徳川綱吉(犬公方)の「生類憐みの令」により釣りを制約された釣り気違い達の苦悩や生きざまを活写
2016/11/10 12:12
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1700年を前後する20年余りの間、徳川綱吉(犬公方)の「生類憐みの令」により釣りを制約され、後には禁止された世相での釣り気違い達の苦悩や生きざまを活写すると同時に、登場人物(主人公:津軽采女(ツガル ウネメ)とその義父である吉良上野介義央)との関係で赤穂浪士の討ち入りなども重要な位置づけで触れられている。登場人物も、宝井其角、多賀朝湖(英(ハナブサ)一蝶)、紀伊国屋文左衛門、水戸光圀(水戸黄門)、徳川綱吉、吉良上野介義央、松尾芭蕉など、歴史上の人物が惜しげもなく登場する。釣鉤の種類も、地獄鉤(ただの直線型の鉤)や数珠子鉤など多彩であり、簡単ながら作り方にまで触れている。江戸時代の釣り全般に関しても資料を丹念に調べて記述されていることが伺われる。また、話の味付けのために、序章で水死した老人を登場させ、やがて釣りのことを体系的にまとめた本『釣秘伝百箇條』の著者を探してこの“老人=投竿翁=なまこの新造”に辿り着くという謎解き的要素もしっかりと用意されている。そして、著者の思いはある意味ではこの“投竿翁=なまこの新造”の生き様に強い共感を示しているように思われる。ラストである「結の巻」では、主人公:津軽采女(ツガル ウネメ)が残したといわれる『何羨録』(1716(享保元)~1717(享保2)頃と推定)の紹介で終わっている。少々残念なのは、前半(上巻)の生き生きとした描写に対して、後半(下巻)は釣りから離れた世相の話が多くなり少々湿っぽくなるのが難点でした。
大江戸釣客伝 上
2013/06/11 17:22
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投稿者:福助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
時は元禄、綱吉が天下を治める江戸城下において、江戸前の釣りを愛する階級を超えた同好の士が集う。そこに24年のも間続いた“天下の悪法”といわれた生類憐れみの令が・・・。
史実に基づいた江戸文化、人々の生き様が、ありありと目に浮かぶ歴史大作。
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江戸 元禄時代、魚釣りに囚われた者たちの話
主人公は現存する日本最古の釣り指南書「何羨録」を記した津軽采女と絵師 多賀朝湖、松尾芭蕉の筆頭弟子 宝井其角
紀伊国屋文左衛門、水戸光圀や吉良上野介義央などの有名人の他、釣りに囚われた実在の人物も多く出てくる。
また、生類憐れみの令、赤穂浪士の討ち入り、元禄大地震などの事件・出来事も扱われていて、多くの史実を絡めて構成されている。
感想は下巻で
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登場人物がバラエティーにとんでいる・・・
下巻が楽しみですね。
《本文より》
釣りに行くというのは・・・
釣りが好きだからだ。
釣りが好きだから、釣りに行って癒される。
しかし、その癒しを得るために竿を握るわけではない。
かといって、目の下一尺の鯛が釣れればそれでいいのかと、
そうゆうことでもない。
何故、釣りにいくのか、何故、釣りがすきなのかというのは、
うまく言葉にできない。
何故だろう。
何故だろう。
その問いは、問いとして、采女にとって根本すぎた。
何故、人は食べるのか、あるいは、人は何故生きるのか・・・
采女にとって、釣りはそういうものである。
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全2巻。
生類憐れみの令が出た頃の
釣り師たちの話。
陰陽師のイメージの強い著者。
名前が好きじゃないこともあって
敬遠してきたけれど、
表紙がかっこよくて読んでみる。
表紙画は松本大洋だった。
事件を予感させるミステリアス出来事から物語は始まるが、
肩すかし。
中盤になって物語はつながっていくものの、
ハッキリ一本の筋が通っている訳ではなく、
釣り師たちの群像劇な感じ。
江戸時代の釣り師たちの話なんだけど、
中盤以降しばらく釣りの話は出てこない。
生類憐れみが出たから。
とはいえそれに対抗して事件を企てるでもなく、
なんとなく月日が流れて、将軍死んで、よかったね。
著者の初めて読んだ小説だったけど、
なんだかぼんやりした印象を受けた。
エンターテイメントとしても、
釣り小説としても中途半端。
釣り好きだとまた違うのかもしれないけど、
個人的にはいまひとつ。
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元々バス・海釣り好きなので、江戸時代の釣り好きが結構リアルに書いてあるのではないかと思われる本。
絵師、俳人などなかなか普段は気付きにくい当時では時代のアウトローな人から
地方大名や幕府の方々まで登場人物満載です。
釣りというキーワードなのに、人間模様がリアル。
それでいてサクサク読める。
一つの好きなことを極めてそのまま死ぬということも幸せなのかなぁと思えた。
下巻も楽しみ!
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のんきな お侍の釣りの話と、思っていました。
「生類憐みの令」で釣りができなくなってしまう・・・
いきすぎの禁令の数々
最初はひどいなぁ~と 読んでいましたが
なんだか 綱吉公も かわいそうな人に思えてきた。
下巻につづく・・・・
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夢枕貘。
読みたかったのが文庫化されていたので購入。
貘氏らしいテンポのよい文章。
綱吉がでてきますよー。(生類憐みの令の彼)
やりすぎだろー、綱吉!
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江戸は元禄、芭蕉の弟子の俳人宝井其角、絵師の多賀朝湖ら吊りを愛する風流人の日常に起こる様々な事件や遊び。作者もかなりの釣りマニアだけあって描写が細かい。
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泰平元禄の江戸、落語のような空気。こんなふうに遊んで放蕩できたら幸せか?どうか。のんびり釣りがしたくなってきた。
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久々の時代もの。
釣りに興味のない人でもこれを読んだら「釣りしてみようかなー」と思ってしまうほど面白い。
感想の続きは下巻で。。。
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綱吉治世の元禄時代、釣りに人生をかける男たちの物語。
釣り好きにはたまらない物語だと思います。
もちろん、自分のようにあまり釣りに興味のないものにとってもページをめくる手が止まりませんでした。
釣りの醍醐味を味わいながら、綱吉治世の人々の暮らしが描かれています。
芭蕉や光圀、吉良といった歴史上の人物も登場し、この後下巻でどのように絡んでくるのか、楽しみです。
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吉綱の時代、生類憐みの令がエスカレートして釣りも禁止される。忠臣蔵の背景も織り込みながら、釣り好きの人々の粋な生活を描く。おもしろかった。
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上巻読了。
五代将軍・徳川綱吉治世の元禄時代。
釣りに興味のない私ですが、采女達の“釣り愛”はすごく伝わってきます。
それだけに、あの日本史上トップクラスの悪法「生類憐みの令」がエスカレートして、ついに“釣り船禁止”になってしまった時には将軍・綱吉を蹴りたくなりました。
さて、下巻はどう展開するのでしょう・・。
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私は釣りをしないので、最初のいくつかの章は面白くなかった。
しかし巻の九あたりから、いままでの話が効いてきて、夢膜のストーリーテラーの本領があらわれ、引き込まれてしまった。
下巻が楽しみです。