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ずいぶん回り道をしてしまった。滑って転んで道を踏み外した。回り道の一歩一歩が私の人生だと思う。出た結論は「手ぶら」
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表紙の絵の先入観で、タイトルをよく読んでおらず、"モデル妻"の話かと思って読み始めたらモデルは妻ではなく夫だった…。
どんなところでも大切な人さえいればいい。
場所じゃない、人なんだと感じた作品。
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解説が辻村深月さんというその一点で手に取った本。
普段解説読まないのに。
略して「イナツマ」。
7年前に解説で「10年後の自分を想像できない」と書いた辻村深月さんは今、どのような思いを胸に生きているのだろうか。
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東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚きーー三十歳から四十歳、「何者でもない」等身大の女性の十年間を二年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。じんわりと胸にしみてゆく、いとおしい「普通の私」の物語。解説・辻村深月
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江國香織さんの「赤い靴」に通じるところがあった気がする。主人公の内面を描いた作品。個人的にはこちらのほうが心情の変化をより感じられて好き。
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夫のうつ病を契機に梨々子は、彼の故郷である田舎に移り住むことになる。妻として、母として、田舎に馴染めず、葛藤しながら暮らしていく。
わたしはひとりだ。という梨々子の気づきは深い。田舎に暮らし、地図と人々と全てが身体に染み込んでくるとき、当たり前に、普通の私に、じわじわと幸せを感じるようになる。
なんか良くわかるなぁ。
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今、波が来ている作家らしいので、今までまったく知らなかったのだが、書店にて既刊をいくつかパラパラめくってみて、一番、宮下という作家の雰囲気がよく出ていそうな作品を読んでみた。
細やかでクールで理知的だけど、誰にでも共感できそうな等身大の女性の視点で、生きることの綾と感動が、落ち着いた絵のように、それがさざ波となって流れていくような感じ。
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都会から田舎へ引っ越すことになった妻が、形のないもやもやに悩まされ、田舎の距離感に動揺し、好きだった芸能人に振り回されながら日々をなるべく怠けずに過ごし、場所に馴染むまでのどこにでもいそうな人の話。
何かが解決するわけではないけど彼女の中で何となく方向がわかったような部分が最後に見えてよかったです。
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ビジネス文書を書く際にやってはいけないこと、「の」を3回以上連続で使わない。
を、タイトルでやっているからには、絶対何かの仕掛けがあるに違いない、と思って読み進めたら、なるほど、このタイトルは上手いなぁと感じ入った。
主人公について、こういう風に表現できるわけか、やっぱ宮下さんはスゲー。
主人公の梨々子は、「イヤな奴」である。
色々苦手なとこがあるが、一例をあげると、自分のことを「ちょっと可愛いくらいしか取り柄がない」と自分に言い切ってしまえるタイプ。もうそれだけで「ウワーアカン」である。
そんなアカン主人公の10年を追いかける小説だから、描写にいちいち引っかかりがあって、前半はページ繰る手も滞りがちで進まなかった。
このまま「イヤ」気分を味わう系小説なのかもなぁ、と思っていたら、とある失恋をきっかけに、梨々子の中で何かが変わる。「わたしは一人だ」という覚醒。この覚醒で梨々子がどんどん強くなっていくのである。その変貌の描写がよい。
自分は一人、自分だけじゃなくみんな一人。いわゆる「かまってチャン」が言うのではなく、自分の中でこの意識を一つ持っておくだけで人間は強くなれると思う。それを梨々子は体現してみせる。
とはいえ、結局最後まで梨々子は「イヤな奴」から抜け出せなかったが、それでいいのである。エエ奴に変わるよりよほどハッピーエンドなのだ、この小説に関しては。
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東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚きー三十歳から四十歳、「何者でもない」等身大の女性の十年間を二年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。
「豆のスープ」と同じく、カタルシスからの自分探しかと思いきや、探すことさえしない。
仕事をするわけでもなく、趣味に没頭するわけでもない。
不倫になりそうになるけど思い止まるし、ボランティアも続けてはいるけど、すごくやりがいを感じている風でもない。
なのに、最後には、そこに馴染んで、しあわせだと感じている。それはむしろ羨ましいような気さえした。
共感は…できないけど。
表面をなぞるような表現をしていて、見ないようにしてる部分がたくさんあるように見えた。そこ!もっと書いて!って思ったけど、それは私自身もフタをして横においてあるモノなのかも。
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日本中によくありがちな田舎で、特にこれと言ったこともなく普通に暮らしていくとは?の話。
普通ってなんだろう、私ってなんだろうと考えてしまう。
誰にでも、ああここ当てはまるかなと思うところがありそう。
でも主人公がいちいち考えすぎてしまうのが、大して毎日何も考えてない私には辛くて星三つ。
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羊と鋼で文章に感銘を受けて読んだけど、正直かなり辛かった。性差もあるのかもしれないけど、こういうことは20歳以前に自分の中で決着してることだし、周りの人にそれを感じることはあっても、題材としてそれを拗らせて悩む母というのは痛ましく、ほとんど感じるものはなかった。読んで鬱陶しいだけだった。
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結婚することで環境が変わり、思ってもみなかった方向に人生が進む点については共感できた。
ただ、なぜこの主人公は流されてしまうのだろう、と思った。夫とぶつかって自分の意見を伝えるより、穏やかにやり過ごすことの方が心地よかったんだろう。
でもその結果、思っていたのは違う人生に転がって不本意な時間を過ごしてる。誰かのせいにして。とはいえ最終的にその中で幸せを見つけているのだから、主人公にとっては幸せなのかもしれない。
楽な方に流されるより、主張して自分の行きたい方向にいくタイプのわたしには歯がゆかったけど、こういう幸せもあるのだ、というひとつの物語として読んだ。
自分の意見を抑えて周りにあわせるって、こんなに苦しいのだとも思いました。しんどかった。
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鬱の夫の出身の地方都市に引っ込んだ二人の子の母である主人公のくすんだ10年間の定点観測。
これで食ってけるなら、まあ、と言うしかない人生。
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30歳から40歳、何者でもない等身大の女性の10年間を2年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。じんわりと胸にしみてゆく、いとおしい「普通の私」の物語。
この作者の文章は素敵だと思う。さりげなく主人公の思いを描き出し、読者に差し出す。その時々揺れる思いの中で、精いっぱい生きていく主人公に感情移入してしまいそうだ。
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田舎に引っ越して不倫に走りそうになったけど留まった妻と紳士服のモデルになった旦那。これからもやっていこうと思った話