投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「ルリユールおじさん」を描いた、いせひでこさんの作品。
あぁ楽器って自然のものから出来てたんだよなぁということを思い出した。
森で育った木が、ある日切り倒され、板となり、丁寧に削られて、チェロとなる。
そうやって作られたものは大事にしたいと思う。
誰かのために作るって、いいなぁと思う。
そういえば自分は、作った人の顔が見えるもの、が好きだなぁ。
そして、誰かのために作るのも好きだ。
水彩画の絵にも引き込まれます。
読み聞かせで読んでみたい。今はコロナでボランティアも出来ないけど…。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
人から人へ、チェロを通して繋がっていく、世界の温かさや人生の素晴らしさを知り、更に元を辿れば自然から繋がっていたことを知り、その途方もない悠久の時に想いを馳せつつ、眠ってしまった主人公。
素敵な音を奏でるチェロの中には、おそらく、おじいさんが育てた森の木も含まれている。そのチェロには、何百年にも及び、森の木が見たり聞いたりしてきたことを歌っているだろうと思った主人公は、すごく純粋で感受性の強い子かもしれない。
しかし、人は本来、自然から生まれてきた存在で、そうした想いに至ることは、きわめて当然なことなのではないかと考えると、この絵本で教えてくれることは、すごく大切なものだと思い至る。
もしかしたら、子供の頃に読んでも、あまりピンとこないかもしれない。木だって、命があり生きていることは、多感な子供時代において、つい忘れがちになりやすい。だが、大人になって読んだ時に、記憶の奥底に眠っていたそれにようやく気付いて、こんな大切なことを伝えようとしていたのだということを知って、感傷に耽る。木の年輪を撫でながら想いを馳せる主人公を見ていると、なんともいえない気持ちが湧き上ってくる。
いせひでこさんの、滲みがかった水彩画は、人を小さめにして、背景の四季折々の自然の雄大さを表現しており、木漏れ日の差す夏の森や、文字のない冬の森の一枚絵はため息が出るほどの美しさです。
「マキちゃんのえにっき」で、いせひでこさんも、娘さんの麻木さんもチェロを弾いていたことを知って、その想いの丈が詰まったのであろうと思われる、素晴らしい絵本だと思いました。子供の頃に分からなくても、大人になるまで大切に取っておきましょう。いつかきっと、その大切さ、素晴らしさに気付くときがやってくるはず。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
絵もお話も全てがステキ
お父さんの愛情も感じるし、何より初めて奏でたチェロの音色が聴こえてきそうな絵がとてもいい。
チェロ好きへのプレゼントになる!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
しみじみと、いいお話だった。
少年のおじいさんが、森の木を育て、お父さんが、その木で、バイオリンやチェロなどの楽器を作る。チェリストのパブロさんは、とうさんに注文して出来上がったチェロを弾いて、「森が語りかけてくるようだ」と、とうさんをだきしめていった。
教会の演奏会で、そのチェロで、演奏された、バッハの曲は、素晴らしかった。
パブロさんのバッハは、
森をわたる風のようだったり、
川の流れのようだったり、
祈りのようだったりした。
ことばではあらわせないことを
思いおこさせるようだった。
そんなふうに歌うチェロを、
とうさんは工房の木の板からつくりだしたのだ。
曲をつくった人がいる。
それを演奏する人がいる。
その楽器をつくる人がいる。
星がめぐるように、
音楽が時間をこえてみんなをつなげていた。
……文章が詩的で、とても美しい。
森の中の自然を絵描いた水彩画が、とても、とても美しかった。
とうさんにつくってもらった少年のチェロは、時をこえて、いまもあたたかい音をだしている。
、、、素敵な話。読めて良かったです。
この本は、レビューを読んで、知りました。
どうもありがとうございました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
