投稿元:
レビューを見る
原書刊行時に読み、翻訳を再度読んだ。
「1922」が好きだ。
あとがきにもあるけど、大恐慌で農業従事者が行き場を失い追い込まれていった悲劇を、目をそむけたくなるような「醜悪な妻殺し」というキングらしい禍々しいストーリーで魅せる。どんなに取り繕っても、軌道修正しようとしても、妻殺しという呪いから逃れられず、全て失っていく年老いた男の姿がとても怖くて悲しい。
投稿元:
レビューを見る
恐怖の帝王キングが手加減なしで描く光なく真っ暗な物語。
恐怖の物語に帰還した巨匠の最新作。
「1922」
1930年、8年前に息子と共謀し妻を殺害した男の告白文という形で物語は進行する。
1929年といえば大恐慌の年であるため、それより少し前のアメリカ中西部を舞台としている。
農地を大企業に売ろうとする揺るぎ無い決意の妻の殺害を、土地に深い思い入れのある男は企てる。
妻を殺害後古井戸に遺体を棄て、企業の弁護士や警察の追及からなんとか逃れたものの、
その罪悪感は二人の人生を追い詰めていく……。
「因果応報」とはこのことだが、展開がまったく読めない。
「公正な取引」
所謂「悪魔との取引」をテーマにした短編。
主人公の男は癌で死期を間近に控えている。
彼は道路脇の露店の看板に奇妙な文言を見つける。「公正な延長(Fair Extention)」。
エルビッド(ELVID)と名乗る小太りのその男は、客が望む様々な《延長》を提供すると語る。主人公は気乗りもせず自分の寿命の《延長》を持ちかけるのだが、エルビッドは金のほかに取り除いた"負の部分"を請け負う相手を挙げろという。
高校時代からの「親友」であるトムの名を挙げる主人公だったが……。
こちらも展開通りとはいかない。わたしたち人間の深層心理に罪深く暗いものが根付いていることを思い出させる。
ミステリ :☆☆
ストーリー :☆☆☆☆☆
人物 :☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆☆
投稿元:
レビューを見る
久しぶりのキング。
原題「FULL DARK,NO STARS」の通り、全く救いようの無い話が2編。でも読むのを止められない。救いようの無い状況を作り出しているのは人間の何なのだろう。愛するが故、逃れたい故、恐怖故・・・少し歯車が狂ってしまうと全ての歯車ががたがたと外れていく恐怖を描く中編集。
最近のキングまた面白くなってきた。
投稿元:
レビューを見る
82ページまで読んで止めた。妻は相続した土地を売って街で暮らそうとする。ネブラスカの田舎オマハで農業を続けようとする夫は、息子を説得して妻を殺害する。殺害におよぶ心理と情景描写が余りにリアルで、途中から読めなくなった。従って、本書の佳境は全く読んでいない。表現力のすごさに驚くが、内容にはなじめなかった。
投稿元:
レビューを見る
全盛期のキングには程遠いながらも、それでも普通に読ませるのはさすがと言うべきなのか。とはいえ、たくさんあるキングの傑作小説の中にあれば埋没必死の凡作になるだろうなぁ。
救いのない闇小説2編
表題作は読んでみればすぐ分かる救いのなさ。息子と2人で結託して嫁さん殺して幸せになるわけがないわな。もっとも振り回された親友(元?)はたまったもんやないやろけど。
もう1作の方はちょっとひねってある。作品自体じゃなく読んだ人の心のダークさを試す展開。人を呪わば穴2つと言うが、1つの穴を金で塞いで幸せになれるのかどうか
読後感はよろしくないが(キングにそれを求めるのはグリーンマイルと刑務所のリタ・ヘイワースぐらいなもんで…)キングらしい暗くて痛いヤな感じは味わえる。
投稿元:
レビューを見る
キングっぽいかな?キングっぽいか…。だけど、ちょっと"嫌ミス”のような。ちょっとやりすぎの感じが怖かった。
投稿元:
レビューを見る
息子とともに妻を殺して井戸に埋めた男が蝕まれる恐怖を描く中編と、親友の不幸をブラックユーモアで塗りつぶすジョーキーな短編を収録。“恐怖の帝王”キングの久々良作でしたん。
投稿元:
レビューを見る
【恐怖の帝王キングの最新作品集!】かつて妻を殺害した男を徐々に追いつめる狂気。友人の不幸を悪魔に願った男が得たものとは。巨匠が描く、真っ黒な恐怖の物語を2編。
投稿元:
レビューを見る
『希望は一つもなくて、全部絶望』
いい名前だなぁ。なぜ、殺人がだめなのか。突きつめよう。希望は一つもなくて、全部絶望。この計算を求めよ。
投稿元:
レビューを見る
中編2本
妻を殺した男が、その死体にまとわりついていたネズミに取り憑かれる話
悪魔の契約の話。末期がんを助けてもらう代わりに親友を不幸にする男。シャーデンフロイデがテーマか。他人の不幸に際限ない喜びを感じるさまが妙にリアル
投稿元:
レビューを見る
「悪事は引き合わない」を地で行く、ことごとく破綻するキツさ(いっそ早めに死ねればまだ救われたろうに……)の表題作。一方『公正な取引』は典型的「悪魔の取引」テーマかと思えば、あれ?……いいの!? というヒドい話で人が悪い。その構造上、最後まで感情移入できなくて、キング作品では珍しい。
投稿元:
レビューを見る
ジャック・ケッチャムが油多め、麺硬めなら、スティーブン・キングは、何もかも普通で頼んで出てくる王道のストーリーテラー。例えが下手くそ?いや、ジャック・ケッチャムに嵌ると、何故かスティーブン・キングに戻りたくなる。旨いのは分かりながら、身体に悪い気がして…。
本作は農園における、ある一家を巡っての人間ドラマ。勿論、ホラー風味である。ちょっと怖さが足りないかなー、という感じ。幽霊が何でも知っているという設定は、罪悪感に脅える人間の心理的な理由によるものだろうか。その推測が成り立つとしても、その幽霊を見た人すら知らぬ事を、幽霊が知っていたとしたら、どう説明できるだろう。何か、我々は幽霊を神の如く時に錯覚するが、私はそれが人間の精神以上に影響を与えた例を知らない。一番怖いのは人間である。なので、ケッチャムもキングも、恐怖を齎す存在を人間とした小説の方が面白いと思うのだ。
投稿元:
レビューを見る
なかなか読み進められなかった1冊ではあったし、またしてもキングにだまされた、というか。映画『ミスト』でも後味悪く、もうキングやだー!と思いつつも、またキングワールドに足を踏み入れてしまう。
この中毒のような感覚、何なんだろう?つい、引き寄せられてしまう、というか。
年に1回で十分ではあるけど、このもやもやを欲してしまう。。
投稿元:
レビューを見る
1922は救いのない話だった。
公平な取引も救いはないんだけど面白く読んでしまえたのはなぜだろうか?他人の不幸は蜜の味的な?
投稿元:
レビューを見る
※Netflixで観た実写版についてですすみません
ヘンリーが「父さんのせいで!」とか言ってたが、おめーが避妊せんかったけんじゃー!
あと全然話と関係ないんだが、ヘンリー(の中の人)が超右利きで、右ナイフ/左フォークで切る→右フォークに持ち替えて食べる→また右ナイフ(略)、ともたもた食べるのが気になった。