紙の本
本で繋がる素晴らしさ、生まれる笑顔があふれんばかり!
2014/03/24 10:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
街角で本屋の佇まいを見ると、なんだかほっとします。
時間があれば、ふらっと入りたくなります。
それが島の本屋なら、なおさらって思います。
離島の本屋ばかりを集めた一冊。
北は礼文島から南は与那国島まで、全国の離島の本屋、22の島で、島の人々に本を手渡している方々のお話です。
離島の本屋を、著者の朴さんはこう定義しています。
~地元の人が集まる場所であり、子供達の娯楽スペースであり、
旅人にとっては、「最も役立つ旬の地元情報満載」である~
ほんとうに、そう!
離島の本屋ならではのプラスアルファ、大切な役目も兼ね備えていますね。
ここに紹介してある本屋はそれぞれに、実に心温まる話がぎっしり。
本で繋がる素晴らしさ、生まれる笑顔があふれんばかり、です。
朴さんの印象的な言葉を一つだけ書き出しますね。
島根県は隠岐・島後島にある隠岐堂書店のページです。
~子供の頃に本を買っていた場所が、大人の自分にとっての居場所となるなんて。
なんだかステキなご縁じゃないですか!~
はい、文句なくステキ、です!(●^o^●)(●^o^●)
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お客さんが少なくても、本が思うように入って来なくても「楽しみにしてくれる人がいるから」と、本屋の灯りをともし続ける人達。その姿に感動した。
まさか「ホロッ」とくるとは思わなかった。
こういう本屋さんが、いつまでも仕事ができる業種であり続けなければ、ならないと思う。
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「LOVE書店!」連載時から気になってました。まとめて読めてよかった。
日本には島がたくさんあるんだなあ。
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「LOVE書店!」というフリーペーパーは、何度か手にして読んだことがあるが、残念ながらうちの最寄りの書店には置いてないため、たまに梅田へ出たときに、これを置いてる本屋があったらもらってくる。このフリーペーパーでの連載「離島の本屋」が本になったもので、一部は、本紙で読んだおぼえがあった。
巻頭で「旅のはじめに」として、著者はこう書いている。
▼日本には6000以上の島があり、そのうちの約400の島では人が暮らし、人口5000人以上の島には大抵、「本屋」がある(と、取材を通した実感でそう思っている)。
とはいえハードカバーから文庫、マンガや雑誌までが並ぶ"絵に描いたような本屋さん"から、雑誌や新聞コーナーがほんの片隅にあるような商店まであるので、何をもって「本屋」と呼ぶのかは定かではない。だから明確なデータを、私も正直なところ持ち合わせていない。(p.3)
そういう、定義ははっきりしないものの「本屋」を各地の島で取材したのがこの本。22の島のそれぞれで、本が手渡される場があった。連載が本にまとめられるにあたり、取材した本屋の「あの時、その後」が書き添えられている。すでにお店を閉じられたところもあるが、「相変わらず」続けられているところもある。
▼小さな島だから、お客さんも店主も皆顔見知り。何を買ったかわかってしまうのは、ちょっと恥ずかしい時もある。でも知っている人がいるからこそ、誰もが安心して足を運べる場所にもなっている。本屋は「本を買う」だけの場所ではない。会話をし、ふれあい、安心を得る場所にもなれるんだ――。(p.30、伊豆大島)
伊豆大島の富士屋書店では、店主の山田重雄さんが、誰にどんな本や雑誌を配達したかの帳簿をつけている。それは、こういうわけだ。
▼「お客さんに『俺、この本買ったんだっけ?』って聞かれることもあれば、『この本、誰か持ってる?』って聞かれることもあって。『この間買ったよ』とか『あの人が持ってるよ』って、教えるためのものでもあるんだよ」(p.31)
資格のことはどうでもいいけど、この店主さんのやってることは「書を司る」、まさに司書の仕事なんじゃないかと思う。
五島列島(長崎県)の中通島にあるクラークケントは、「何でもはないけど、いいものあります」を密かにキャッチフレーズとする、「サケ・ショウチュウ・ワイン・ブック」を扱うお店。並べているのは、「メジャーかマイナーかなんて関係ない。好きなもの、愛しているもの(&そこそこの売れ筋)が、セレクトの基準」(p.37)というよりすぐりのもの。
▼そして、フロアには、ひっそりと生花が飾られている。これはパートナーを組んで12年以上になる、佐野志津江さんの手によるものだ。
「風知草とか、野山に生えているものを使っているんですよ。でもお店にね、生きているものがあることって大事なんです」
と、生花を置く理由を佐野さんが教えてくれた。(p.37)
ここを読んで、まえにインタビューした田中恒子さんの話(『We』176号)を思いだした。生きているものがあること、暮らしをいろどること、楽しむことに通じるなあと��った。
この本の版元「ころから」も気になる会社。2013年にできたそうだ。
(11/4了)
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離島の本屋を訪れる、という連載企画の書籍化。
離島の本屋の面白さは、なんといっても、訪れる人との距離感の近さだ。どんな本を読んでいるかバレてしまう、というのは結構恥ずかしいものだと思うけど、だがそれもよい。そういえば僕の幼少期、近所の本屋はそんな感じだった。
