紙の本
面白く興味をひかれた
2016/03/17 21:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ガンダム - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーの展開に吸い込まれついつい読み進んでしまいました。
なぞが謎を呼び、サスペンス的な展開や人間関係や諸々のかかわりで
苦悩していく主人公。面白かったです。やっぱり葉室作品は面白い
投稿元:
レビューを見る
不義不忠の悪臣、氷柱の主水。どれほど人に謗られ、孤立しようが、自らの生きる道を歩もうとしている。
誰が正しいかではなく、何が正しいのかが大切だと考えさせられた。また、自らの生きる道を真っ直ぐ歩く姿がかっこいい。責任、俺も背負えるように頑張る!
投稿元:
レビューを見る
冷徹非情、若くして執政の座に昇った「氷柱の主水」。妻「由布」は己の手で介錯した親友の娘。「冤罪かもしれない友を陥れてまで、己は出世を望んだのか」
「武士道といふは死ぬことと見つけたり」「君、君たらざる時でも忠を貫く」観念的な武士道観に真っ向から向き合う。生きることにこだわり、武士の姿不忠不義の家臣と言われても、「曲げぬ、逃げぬ、屈さぬ」正しいことにこだわり挑んでいく執念。
人の生き様を描くという点では同じだが、緩やかな流れで滔々と流れるような今までの葉室小説とも違い、いつもの凛とした女性を描くでもなく、お得意の和歌を芯にした作品でもない。ミステリー調であり、最初から緊迫感がある新たな面を見せた作品。代表作のひとつになるだろう。
投稿元:
レビューを見る
2013.6.14読了。葉室作品は数冊読んでいるが、秀作だと思う。主人公のごとき強い生き方をしたいものだ。
投稿元:
レビューを見る
友を陥れてまで、己は出世を望んだのか――。若き執政がゆく道は、栄達か、修羅か。
職務において冷徹非情、若くして執政の座に昇った桐谷主水。かつて派閥抗争で親友を裏切り、いまの地位を得たと囁かれている。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。あるとき、由布の弟・喬之助が仇討ちに現れる。友の死は己が咎か――主水の足元はにわかに崩れ、夫婦の安寧も破られていく。すべての糸口は、十年前、主水と親友を別った、ある〈事件〉にあった。
武士であるが故の理不尽さを超えることができるのか。。。。
作者得意の物語で、中盤からはもうとまらない。。。。
投稿元:
レビューを見る
読後、さわやか。ドロドロした人間関係、会社の権力争いは昔も今も同じか。最後の主人公への予十郎の思いはなくてもよかったかなと思う。
投稿元:
レビューを見る
ちょっと今流行の10倍返しが入っています。悪い奴がとことん悪くて、権力者に容赦しなく立ち向かう主人公。池井戸作品との一番の違いは、必ず魅力的な大和撫子が登場するということ!これが大きい。とっても作品を引き立てます。あともう一つは爽やかだけど、ほろ苦い結末。癒し路線です。
投稿元:
レビューを見る
『陽炎の門』読了!
面白かった~~、一気読み!
葉室麟お得意の「お家騒動」もの。
ストーリー(Amazonより)
~~~~~~~~
友を陥れてまで、己は出世を望んだのか――。
若き執政がゆく道は、栄達か、修羅か。
職務において冷徹非情、若くして執政の座に昇った桐谷主水。
かつて派閥抗争で親友を裏切り、いまの地位を得たと囁かれている。
三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。
あるとき、由布の弟・喬之助が仇討ちに現れる。
友の死は己が咎か――主水の足元はにわかに崩れ、夫婦の安寧も破られていく。
すべての糸口は、十年前、主水と親友を別った、ある〈事件〉にあった。
~~~~~~~~
下級藩士から執政に出世した男が次々に襲いかかる困難に立ち向かう姿が、
今流行の「倍返し」とダブります。
最後には意外な展開も待っていて、お〜〜こう来たかと唸らされます。
完全なハッピーエンドではないけど、それも葉室麟の良さ。
いずれ映画化かドラマ化されるんじゃないかな。
お勧めの一冊。
投稿元:
レビューを見る
重く少々読み難い葉室さん独特の文体だがサスペンス仕立ての内容で後半読み進める都度、過去の事件との繋がりで事が起きている事が解ってくる。江戸時代、九州黒島藩で下級武士でありながら、若くして執政迄登り詰めた桐谷主水が過去出世の大きな機会となった事件で友の網四郎を介錯した事が冤罪で有るとの成り行きから、その事実を紐解いて行く内容で結局、最後は自分の信念を貫き悪藩主を知略により打ち負かすと言った、胸のスク終り方で面白かった。主水のしたたかで強い生き方は心に染みた。
投稿元:
レビューを見る
子供の頃に起こった騒動、派閥争いの末、親友を亡くすという経験が頑ななまでの信念を胸に秘める事になる主人公。自分に降りかかった企みの首謀者を探しながら過去の出来事にまで遡ることになっていく。首謀者が明かされて「あーやっぱり。」とおもったら負け。ドンデンが・え・しが待っている。
投稿元:
レビューを見る
お家騒動。
帯の文句が「拙者は不義不忠の悪臣、氷柱の主水でござる。」
時代小説にしてはキャッチーな煽り文句だ。
「樅の木は残った」を思い出しましたが、こちらのほうが救いがある。
最後まで己の信じる正義を貫こうとする主水は男前だ。
最後の与十郎の手紙で更に落ちを付けるのはどうかな。
この手紙が無いとラストシーンの「陽炎の門」の余韻は不明瞭にはなるけれど。
投稿元:
レビューを見る
読みかけてしまったら、ついつい、引き込まれて読んでしまう本の1冊であった。
不義不忠の悪臣と、自分の事をのたまう桐谷主水が、主人公である。
別名、氷柱も主水!
