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「大賞」ではないので、出版社の力の入れ方も(おそらく)違うだろうし、書店で見かけた時の人々の反応も芳しくないかもしれない。けれど「優秀賞」だからという理由だけで、この作品が埋もれてしまうのは惜しすぎる。
口コミからでも、書店のポップからでもいいから、売れて欲しい作品である。それこそ石のようにどっしりと、長い目でもって、じっくりと、じわじわと。
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面白かったです!読み応えたっぷり。登場人物も面白く、次はどうなるのか、と楽しみにページをめくり、一気に読み終えました。「来歴」の章は少し唐突な感じもしましたが、最後まで読んで納得。続けていってその時になったら分かる、というのは、人生のどんな場面にも当てはまると思いました。
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(No.13-20) 第11回「このミステリーがすごい!」大賞・優秀作品、「童石」は「わらしいし」と読みます。
内容紹介を、表紙裏から転載します。
『自分が死んだら遺体の口に石を入れ、火葬後にそれを回収し、ある人物に届けて欲しい・・・。祖母の遺言を引き受けた高校生の木島耕平は、届け先で風変わりな老人・林に出会う。
石コレクターである林は、耕平が作った「死人石(しびといし)」に喜ぶが、祖母のことは記憶にないという。林に興味を抱いた耕平と生物教師のナオミは、とある石の捜索を依頼した。
同じ頃、三重県の山中で人体の一部が埋め込まれた”童石”が発掘され・・・。
祖母の遺言の意味、林が石を集める理由など、奇妙な石をめぐる、時空を越えた物語の結末とは。』
面白かった~、おどろおどろしい話かと警戒して読み始めたのですが別に恐くないし、この話がどう転がっていくのか知りたくてどんどん読み進めました。
耕平君がすごくいい子なんだなあ。ばあちゃんに優しくて、そのせいか年寄りの扱いに長けているの。林老人がまた面白い人物。ナオミ先生がややわざとらしい感じなんですが、まあ許容範囲。
そして出てくる沢山の石。民俗学なんかでもありそうなものから、いくらなんでもそれは作者が作ったんでしょというもの、どれも怪しげで・・・。その中でも一番なのが「童石」。
そう、この小説はまさに題名どおりに、童石をめぐる奇妙な物語なんです。
耕平のばあちゃんの石、林老人の謎の行動、ナオミ先生の記憶、それがこんなに奇麗につながるとは!
このラストを「奇麗にまとまりすぎ」という人もいるかもしれませんが、私は「時が満ちたんだ」と感じてすごく好感を持ちました。
読んで良かった、満足!!!
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#読了。2013年「このミス大賞」優秀賞受賞作。自分が死んだらと祖母から願い事をされた耕平は、不思議な「石」に関わり惹かれていく。とぼけた老人といい、先生といい面白いキャラクターに囲まれテンポよく進む為、不思議なところが詰まらずに物語が進むのが良かった。
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このミスの優秀賞受賞作ということで読んでみました。
童石の他にいろいろな奇石のたぐいが出てくるのですが、確かに奇妙な物語という感じ。
落ちはちょっと唐突な感じもしましたが、全体的に読みやすく話もまとまっている良作だと思います。
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面白かったぁ〜!
日本むかし話てきな?不思議な石のお話し。
なんだか、出てくる人達が個性的で良いんだなぁ。
飄々としてる林のじいさんに、ちゃきちゃきのナオミ先生、そして冷静な主人公とキャラが立ってるし、バランスが良いから、凄く読みやすい。
先が気になって、持ち帰って読んじゃったww
休憩中に読む本やったのになぁ^^;
もの凄い盛り上がりがある訳とは違うけど、腑に落ちる終わりで大満足な本でした(●´ᴗ`●)
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第11回このミステリーがすごい!大賞優秀賞受賞作。ストーリー展開の面白さもさることながら、語り口のスムースさが新人離れしています。スルスルとのど越しのいい語り口は一読の価値あり。
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自分が死んだら遺体の口に石を入れ、火葬後にそれを回収し、ある人物に届けて欲しい―。祖母の遺言を引き受けた高校生の木島耕平は、届け先で風変わりな老人・林に出会う。石コレクターである林は、耕平が作った「死人石」に喜ぶが、祖母のことは記憶にないという。林に興味を抱いた耕平と生物教師のナオミは、とある石の捜索を依頼した。同じ頃、三重県の山中で人体の一部が埋め込まれた“童石”が発掘され―。祖母の遺言の意味、林が石を集める理由など、奇妙な石をめぐる、時空を超えた物語の結末とは。
少々グロい所もあるけれど、全体的にはすんなりと読めました。登場人物が
適度に穏やかなところでバランスが取れているのかも。。。
一気に読めてしまう面白さでしたね。不思議ワールドがお好みの人にはお勧めですね。次作にも期待!!