離島といえど電子書籍は届くし、アマゾンも送料無料でやってくる。それだけが原因ではないとしても、離島の本屋は減っている。でも考えてみよう。本当にネットでしかものが買えない状態を…。
たとえどんな本屋であっても、開けておきたいと考えている多くの離島の店主の思い。商売の原点的なものが見られるが、遺構的でもある…。
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離島の本屋の紹介というよりも、「本屋」というキーワードを通して離島に暮らす人たちの物語を伝えてくれる本。もとがフリーペーパーの連載で、字数に制約があったからか、内容はやや物足りない。それぞれの人について、あと1ページでも多くストーリーを書いてほしかった。
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期待したのに、薄っぺらい観光ガイドのカフェ紹介のレベル。あれを3ページも4ページも読まされたらぼくでなくても飽きるだろう。途中でやめた。
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離島にこんなにも本屋さんがあるのだなぁという驚きとこれだけの取材をした作者にまずは脱帽。ただ、作者の離島の本屋さんへの熱い想いとは裏腹に、離島の読書環境、離島に住む人々の読書傾向、離島で本屋さんを経営する厳しさが浮き彫りになっているように感じた。陸の本屋さんが苦しい状況にあり、ネット書店を使えば離島ですら送料無料ですぐに本を買える状況で、離島の本屋さんに生き残りの道はあるのだろうか?
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市図書館。
「まだ見ぬ本と出会う」という意味では、本屋さんの存在価値というのは問われている昨今、「島」という過疎地であり閉ざされた空間で上記を機能させている書店は皆無に等しいような気がしてた。
実際、文具や駄菓子、その他生活用品などの販売を兼ねた「商店」として機能している書店も数多くあるし、雑誌やコミック、文芸書などはどうしても【売れ筋】に頼るしかない気持ちも理解できる。
であれば、沖縄の北大東島に出張しているリブロのような戦略のほうが。。。
ぐるぐるといろんなことを考えざるを得ない本。
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人の暮らしあるところに「本屋」あり
なにというわけではないけれども
読み進めていくうちに
なんどか鼻の奥がツンとしてくる
「健気」という言葉は
このような時に使うのでしょう
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どんな離島でも本屋がある日本のリテラシーは凄い。
こういう離島にもアマゾンの宅配は来るのだろうか。
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日本中にめっきり少なくなった本屋さん。私の住むまちにも、本屋さんはない。図書館しかないが、利用者は限られている。この本は、しかも離島である。離島なのに本屋さんがある。残念ながら、取材後に無くなってしまった本屋さんもある。でも、厳しい現実は、こうだ。僻地の、本屋さんのないまちに住む私はネット書店から本を取り寄せるしかない。
それでも生き残っている本屋さんもある。新たには増えないだろうけど、いまある本屋さんにはできるだけ生き残ってほしいと願うしかない。
それでも、この美しい写真と、人々の笑顔が、より甘い夢に誘う。
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近頃流行りの(?)本屋さん本だが、離島に絞った点がユニーク。
取材に行くだけでも大変そうなので、著者の機動力には恐れ入ります。
島にある本屋さんってどんな感じなのかなと思っていたので、22の本屋さんそれぞれの魅力が感じられて良かったです。
たとえ島へ行って、自分がその本屋さんに寄ったとしても、一人のお客に過ぎないわけで、店主さんの島への思いなどはわからないことでしょう。
そういう思いを、この本を通して知ることができたのは収穫です。
また、島の人や島を訪れる人に本を届ける(渡す)ことに意義と熱意を持っていて、経済的には厳しくてもその仕事を選んでいる人がこんなにいるということを喜ばしく思いました。
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タイトル通り、離島にある本屋を巡った記録。離島というデメリットがあるため本の供給がままなっておらず、本当のところは電子書籍やネット販売が島民にとってはいいのかもしれない。現実的に、この連載後日談で閉鎖を余儀なくされている書店も少なくはない。しかし、島という閉鎖的な所だからかもしれないが書店と島民、または書店がない地域では図書館と島民との触れ合いが密接であり、そんなやり取りを読んでいると、やはり紙の本は人々にとっていつまでも必要不可欠なものだと信じていたい。
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離島の本屋さん(一部図書室)を取材した本。
人が少なくても、思ったように本が届かなくても、「みんなに本を届けたい」という気持ちで店を守り続けている人々がいるのだなあ。