいといわざるをえない。
日本人はロボットや自動機械による対人サービスへの違和感が少ないという文化的な「優位性」があるのだから、そこを活かして、人にしかできないことをやる社会をめざすのがよいのではないか。
マシンエイジを彷彿とさせる金のかかった立派な装丁。紙が厚いので、束の割には早く読める。
投稿元:
レビューを見る
テクノロジーの進歩が「速すぎた」ため、雇用が奪われているという視点は面白い。が、そもそもたいていのテクノロジーは機械による労働の置き換えが目的なのに、それに奪われたという表現は少し引っかかる。
それはともかく、今後の展望として人と機械との協調によりイノベーションを生み出し、新事業の起ち上げを進めていくべきだとの主張はイマイチ。著者によれば、教育の拡充(学校は宿題をする場所にするという発想はかなりいいと思う)により将来の起業家を量産すべきらしいが、現状のベンチャーの成功率を見ると、その未来はとても楽観視できるものでは無さそうだが。
投稿元:
レビューを見る
第1章 テクノロジーが雇用と経済に与える影響
第2章 チェス盤の残り半分にさしかかった技術と人間
第3章 創造的破壊ー加速するテクノロジー、消えてゆく仕事
第4章 では、どうすればいいか
第5章 結論ーデジタルフロンティア
投稿元:
レビューを見る
2011年に出たキンドル版を翻訳したもの。すぐ読めます。本の紙が厚紙で不便。値段もやや高すぎ。
リーマンショック後失業率が回復しない説として、①景気循環説(クルーグマン)、②停滞説(コーエン、フェルプス)、③「雇用の喪失」説を挙げ、③を主張。
③は停滞説の逆で技術進歩が速すぎ、中間層の職が「機械」(コンピュータ)で代替され、雇用の総量が減り(「テクノロジー失業」by ケインズ)、「スーパー・スター」と「肉体労働者」の「雇用の2極化」が進行しつつある、という説。
対策としては、「組織革新の強化」と「人的資本の投資」であり、著者から19の提言が挙げられております。
小峰先生が「日本が世界に伍して戦うには」と解説を付けておられますが、米国は更に先を進もうとしている時に、日本はやばいんちゃう?、と警鐘を鳴らしておられます。
日経ビジネスオンラインで、第1章が読めます。
雇用と所得は「誰が」奪ったのか
『機械との競争』第1章を公開 テクノロジーが雇用と経済に与える影響(上)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130205/243298/
雇用を奪ったのは業務の海外委託でも規制でもない
『機械との競争』第1章を公開 テクノロジーが雇用と経済に与える影響(下)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130205/243327/
<書評>
『機械との競争』 産業革命によって馬が使用されなくなったようにスキルの低い労働者は代替される
http://d.hatena.ne.jp/travelbookcafe/20130220/1361312547
良書悪書 機械との競争 池尾 和人(@kazikeo)
http://agora-web.jp/archives/1404263.html
機械との競争: 技術革新による失業の第3波を人類は乗り越えられるか
http://jein.jp/jifs/discussion/scientific-topics/1075-topic37.html
『機械との競争』テクノロジー失業の時代が迫っている
http://honz.jp/22073
マシンが同僚になる時代に備えるために――『機械との競争』
http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/2013/02/post-ef27.html
投稿元:
レビューを見る
薄くて大きい字なのですぐ読める。
主張も平易で、頭に入ってきやすい。
・技術の進歩はあまりに速すぎる。特に、ムーアの法則に代表されるように指数関数的なPCの性能向上はもはや人智の及ばないレベルにまで達している(著者らはこれを、ご褒美の麦をチェス盤の升目一つごとに倍にしてもらうように頼んだ逸話になぞらえる。最初のうちはその増え方はゆるやかだが、チェス版の半分を超えたあたりからは想像もつかないレベルで増えて行く)
・コンピュータの進歩はもちろん、経済全体のパイを大きくする。しかし、物質と違い、再生産のコストが0の情報化社会においては勝者の総取りが起こりやすく、増えたパイの恩恵は勝ち組の一部にしか行き渡らない。
・今後、雇用は二極分化して行くだろう。報われる仕事はきわめて高い教育を受けた者だけに可能なクリエイティブな仕事と、介護のような肉体労働、の両極端な仕事のみが機械に取ってかわられない領域として残るだろう。
・今後、機械と競争するのではなく、機械を使い、協調していくことが求められるだろう(このへんは具体性に乏しい)
・勝者総取りの世界では二番手戦略というものは存在しない。マイクロマルチナショナルともいうべき、ニッチの王様として地位を確立していく企業が生き残る
投稿元:
レビューを見る
なかなか考えさせられる本でした。
これからコンピュータはどうなっていくのか、それに人が対応できるのか・・・
一体、どうなってしまうのでしょうね。
投稿元:
レビューを見る
コンピュータとネットワークの指数関数的な発展に人間が追いつかず、雇用がどんどん減っていくのが大変だという本。切り口と最新事例の紹介は面白かったけど、打ち手の教育への投資というのはもう少し深掘って欲しかったな。
教育へ投資してもコンピュータの発展には追いつけない気がするし、本書で語られている所得格差は埋まらない気がする。(当然、大事だけど。)
スーパースターの成果に対する報酬を一部が独占するのではなく、社会全体でシェアできる仕組みが必要と思う。雇用が無いなら働かなければ良い社会って現実的じゃないのかな。狩猟時代から農耕時代になった時に生まれた人的な余剰によって文化や技術が大きく進歩したように、労働以外の領域での発展につなげられるのが理想なのでは?
