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なんとなくしか意識していない夫婦間の格差問題に真正面から取り組んだ1冊。所得格差を個人でなく家庭として捉えたり、夫婦間の差や組合せを論じたりと、興味深い視点の本。夫婦という一対のペアでは経済ポートフォリオを考えても存在が難しい世の中になりつつあるのかもしれない、そんなことを考えてしまいます。
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結婚するカップルはどんな所得のカップル同士なのか、どんなカップルが経済的危機にさらされるかなどが書かれていた。
収入が上がらない今日やはり、妻が働かなければ経済的に困難を抱える可能性をはらんでいる。
現在は、出会いの場がないと感じている人が増加するなか、企業内のつながりが希薄化したことが結婚できない人の増加につながっているというのはなんだか納得した。
低賃金のため、結婚に踏み込めない、できない若者も増えている。本書で一番印象に残ったのは、苦しむ若者を救うために、低賃金しか出せないという企業を保護するのではなく、高い賃金を出せる高生産性の企業に参入してもらい、低生産性の企業は市場から退散してもらうという案だ。(P.134)
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タイトルと、オビの「二極化する日本の夫婦―鍵を握るのは妻だ!」という言葉にひかれて購入。
なんとなく「そりゃそうやろー」と思っていることを、データを示して細かく説明してもらった論文。みたいな感じ。
旦那の稼ぎが十分あっても、必ずしも専業主婦を選ぶ嫁ばかりではない
奥さんが働くことで、日本の夫婦格差拡大に寄与している
ある程度同じ学歴の人たちが夫婦になる
(国立大同士・有名私大同士なら、大学名にもこだわる)
医者・研究者・弁護士など、高所得同士の夫婦も多くなってきている
職場結婚が減ってきている
低所得の夫婦・若くで結婚した夫婦ほど離婚率が高い
年収300万以上かどうかで恋人を持てる持てないが分かれてくる
など。
ためになるか?というよりは、純粋におもしろかった。
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2013年19冊目
本書をよく簡単に要約すれば、今まで日本社会は皆婚社会であり、夫の所得が高ければ妻は働かなかった。そして低所得の夫の場合は妻も働くため家計の総所得が標準化していた。しかし、夫の状態に関わらず妻が働くようになったので家計所得に差が目立ってきた。
これを背景として夫婦間でどのような差が広がっているのか......それをデータを用いて経済学的な観点から分析することが本書の概要である。
データを使っていること、主張自体の正当性はおおむね納得できるし、わかりやすく説明されていた。しかし肝心の問題への解決策の話になるとがんばれ....というメッセージも多く、正直期待外れという印象を受ける。分析内容もおおむね世間の感覚とずれるところはなかったように感じる。
但し、本書で一貫して主張されていた夫婦間格差が生まれてきていることには注目すべきように思う。
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本書は女性の社会進出によって富める夫婦と貧しい夫婦が出現したことを説いています。少子高齢化を考慮すると女性に対する労働需要はますます高まるであろうから、本書で述べられている研究結果は重要で価値が高いと思います。
また、離婚により母親と子どもの世帯の多くが貧困に陥っていることを指摘している点も重要だと思います。母親一人でも子どもを養える社会を作ることが求められるし、少子高齢化を脱却するヒントがあるのではないでしょうか?