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奇石の世界に引き込まれた。
主人公がほんと等身大の高校生っていう感じで良い。先生もおじいさんも魅力的。
童石は大昔の不思議な世界が由来なのに、死人石は実は…っていうアンバランスなとこもおもしろくて良かった。
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子供のころにNHKでやっていた子供向けSFドラマっぽい感じて、面白くて引きずりこまれる物語でした。
ミステリー大賞を受賞したって触れ込みだったので手に取りましたが、正解でしたね。
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主人公は危篤の祖母から奇妙な遺言を受ける。それは石に関する事で、自分の死後にある人に石を届けて欲しいとの事だった。その人は奇妙な石を収集しており、奇妙な体験もしてしまう。
もっと暗い民俗学のようなストーリーかと思っていたが、奇妙な老人や女性教師などのキャラクターが面白く明るいストーリーだった。
ロジカルなミステリではないが、ストーリーがロジカル的に破綻することもなく非常に面白かった。
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奇妙な石をめぐるファンタジー小説。
ミステリーというよりファンタジーでしょう。
文章や構成も非常にこなれていて、とても新人とは思えない完成度です。
おどろおどろしい物語かと思いきや登場人物が軽妙で肩肘張らずにどんどん読み進められました。
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序盤は少々読みにくい場面があったが、一気に読み終えた。
ほぼ全員癖のある人物という設定であったが、小気味よい。主人公以外の内面がもっと欲しかったか。
ラストはミステリーというよりSFか。石を題材にした着想は面白く、読了後の清涼感につながっている。
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第11回このミス優秀賞受賞作。
祖母の遺言をきっかけに、謎の石コレクターの老人と出会い、不思議な石の世界に引き込まれていく主人公。
魚石、仮名石、白夢石、香玉、童石、死人石、、、と様々な奇妙な石が出てくるのですが、それぞれの石の特性や背景が面白い。
赤子石の描写は少々キツかったですが。
私自身宝石よりもこういった摩訶不思議な石に惹かれるので、冒頭から引き込まれました。
所々にユーモアを織り交ぜながら、テンポの良く物語が進んで行くので読みやすかったです。
次の作品が出たらまた手にとってみたいです。
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この小説の原型は、第11回『このミステリーがすごい!』大賞の応募作、「石の来歴」という題名の小説。
この小説の書評をなにかで見て読んでみたいと思ったのだが、作者、内容などは失念してしまい、「石の来歴」という題名だけで検索して手に入れ、読んだのだが、何か違う、全然違う違和感を覚えていた
。
「石の来歴」で検索した本は、、奥泉光の芥川賞受賞作の「石の来歴」だったのだ(私はこの芥川賞受賞作を知りませんでした)。
そう、全く同じ題名なのだ(著者はそれを知らなかったらしい)。
その後、この応募作を出版するにあたって、題名を変更したものらしい。
芥川賞を読み終わったあと、別の方法で検索したら、私の読みたい本は「童石を巡る奇妙な物語」という題名に変更されていたことを知ったのだ。
これで違和感がやっと解決した。
ミステリーを読みたかったのに、よりによって芥川賞受賞作を読んでいたのだから、これはもう、違和感抱きっぱなしだったのは無理ない。
「林のじいさん」のとぼけた語り口が、ドラマ「相棒」の小野田官房長の語り口を彷彿とさせ、小野田官房長ファンの私は、「林のじいさん」を官房長に脳内置換して読んでました。