紙の本
古き良き日本
2013/09/18 10:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JET - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回の東京オリンピック後位の時期なのだろうか?まだ日本が途上国で前に向かって意気揚々としている姿がよく表現されている。今の中国と同じ雰囲気カナ・・・
このころの良い雰囲気を少しでも次の世代に残していきたいし、今の若者に読んでもらいたい。
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1961年に出版されたこの本は今まで訳されたことのないものだった。
パールバックは宣教師だった両親に連れられ人生の半分を中国で暮らしてきた。そのため中国語は堪能である。日本について中国側からの見方で語ることができる。
また彼女は全然両親と戦前日本に疎開したこともあり、戦後も日本で暮らしたことがあるので、戦前と戦後の違いも詳しく説明している。
感動したのはやはり日本人が他のアジアの国と違うという理由についてである。日本は鎖国をしたがヨーロッパの植民地支配から逃れることができた。
また日本人の価値観、義理ということについての説明が面白かった。義理は全ての人間関係において最も大事なこととされてきた。自殺は責任を取る時に行われるというのもよく見ている。
宗教観に関する件も面白かった。日本人はそもそも性善説であるというのである。ハードルバックは詳細に宗教について記述している。
日本人の結婚についての記述も面白かった。結婚は親が決め、離婚率は20分の一だという。1966年ではそうだったのだ。
島国根性や日本人の持つ二面性についても、よく描写されていた。
さすがパールバックである。なぜこんな面白い本が今年まで翻訳されなかったのだろう?
使われている白黒写真も昭和41年頃のもので、とても興味深い。
今から40年以上前の日本の暮らしはなんか楽しそうである。
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パール・バック女史はみずからの目と足が記憶する明治・大正・昭和の日本を本書で描いているが、その範囲は高度成長真っ盛りの戦後日本までもが含まれている。そして、その核心は<日本は変化はするが芯は変わらない>というものであった。
女史が本書を出版した1966年当時、すなわち高度成長ど真ん中という時点での日本は、良くも悪くも確かにそう言えたであろう。それはまことにまことに懐かしい、かつての日本の姿である。そして、現在も、将来もそうあってほしいと思うような日本の姿である。とはいえ、本書に描かれたような日本および日本人の姿は、もはや遠い昔のおぼろげな記憶の中にしか残っていないのかもしれない。
本書は19世紀前半のシーボルトから始まる一連の<外国人の見た日本及び日本人>論の掉尾を飾るに相応しい一書であるように思われる。
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日本人は誰もが公的な顔とそうでない顔を持ち、自国民の間ではあらゆる状況で使い分けを心得ています。礼儀正しく会議場を去った日本の知人が、人混みの通り出て行った時の豹変ぶりを欧米人は誰でも目にする機会があります。
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アメリカ人として生まれ、中国人として育った著者が、戦前から戦後までの日本と日本人への賞賛、同情を率直に綴った随想集です。彼女にとっての日本がいかなるものだったのか、世界から見た「日本」とは当時どのような国だったのか、鮮明に伝わってきます。
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『大地』で有名なパール・バックは米国と中国で暮らし、東洋と西洋の架け橋となったアメリカ人の作家ですが、中国での内戦が激化した時、三年近く日本(長崎県雲仙)に移住しました。その後、昭和中期の日本でみた生活習慣や道徳規範等についてアメリカ人向けに書いたのが本書『The people of Japan』です。時間が過ぎて変わった部分もありますが、その率直な観察力には考えさせられるものがあります。当時の写真も豊富にあり楽しいです。