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なんとなく一般論になってたことを、客観的データで説明した本。学歴のかけあわせ、年収のかけあわせ、どちらをみてもウチは意外と少数派なんだなぁとぼんやり思う。
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結婚の時に重視する項目として「学歴」は今やあまり重視されていないのに、実態として同じような学歴同士でくっついている、というのは面白いですね。特に高学歴女性は自分よりも同じか上の人と結婚する傾向があります。
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格差社会を「夫婦」という切り口から論述したい気持ちはわかるが、著者のその気持ちが先行し過ぎていてる気がしてならない。
データに基づいて分析はしているものの、著者の主観の域を脱していない。科学的ではない。
肝心なところで支離滅裂さが目立つ。たとえば出生率が高まらない要因のひとつとして、「現状はまだまだ夫の貢献が必要である。いっそうの奮起を男性に期待したい」とあるが、なんのこっちゃ?と言いたくなる。
出生率の低下は戦後の高度経済成長期を経て構築されてきた社会福祉政策や労働政策などが、現在においては制度上馴染まなくなっていることが原因であり、子どもを持つ父親が奮起したところで解決する問題ではないはずだ。
このように“非”科学的な文脈が随所に見られるのが残念で仕方がない。
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当たり前のことといえば、当たり前のことが、統計データを基に綴られている、というのが正直な感想。個人的には、特段、新たな発見は無し。政策提言も、当たり障りのない感じでおさめられている。最終章=第6章での、田舎の母親と都会に出た娘との会話の部分、母親が広島弁っぽい話し方のところが、妙にリアルだったのが面白い。
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夫婦をめぐる格差を論じた本
格差を論じる切り口が新鮮でおもしろい。パワーカップルとウィークカップル。
女性が働く環境は、欧米に比べてまだ整っていないといわれるが、日本においても女性の社会進出が加速的に進行している。
その中で、稼ぐ女性が出現している。例えば、女性医師、一昔前では、10%前後にすぎなかった女性医師は、今や20%前後。法曹にしても、女性研究者の割合にしても同様に増えている。
この本で興味を持ったのは、収入の高い女性が、結婚相手に選ぶどのような男性を選ぶのかということ。
例えば、男性医師の配偶者の職業は、
医師22.9%、医療従事者36.5%、その他38.8%
に対し
女性医師の配偶者の職業は
医師67.9%、医療従事者6.4%、その他25.0%
と圧倒的に同じ職業の意思を選ぶ割合が多い。
理由は様々なものがあるが、男性の理解を得られるかどうかが大きく、同じ職業を選ぶのだろう。
1人が稼ぐ収入よりも、2人で稼ぐ収入の方が多いのはあたりまえ。
人それぞれの価値観は違うので、収入の面だけ見ても幸せとは限らないが、
収入に関して言えば、稼ぐ男女のペアが増え、持てる者持たざる者の構図は一層加速してくのではないか。
そんなことを思わせる、格差本でした。
また、結婚とは何か。愛情が芽生えることが結婚のきっかけと信じられているが、学説として「相補説」「類似説」がある。お互いの違う点を補完できるような組み合わせか、資質の似た者同士の夫婦がうまくいくなど。 離婚の調停の種類なども。
普段は手に取って読まない内容が入っていたので新鮮でした。
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図書館で借りた。
夫と妻の間にある格差ではなく、夫婦を単位とする家計の間に格差が発生してきていると指摘する内容であった。
一昔前は夫の稼ぎが悪いときに家計を補填するために妻が働くという構造だったが、今はそれが変化しつつあり夫の稼ぎと無関係に妻が働くパターンが増えている。その結果、夫の稼ぎも妻の稼ぎもよい夫婦、両者の稼ぎがともによくない夫婦と二極化している。このようなことが起きていることをデータをもとに述べている。
学歴と結婚、職場での出会い、年収による恋人の有無、地域による未婚者の数の差など、結婚にいたる過程の現実を知るのによいと思う。統計が多めに使われているため、表やグラフに親しんでいないと読みづらいかもしれないが、高校などでの進路指導で教員が説明用に使っても悪くないと感じた。
「苦しむ若者を救うために」という節で著者の主張している下記の意見には、職業に必要な技能は企業が教育するものだと考えているため賛成できないが、数字で出会いから結婚・離婚を把握するのに有用だった。
(要約)「学校卒業直後の若者が技能不足などにより職務がうまく遂行できないことを改善するために、学校教育で職業・技能教育を行うようにしたい」
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学歴というものが、夫婦の格差にこんなにも影響しているとは・・・数値で示されているからわかりやすく納得しました。パワーカップル・ウイークカップルという言葉、なんだか嫌なことばです。
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ダクラス有沢第2法則は成り立たなくなりつつある。
女も稼げたほうが暮らしやすい。
男では300万の壁が大きい
500万超の30台以降の女性と300万男性のカップルができれば解決するがそれがなかなかできない。
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各種統計値をもとに、日本の夫婦の状況を分析。高所得なパワーカップルと低所得なウィークカップルの差が開いてきているという話。
実感としてもうなづける話だな、と思った。高学歴、高所得の人って同じくらいバックグラウンドの人たちと結婚している例が多いと思う。話合わないだろうし。
貧困層に母子家庭が圧倒的に多いという現状はなんとかならんもんかなと思う。女性も当たり前に男性と同レベルの所得を得られていいと切に思うんだけど、やっぱり難しいのかなー。社会構造の問題もあるし、女性自身の考え方もそれぞれだしねぇ。
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夫婦・家族単位での収入格差の広がりが生まれていることを認識させられる一冊です。旦那の収入を補う為に妻が働く!という感覚は、時代に合わなくなってるのは驚きでした。収入=幸せ、ではありませんが、考えさせられました。