絵本の叙情詩人「いせひでこ」さんが、『ルリユ-ルおじさん』『大きな木のような人』『まつり』の3部作と『1000の風1000のチェロ』で語り紡いできた〝人と木の命の囁き〟が『チェロの木』の物語に結びついた、清楚で躍動感あふれる心和ませてくれる、子どもたちに語り伝えたい素晴らしい絵本です。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
素晴らしい本だった。
伊勢華子氏の「せかいでいちばんうつくしいもの」に匹敵するくらいよかった。
森の中の木
木の中の楽器
楽器に含まれる音楽
音楽が心に紡ぐもの
そうして出会った人たちが
色合わさるように彩になってとけていく
そうして豊かな音色だけが美しく透明に心で鳴り響く
そういう絵本だった
あとはもう詩で。
――――――――
踏み入れた森は広い海みたいで
とてもじゃないけど両手に収まらなかった
触れた木はどんなに大きくなっても超えられない
切り出された木が楽器になるなんて信じられない
木が音を出すなんて それは森が歌っているみたいだ
両手に収まる森の息吹が 空気を揺らした
それを音楽というのだと知ったのは
初めて見たそれを虹と言うのだと知ったようで
心を震わせたそれを思い出と呼ぶなら
奏でた人が永遠に心の中で歌っていて
その物語はきっと あの森から始まったのだろう
この手で奏でたら
物語は自分の番
淋しくない 全部音の中にある
美しい場所は見えなくても それを思い出と呼んだ
その森はずっと 口ずさんでいる
それをこの耳で聞きたくて 何度でも弓を取る
嗚呼、音楽は心臓の鼓動みたいだ
星みたいに続いている 光みたいだ
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
通りすがりの本屋さんは、たいていいつだって運命の出会いを用意してくれている。
チェロと聞いて、賢治好きの私が反応しないわけもなく。初めて行った本屋さんは、ちゃんと目につく場所にこの本を置いておいてくれた。
チェロの木。
物語もステキだし、私がそれ以上に惹かれたのは、絵。鉱石のようにキラキラしていて、とても美しい。絵本だけど、音が広がっていく。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
素敵な絵本!
表紙を開くと、生まれて間もない命が
チェロケースの中で眠りについていました。
静かな森の 楽器工房。
少年はお父さんが作った できたばかりのチェロを届けに
パブロさんの家に連れて行ってもらいます。
「待ったかいがあった。森が語りかけてくるようだ」
なんて詩的な感謝の言葉でしょう!
教会で、パブロさんのバッハが歌います。
《曲を作った人がいる。
それを演奏する人がいる。
その楽器を作る人がいる。
星がめぐるように、
音楽が時間を超えてみんなをつなげていた》
このフレーズ、人と時空がつながる感じで、しびれます。
お父さんが少年に、子ども用のチェロを作ります。
ニスを塗っては乾かす作業を重ねるお父さん。
浮かび上がってくる木目を見てお父さんが言います。
「その木だけが持っている音のかたちなんだ」
音のかたち…!☆彡
そして、絵本の最初のページにあった言葉が甦ります。
「鳥はああやって、さえずる練習をするんだよ。ぐぜりっていうんだ」
少年の奏でるチェロは「ぐぜり」から始まったに違いありません。
ふと、長男に4歳の時に持たせた
1/8サイズのチェロのことを思い出しました。
この絵本の存在は、このブクログで知りました。
素敵な 時間 と 空気 を、ありがとうございます。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
いまだかつてない読後感でした。
時を超えて、全てが繋がっている真理的な物語。
柳田邦男さんの基調講演を拝聴する機会があり、その流れで、いせひでこさんの絵本に触れたくなりました(ミーハー。笑)
おじいさんが育てた森の木を、とうさんがチェロにして、わたしが弾くという
家族のよろこびが濃縮されてるストーリーです。
絵も日本語も素晴らしくて、「良いもの読ませてもらったあ」と
静かにページを閉じました。
・「木にやどった音を見つけ、楽器を作りつづけたとうさん」
・「待ったかいがあった。森が語りかけてくるようだ」という表現にクラクラしました。