投稿元:
レビューを見る
日本のある層は、電気料金が高くなると空洞化する、というのだけれど、それはそれで電気の比率が高い産業はそうなのだろうと思うけど、人件費のことはあんまりいわないなあ、と思っていました。この本は、日本と外国の人件費の競争、ではなくて、コンピュータがあんたの仕事をどんどん奪うぜ、ヤツらこんなことまで出来るようになっているんだぜ、という本。
僕はそっち方面に興味があるので、いまさらびっくりするようなネタもなかったのだけど、むしろ驚いたのは、解決策。教育に力を入れろ、持ち家に補助金を出すな。さあこれをどう捉えるか。流動化を高めることは、コンピュータとより近い土俵に行っちゃうんじゃないかなあと思っていたのですが。地元で商売、じゃ駄目なんか。それにしても、紙の色や左下の数字など、ずいぶん読みづらい本なのだけど、機械なら正確に読み取るよ、という皮肉なのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
この本を見た時の感想は「何だ、この装丁は」だった。何しろ一風変わった装丁で、目立つなあと思ったと同時に、このジャンルの本にしては、アバンギャルドな表紙なので、どんなものか手にとって読んでみた。
内容は、機械が人間の仕事にとって代わる、あるいは人手が少なくなるという事が書かれている。その原因は、テクノロジーの発達のおかげで、オフィスの所在している場所は関係なくなり、専門にしていない人でも利用できるようになっていることが挙げられている。
カスタマーセンターは、アメリカの場合、同じ英語圏のインドやフィリピンに移して人件費の削減をしている。アメリカ英語やアメリカの文化を教えて、アメリカの顧客に違和感を持たせないようにしているという文章を読んだことがある。
語学の教師にしても、フィリピンの大学生とスカイプで英会話のレッスンなんて言う時代になっている。日本で語学学校の教員をしている外国人は、脅威に感じているだろうなあ。
法律の世界でも、テクノロジーの威力が発揮されている。E-discoveryと言う、訴訟があった場合、アメリカの司法省に対して必要な書類を提出するために、紙のものならPDF化してサーパーに入れ、パソコンのデータを必要と思われるキーワード検索をかけて振り分けるものがある。まあ、トレジャーハンティングと言ってもいいかな。イーディスカバリーと言っても、訴訟を起こされる企業にとっては「よい発掘作業」ではない。紙で発掘作業を行っていた時は、人件費と時間がかかり依頼する企業側には負担になっていた。テクノロジーを使うと手間がかなり省ける。法律事務所にとっては、人件費削減が出来てウハウハといったところか。著者は、ニューヨーク・タイムズでディスカバリーに関する記事を引用している。
ほかの分野でも、人間の雇用が機械に脅かされてきている。今回の本は、「これからがデジタル革命の後半戦。飛躍的に能力を拡大していくコンピュータに人間はますます仕事を奪われる」と言う観点から2人の著者が書いた。学校で得た知識1.0のまま、社会人として過ごしていると、機械にバッサリ仕分けされましたとなりかねないので、知識2.0にアップロードする必要があるなあと実感した。
ニューヨーク・タイムズのディスカバリーに関する記事
http://www.nytimes.com/2011/03/05/science/05legal.html?pagewanted=all&_r=1&
東洋経済のサイト
http://toyokeizai.net/
投稿元:
レビューを見る
3/20読了。飛行機移動中に8割方読破。米国では人口が増加してるにも関わらず、雇用機会の喪失の方が大きいそうです。本書では、その原因をデジタル技術での技術革新などに求め、人間の労働が機械に取って替わられ、その進歩の速度に人間が追い付けていないことを指摘しております。人間が機械に勝つのは、肉体労働と創造力が必要な労働に二極化しているとの分析は印象的。雇用と事業価値創造、そしてその目的達成手段としての教育について深く考えさせられます。装丁もSF小説ぽくてスタイリッシュ。
