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ルーマニアが生んだ傑物、エリアーデ。
彼は若くしてインドに留学し、それが決定的な影響となった。
彼のテーマは、
・聖なるものの弁証法
・宗教的なシンボリズム
である。
<聖なるものの弁証法>
聖なるものの対立項は俗なるものである。
しかし、一方でその「聖なるもの」が「俗なるもの」のなかに現れ、それを「聖体顕現(エピファニー)」と呼ぶ。
人類は古代から、天、太陽、月、水、石、地球、樹木にそれらを見出していた。
<宗教的なシンボリズム>
深層心理学、シュールレアリズム、未開社会の研究が同時代に進んだこともあり、エリアーデはこのテーマを推し進めた。
シンボルとはそれ自体が言語であり、抽象的な思考の代用となり、概念を作り上げる。また、概念がシンボルに意義を与え、いわば循環的なものである。
<聖なる空間>
聖なる空間とは、天井と地上をつなぐ一点であり、古代の住居は単なる住まいではなく、この空間を模して行われた。
人は、”中心”に少しの時間でも存在することで、”俗”を超えたいという欲求を満たしてきた。
<聖なる時間>
直線的ではなく、循環する。
世界の開闢期で停止しており、何度も繰り返すことができる「永遠なる現在」である。これを定期的によみがえらせる儀礼が、「祭り」である。