わかりやすく,おもしろい。
2013/07/07 09:03
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投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
釈尊,ゴータマシッダッタ,について,ヘルマン・ヘッセに次いで,人間味のある書き物に出会えたと思う。とにかく,解りやすく,丁寧で,面白く,お釈迦様の説く仏教について,筆者の学術研究も加え,書かれている。
時代を遡り,紀元前の仏教誕生時の世間から,現在の仏教に至るまで,考古学的観点も織り込みながら,お釈迦様がそこにいらっしゃるように,話が進められます。厳しい教えですが,一気に読めてしまいます。
仏のようになりたいなど,不遜なことを考えずに,教えに正しくあれば,少しは人の役にも立つのかもしれない,などと,大乗仏教で育った俗世の私は考えてしまうのですが。
すばらしい原始仏教の入門書
2015/02/02 21:43
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投稿者:豆柴タロウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の佐々木先生ですが、他の著書もいいです。
本書も原始仏教に関してとてもわかりやすく書かれており、お薦めです。
本書の特徴は、大乗仏教がなぜ生まれたか、の謎に迫る5限目の説です。専門的に記述すれば難しいのでしょうが、専門家でもなくわかるように書かれています。
「ダンマパダ」「般若心経」に続く、100分de名著の第三弾をやってもらいたいですね。
本著を読んで、今一度、原始仏教に戻ってみませんか!
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投稿者:moha - この投稿者のレビュー一覧を見る
大元の仏教は宗教と言うより1種の哲学と考えてきました。仏教の成り立ち、その後の変化を大きな歴史の中で説明され改めて納得。若い頃から学んできたことの振り返りが、この短い本のたった1日でできました。最後の犀の角の話、解説では何か本当に勇気づけられます。感謝です。
佐々木先生の講演録
2021/03/16 20:07
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
仏教学者である著者のブッダに関する講演を書き起こしたものである。ブッダの生涯、初期仏教の教え、部派分裂はどのように起こったのかということへの学説などなどわかりやすく語られている。一方、一般の人に講演した内容なので仏教についてすでに学んでいる人にとっては物足りないと感じるかもしれない
佐々木氏は分かりやすいし読みやすい
2018/05/27 19:20
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投稿者:ともクン - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題どおりで、佐々木氏の本は、数多ある仏教本の中で親切である。巷間あふれんばかりの量の仏教本で埋め尽くされているが、何を読んだらよいのか初学者には皆目検討がつかない。その中で、同氏の言説は、わかりやすいく、簡潔で、丁寧、かつ筋が通っており、中村元一派や、その他の多種多様な仏教解説の中で、もっとも啓蒙的ではないかと思う(他にもあるのかもしれないが、私は知らない)。本書はその中のひとつで、手ごろある。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
仏教について、わかりやすく解説されていて、よかったです。ブッダに興味を持つきっかけになり、素晴らしかったです。
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仏教の基本的な知識が平易に書いてあり、理解しやすくためになった。ブッダや弟子たちのエピソードも面白かった。
原始仏教はあまり「宗教」という感じがしない。何かに救ってもらうのではなくて、自分で自分を救うことが大切と説く。
もっと仏教のことが知りたくなった。他の本も読んでみたい。
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元々、NHK文化センターで行われた講座を書き起こした物なので、口語体で語りかけるように書かれており大変読みやすく分かりやすい。
釈迦の生涯、サンガとは何か、部派仏教から大乗仏教へ。
当時の歴史的背景にも触れながら説明されていて、勉強になる。
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現在の日本の大乗仏教とはちがう、御釈迦様が説かれたオリジナルの仏教とはなにか、に迫っています。
もちろん、オリジナルかどうかに拘るのはナンセンスだし、その時代に生き残っている教えが、真に必要とされている教えです。
オリジナルを学ぶことは、そのエッセンスが何かを突き詰めるために必要なのでしょう。
そのうえで、仏教は実践の宗教である、ことを再認識することができればいいのだと思います。