豊後鶴が江に量する黒島藩の派閥抗争で、主水は、親友の裏切りによって、若くして、執政の座に就いたと、うわさされながら、その娘を、妻に娶る。
その義弟は、主水を、親の仇討ちとして、現れる。
親友の切腹に、介錯をさせられた主水は、闇晩衆が付いて回りながらの中、本当の事件のあらましを、解いて行くのである。
その最も、卑劣な、出来事をしたのが、主君であることに、気づかされるのであるが、、、どのように、親友の恨みを晴らすのか?
主君に、刀を向けるだけでも、切腹、もしくは、藩追放、お家取りつぶし、、、なのに、それでも、主水は、、、成し遂げるのか?
最後の、与十郎(闇晩衆)が、主君を切り、主水とも闘いで、果てるのであるが、最後の主水宛ての、手紙の内容は、少し、複雑に、し過ぎ感が、あるように思われた。
最後 出世桜の向こうに、主水に思いを募らせた与十郎が、陽炎の中に姿を、認めた主水で、この題名の意味が良く分かった。
投稿元:
レビューを見る
時代小説版ミステリー。
面白くてほとんど一気読みでしたが、最後の与十郎の男色家の告白は必要なかったと、おもうのですが。
投稿元:
レビューを見る
9月-12。3.5点。
親友が、藩主を侮辱する落書きを。筆跡が親友の物であると
証言した主人公。介錯をつとめ、娘を妻と娶る。
息子が現れ、仇討ちを狙い、藩のまわりも不穏な動き。
監視役の若武者も敵か。
面白い。隠れた想いが深く、さすが葉室作品。
投稿元:
レビューを見る
葉室麟の小説に黒島藩シリーズというのがある。
豊後黒島藩を舞台にした小説で、「陽炎の門」、「紫匂う」、「山月庵茶会記」の3作がある。
黒島藩は作者が作り出した架空の藩である。
おそらく藤沢周平の海坂藩を意識したのだろうが、作者の早過ぎる死で、わずか3作で終わってしまった。
先日「紫匂う」を読んで、それがこのシリーズのひとつだと知り、他の作品も読んでみようと考えたのである。
そのシリーズの第1作目となるのが、「陽炎の門」である。
小説の冒頭に、その黒島藩について書かれた箇所がある。
それによると「九州、豊後鶴ヶ江に六万石を領する」とある。
そして「伊予国来島水軍の中でも<黒島衆>と称された黒島興正が藩祖」となっている。
物語は、家禄五十石という軽格の家に生まれた桐谷主水が、三十七歳という若さで、執政になるという異例の出世を遂げたところから始まる。
それをきっかけに、10年前のある事件の謎が再び浮上してくる。
その事件というのは、藩の派閥争いの中で起きた事件で、城内で藩主父子を誹謗する落書が見つかったというもの。
犯人として疑われたのが、親友である芳村綱四郎。
そして落書の筆跡が綱四郎のものだと証言したのが主水であった。
その証言が決め手となって綱四郎は切腹、綱四郎は介錯人として主水を指名する。
それに応じた主水は介錯人を務めることになる。
以来彼は「出世のために友を陥れた」と噂されるようになる。
そして10年が経ち、再び事件が洗い直されることになったのである。
過去の自分の判断が間違っていたのではないだろうかと煩悶する主水の姿や、ミステリー仕立ての展開でぐいぐいと読ませていく。
主水はこれまでの葉室作品の主人公たちのように、清廉潔白とか高潔といった人物ではない。
軽格の家に生まれたことで、貧しさを骨身に沁みて味わい、そこから抜け出そうと人一倍出世を望む男である。
そのため職務においては冷徹非情、陰では「氷柱(つらら)の主水」と呼ばれている。
そんな人間的な側面をもつ主水が、ライバルでもあった綱四郎を、間違った判断で蹴落としてしまったのではないかと苦悩しながら事件の真相に迫っていく。
そのなかで、どんな真相を掴み、どんなことを考えるのか、さらにどんな行動をとってゆくことになるのか、どこまでも興味は尽きない。
葉室麟の小説はやはり面白い。
読み終わるとまた次を読みたくなってしまう。
次は黒島藩シリーズ3作目の、「山月庵茶会記」を読むつもりである。