投稿元:
レビューを見る
以下の解説だけでも良かった
-----
10年後、税理士や事務、営業などはなくなる? デジタル失業の時代が到来(ビジネスジャーナル)
- 経済 - livedoor ニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/7464298/
10年後になくなってそうな職種 - ネットゲリラ
http://blog.shadowcity.jp/my/2013/03/10-5.html
コンピュータ技術やロボットの飛躍的な発展は、雇用の二極化をもたらすようになる。
今までにない新しいビジネスを創ったり、感動的な音楽や文学を生み出すような直感的で創造的な仕事の領域と、高度な問題解決能力をも必要とする看護師や美容師、配管工といった反復作業ではない肉体労働はコンピュータやロボットには苦手な領域だ。
雇用はこれらの高所得を得られる創造的な職場と低賃金の肉体労働に二極化され、それ以外の中間層の仕事は急速にコンピュータに置きかえられる。それが、現在の総雇用減少の一因になっているというのだ。つまりデジタル失業の時代だ。
『機械との競争』の共著者の1人、アンドリュー・マカフィー(MITスローンスクール リサーチサイエンティスト)がインタビューに答えている。
IT革命の影響で恩恵を受けているのは高度スキルの人材だ。コンピュータ科学者やデータ科学者、プログラマーなどのハイテク分野の仕事で、アマゾンやアップル、フェイスブック、グーグルの社員は学歴もスキルも非常に高い。
一方で、コンピュータのおかげで文書事務が減ったことが一因で、事務や秘書、営業といったホワイトカラーの仕事が減っている。また、計算ソフトのおかげで、ソフト開発会社は儲かるが、会計士、税理士の需要はこの数年で8万人も減っている。
これまでは「テクノロジーは起業と雇用を生む」と考えられてきたが、テクノロジーは起業を生み出すものの、雇用は生み出さないどころか、奪おうとしてしまうのだ。
投稿元:
レビューを見る
原著は紙で97ページの分量だったので、読むのに時間は掛かりませんでした。サマリーについては以下がかなり詳細なので参照のこと。
http://getnews.jp/archives/286612
本書は「機械が雇用を奪うか」という問いについて、報告と提言をしています。画期的なのは、それについて楽観視していること。いずれにしても誰しもがどの道巻き込まれていく問題なので、この本なり前掲のサマリーなりを読んで考えて備えると良いでしょう。
しかし4章で挙げられた19の提言については疑問があります。どれも政府が政策として行なう行動なのですが、そしたらその目的は国富なり国民所得の中央値向上にあるのでしょうが、それこそテクノロジーとグローバリゼーションの恩恵により他国民がフリーライド出来てしまうと思われるけど、それで良いんでしょうか?そう考えると、小さな政府志向者の言うように、適切な政策というのは、人的資本の形成(主に教育)と規制緩和位しかなくなるように思います。
投稿元:
レビューを見る
本来、技術の進歩は、生産性を高めることによって長期的な成長を促すものであったが、昨今のIT技術の進歩が速すぎるがゆえに、その成長の果実を掴むことができず取り残される失業者が増えていっていると主張。
人間でしかできないだろうと思われてきたことが、次々とコンピューターによって置き換えられていく状況。
では、どうすれば良いか。
本書では19項目の解決策を提言している。
どれもすばらしい内容ではあるが、教育や投資、法規制など、社会システムを変えていくことが中心で、個人としてどうしたらよいかは書かれてはいない。
いままさに取り残されようとしている人が読んだら憂鬱な気持ちになるだろう。
しかしながら、技術に奪われるのではなく、技術をパートナーとして使いこなすことによって富を産み出す事も可能であるとプラス面の示唆も与えてくれる。
現状を把握するには十分に説得力のある話が短くまとめられているので、目を通しておいて損は無い本だと思う。