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コンピュータのハードウェアとその上で動作するOSについて、平易な解説した本。
CPUの仕組み、CPUによる演算の実行、CPUと周辺機器とのバスを使った値の読み書き、ソフトウェア割り込み、ハードウェア割り込みの処理、プログラマには分かりにくい(意識せずともプログラミングが出来るように隠蔽されている)ハードウェアに密着した処理についても詳しく書かれている。
コンピュータの資源の抽象化についても分かりやすく解説されており、例えば、プロセスの管理などOSが物理的には1~8程度しかないCPUのコアをプロセスごとにどの様に割り当て、必要に応じて、切り替えていくのかについても解説が行われている。
私は内容的に素晴らしく、優れた本だとの感想を持った。
しかし、同時にCPUとアセンブリ言語(を使ったプログラミング)に関して、ある程度の予備知識を持たないとこの本の内容については行けないだろうという感想も持った。
具体的なCPUに関して知識のない読者は、この本を読む前に、『はじめて読む486』かIntelの日本語技術資料である『IA-32 インテル® アーキテクチャー・ソフトウェア・デベロッパーズ・マニュアル』の上中下巻(特に上下の巻)などを読む必要があると思われる。
プロセスの切り替えや仮想メモリについての解説を読む際は、これらの資料と併読する事でより理解が深まると思う。
アセンブリ言語について知識のない場合は『はじめて読む8086』か『はじめて読むPentium マシン語入門編』などを軽く読んでおけば十分だと思われる。
この本を読めば、OSに関する基礎知識が身に付くので、LinuxやWindowsに関する解説書を読む際にも物怖じせずに取り組めるようになれると私は思う。
OSについて基礎的な理解を身に付けたい人にお勧めしたい本。
コンピュータの動作と管理(’13)|KAMOKUNAVI - 放送大学
http://www.ouj.ac.jp/kamoku/detail/1570056/
日本語技術資料のダウンロード
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/developer/download.html