10才までに読みたい、”こころが豊かになる110冊”より。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
森の木を育てた祖父、
木に宿る音を見つけ楽器を作る職人の父、
チェロに心を奪われた少年。
音楽が時間を超えて人を繋げる物語。
森林浴したような読後感。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
とてもとてもよかったです。
木を育てる祖父
木で楽器をつくる父
チェロを弾くわたし
当たり前の日々を
丁寧に生きていく人々。
つながっていく命。
いせひでこさんの絵本を手にすると、
私たちの住むこの世界は
とても美しいことに
あらためて
気づかされます。
淡く滲んだ絵が
胸にしみてきます。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
私には楽器職人の両親と杣人の祖父がいる。祖父について歩き森や生き物を知り親しむ。両親の手伝いもし、森の守り人が育てた木でヴァイオリンやチェロを作る。やがて私も森の守り人か楽器職人になるかも知れないと思われたが…。
「ぐずり」幼い鳥がする、さえずりの練習。その間、他の種の鳴き声をまねたりしながら、立派な雄鳥になる。
「私」は鳥と同じように、森に入り木々のライフに親しみ、伐られた後、楽器として永遠の命を与えられ、宇宙の響きと共鳴するまでの工程を理解し、自分のチェロで歌うことができるようになるまで~私のぐずりの物語。
美術は憧れだけど勉強したことがない。(だから?原田マホさん大好き。)絵本を話題にしながら絵に触れない反省があり、試しに絵の印象を。
表紙から裏表紙までつながる木漏れ日のある森の中、鳥たちと喋りながら歩く「私」、ハミングの調子をとるために小枝を振りながら歩き、時に顔にかかる蜘蛛の巣を払ったりしながら。
中の表紙はチェロケースに眠る赤ちゃん、森の鳥の巣にも見える。楽器工房の片隅の寝床かも。幻想的で美しい。
物語が終わり奥付のページにはチェロに接近する絵で、(部品名が分からん)琴柱のように絃を支えるブリッジに腰掛ける赤ちゃん、二弦と四弦を握り、遊びに来たツバメを見るために絃の間から頭を出しかしげる姿が愛らしく愛おしい。
何度も観てしまう映画に、「羊と鋼の森」「舟を編む」があるが、この絵本にも何か同じ音楽が流れる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
息子8歳3か月
息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。
〈親〉
絵が好き ◯
内容が好き ◯◯
〈子〉
読んだ◯
何度も読む(お気に入り)
その他◯
音楽と自然と人生と。
すべてがしずかな文章でつながる、すばらしい作品。
息子は一読しかしなかったけど、感じるものがあったようで、ダンボール工作でチェロをつくっていました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
木を育てる仕事をする祖父。
木からチェロやバイオリンを作る仕事をしている父。
チェリストのパブロさん。
職業は違えど、繋がりを持つ3人の姿を、少年の視点で描いた物語。
美しく描かれた森の様子、楽器作りの様子、音が聞こえてきそうな演奏の様子。
すべてのページでうっとりしてしまう。
穏やかなのに強い熱意を感じる世界。
淡々としているのに深く突き刺さってくる物語。
読み終えた後に、しっとりと心地よい余韻が続く。
いせひでこさんの絵が、紡ぐ文章が大好きだと、改めて思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
豊かな森で育った木が、熟練の職人の手によって丁寧にチェロに作り上げられ、そしてチェリストの手で音楽を奏でられる。
きっと壮大な森の音であったり、優しい鳥の囀りであったり、色々な音を奏でるのだろう。
壮大な物語であるとともに豊かな自然を感じる絵本でもあった。
いせひでこさんの絵はやっぱり素敵だ。
優しい色使いの少し滲んだようなタッチの絵がこの物語により一層優しさを与えている。
静かに読みたい絵本だ。