紙の本
ルーツをたどるおもしろさ
2015/10/02 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今やすっかりおなじみになっている、西洋由来の料理やお菓子のルーツを探って紹介している。
牛丼やカレー、コロッケなどそれほど目新しくない項目もあったが、ちゃんぽんや冷やし中華、しゃぶしゃぶなど、新鮮に感じられた項目も多かった。個人的にはモンブランがおもしろかった。日本のモンブランが自由ヶ丘モンブラン発祥ということは知っていたが、フランスのモンブランとの比較を通して、なぜ最初にこういう風につくったかということを考えるアプローチが興味深い。
中には解決できなかった問題(ハヤシライスの名前の由来)もあるが、そこに至るまでの過程をきちんと書いた上で、最終的に決めきれないとする態度が好もしい。
投稿元:
レビューを見る
カレーライス・オムライス・肉じゃがなどなど「定番」と言えるメニューの発祥は何か?通説によらず一次資料を調べて明らかにしようという一冊。
残念ながら薀蓄本の域を超えないなぁ。
連載紙幅の都合もあったろうけれど、もう少し突っ込んで欲しかった。
投稿元:
レビューを見る
いろいろな日本の料理のルーツを記した本です。
意外と知っているものもありましたが、知らないものも
あったのでためになりました。
投稿元:
レビューを見る
自分たちの知っている通説が、案外俗説で間違っていた、というのは知ってみると面白い。
ホルモン=放るモンとか、ハヤシライス=林さん説、コロッケ=フランスの「クリケット」から、などなど、
人口に膾炙しているものが多いと思うが、
結構、ルーツは曖昧だったりする。
わからないところはわからない、ここまでは確認できるが
そこから先は想像、など真摯な姿勢はすばらしいと思う。
そしてロマンがあります。
投稿元:
レビューを見る
「ルーツを知れば、もっとおいしくなる」と書かれているように、それぞれのメニューはいろいろな理由で生まれて今に至る。この本で取り上げられているメニューは、すっかり身近な存在となり、中にはない人生なんて考えられないと言う人もいるかもしれない。
あの「ナポリタン」は、名前から連想するとイタリアの都市ナポリが関係しているのかと思ったらそうではなかった。著者は「ナポリタン」について調べていると、古川緑波と言う有名人が書いた日記に出くわした。1934年12月22日の日記に三越で「ナポリタン」うまいという記述を見つけた。これ以上、著者はナポリタンの起源をさかのぼることはしていない。ナポリタンの起源は分からないようだ。
ついでに地名から連想して外国産と思えるものでも実は日本発祥と言うものがある、添れは「モンブラン」だ。正確に言うと著色のモンブランはフランスにあるが、日本でおなじみの黄色いモンブランは日本発だった。東京・自由ヶ丘の「モンブラン」と言う店が作ったと書かれている。店主の迫田千万億(さこたちまお)が、欧州に行ったとき、モンブランを見て感動したので店名を「モンブラン」とした。黄色い正体は「甘露煮の栗」とあるように日本人に合うお菓子を作った結果、黄色いモンブランが誕生した。
他にもいろいろ摂り上がられているが、読んでいると食べたくなってきた。食欲の秋をメニューの歴史をたどりながら食べてみるのもいいかもしれない。
モンブラン 今も自由が丘にあります。
http://www.mont-blanc.jp/
投稿元:
レビューを見る
先日、コロナ・ブックスの「あのメニューが生まれた店」(2013.11)を読みました。今回、澁川祐子さんの「ニッポン定番メニュー事始め」(2013.9)を読みました。前者は写真入りでしたが、後者は、文献を基にした読んで味わう物語、薀蓄が詰まった本でした。26種のメニューが展示されています。トップは「カレー」、カレーは、カレーうどん、カレー南蛮、カツカレー、カレーパン・・・、どのバリエーションも美味しいですね(^-^)インスタントラーメン、出回った頃の時代を懐かしく思い出します。若かった~(爆)
投稿元:
レビューを見る
<目次>
省略
<内容>
日本人が当たり前に食べている様々な料理のルーツを探った本。もとはWEB上の連載らしい。著者は私の大学の後輩にあたるのだが、一般のルーツ説に疑いを持つこと、きちんと文献に当たっていること、が素晴らしい。そしてそれなりの結論が出たもの、結論を出せず推論で終わりにしたもの、など。昔の料理は写真も動画もない中、レシピ本も曖昧な表記で、かなり苦労をしているのだろうが、それを感じさせない筆致である。むしろ調べていることが楽しい、という感じが伝わる。
逗子市立図書館
投稿元:
レビューを見る
今食べている食事やメニューはどうやって日本に伝来し普及し発展していったのか
というのを食事一つ一つをピックアップしてある本。
食は一番自分の中で大切で質がいい物を美味しく頂きたい。
そして食への知識があるとなおよい。
事実よりもエッセイみが少々強く、書き手の意思が多いのが玉に傷だが
ちゃんと文献や実際の店に訪れているのがよく判るので好感度が高い。
特に面白かったのは餃子が何故宇都宮と浜松で普及したのか?という所が
元々満州開拓軍と繋がりが強い地域で会ったという推測が書かれてあり面白かった。
オムライスも元々はライスをくるむ形だけだった話や
コロッケは欧州ではクリームコロッケが主流でじゃがいもはどこから入ってきたか
しゃぶしゃぶは民藝家が北京からジンギスカン(みたいなもの)を発展させたものや
モンブランの元祖は白い。。。など
投稿元:
レビューを見る
日本で今定番となっているメニューにも、それぞれのルーツがあり、それを探っていくことで、日本の食文化だけではなく、日本という国が歩んできた歴史やその中での人々の営みや気持ち、日本という国の気質が読み取れるような本でした。
日本人や日本という国は島国であり、また民族と国家がほとんど一致していることからも、海外の国々と比べて閉鎖的だと言われることも多い。しかし、今の日本食の定番と呼ばれるメニューのルーツを辿っていくと、元々日本で生まれたオリジナルのものは少なく、それ以上にさまざまな時代で、海外から入ってきた食文化を受容し、またそれが日本人に受け入れられるように当時の料理人たちが日本流のアレンジを加えたものがほとんどということこの本から実感しました。それはまさに日本という国が、海外にある素敵なものや文化に触れたときに、なんとかそれを受け入れよう、そして他の日本人にもこの素敵さを受け入れてもらえるようにアレンジしようとする日本の受容性であると考えました。
多様性を尊重し、どんな考え方も受け入れ、共に生きていこうという世界的な潮流に対して、日本は閉鎖的だと批判されることも多いが、そんな日本の食文化と呼ばれるものは世界の素敵なものをなんとか吸収し、さらによいものを生み出していこうという受容性の文化でもあり、そんな食文化の中で生まれ育った私たちにもきっと受容性の魂が根付いていると思います。日本人の大好きな食文化のように、人々が他の国の文化や人のいいところを受け入れて、より素敵なものを生み出せる、そんな日本、そして世界であってほしいなと思います。