それにしても、知れば知るほど、シッダールタは厨二病を拗らせちゃったことがよくわかります。(しかも29歳をピークに)
現代息づく厨二の教え。
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仏教入門(高崎直道)は敷居が高く挫折し、その後2冊ほどトライし、失望したが、これはまさに「入門」。平易だが、仏教の歴史、教えを概略を理解するには格好の本である。
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[仏の初めに]日本で一般的に浸透している大乗仏教とは異なる原始仏教。その歴史から教えまでを語った一日講座の内容を書き起こした作品です。著者は、花園大学文学部国際禅学科で教授を歴任される佐々木閑。
仏教に関しての本はほとんど読んだことがなかったのですが、そんな「仏教初心者」の評者にうってつけの本でした。語り形式でコンパクトに原子仏教のあり方が幅広くまとめられていることもあり、まずはするりと仏教の門をくぐってみたい方にオススメです。
どの内容も興味深かったのですが、著者が特に力を注いでいる、原子仏教から大乗仏教までの派生の流れを解説した章は本書の白眉かと。仏教の教えをどのように運営していったかという点について、本書から得られるものは非常に大きかったです。
〜何があってもとにかく、一般社会に完全に依存して生きる、これが仏教の鉄則中の鉄則です。〜
この本を紹介してくれたMさん(ありがとうございました!!)には仏教的な何かをお贈りします☆5つ
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四諦八正道や十二縁起、三宝印など、基礎的なことについてあらためて理解を深めたいと思っていたのだが、結論から言うとその欲求は満たされなかった。
部派仏教と大乗仏教の話については筆者の専門分野なので詳しい。
釈尊が素晴しい人物と崇めるような態度で語られるところに、既にそれは筆者自身が素晴らしい言うところの釈尊の遺言、自灯明法灯明に反すると思うのだが、一般的にそこまで自覚する必要は無いんだろう。
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はっきりと知らなかったのだが、お釈迦様は過去に確かに実在していた人物なのだそうだ。本名はゴータマ・シッダッタ。「ブッダ」とは本来は悟りに到達した人一般を指す名詞だが、その人らの中でも一番有名になったためゴータマ個人を指すようになった。『ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか』の意味するところは、ゴータマという個人がいかにして悟りを開いたのか、そしてその教えがいかにして2500年も存続する宗教になりえたのか、ということ。原始仏教が成立した背景と広まった理由の他に、大乗仏教が派生し広く認められた背景についても著者の研究に基づいてやや詳しく述べられていて、これが本書の特色かもしれない。
何も知らずに読んだヘッセの『シッダールタ』に感激して、それが個人的に仏教に興味を持った最初のきっかけでもあるのだが、あれはブッダの生涯をかなり参考にしていることを本書でいまさら知った。(といっても細部はかなり違うのだが。)
一番驚いたのは、輪廻という考え方や瞑想という手法が仏教以前に存在していたということだ。もともとインド文化として当たり前にあったらしい。宗教と文化の切っても切り離せない関係性をここに見たように思う。
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ブッダの一生というのは歴史や漫画で読んで知っているつもりだったが、実際どういう教えが人を引きつけたのか、いま自分の周りにある仏教とどうつながっているのか知らないことだらけだった。他の宗教と違って、全く排他的でないところ、自分を拠り所とせよという教えが基本にあるところに魅力を再発見できた。
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・とても分かりやすく解説している本です。初心者におすすめです。
佐々木閑さんは冒頭「まずは、仏教が生まれる前のインドがどのような状況であったかを知っていただいて、お釈迦様はなぜその時に仏教をつくらなければいけないと考えたのか、それを理解していただかなければなりません」と書いています。
そう考えると、釈尊は決して自分の苦を乗越えるためではなく、社会から苦を無くしたいと思って出家されたのかもしれません。釈迦族が滅ぼされる時も決して闘おうとはせず、自ら到達した諸行無常の境地を貫いた釈尊にも、強い怒りや深い悲しみに襲われることがあったと思います。
現代の日本において、仏教というと、どうしても葬式というイメージですが、お釈迦さまの教えは、いまという時代にこそ蘇って欲しい。
信仰が生まれる背景には、支配者側の都合や被支配者側の苦悩があるんですよね。変遷の歴史を学ぶことは、大切ですね。
生老病死を乗り越えるためには、自分への執着を捨て去る必要があるということは理解できますけど、日本では、托鉢だけでは生きて行けないですよね。