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土は土である。過大な評価も過小な評価もしない。そういうスタンスで土について書かれた本。土に良いも悪いもない。それは人間が何かをしようと思った時に、それに適しているか否かであって、その場合の悪い土は必ず良くすることが出来る、と。
化学肥料、土壌改良材といったものに基本的に肯定的であり、有機農業であっても過栄養になってしまうことがある、問題は「乱用」である、というスタンス。ただ、同じような話がいろんなところに出てくるので、厚みの割にやや冗長か?
土がどうして荷電を持つようになったのか。おお、面白くなってきた! と思ったら、専門的なので省略。むう。あくまで、作物にとってよい土をどうやってつくるか、という目的だけにストイックなのでした。土を評価しようと思ったら、厚さ、硬さも含めての評価になるから、そこから掘って持ってきたってわからない。もっともだ。花はそこで咲くから美しい、みたいな?
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良い土であるための4つの条件
①根を確実に支えることが出来るように、厚く軟らかな土が十分にあること
②適度に水分を保ち、かつ適度に排水がよいこと
③土が極端な酸性やアルカリ性を示さないこと
④作物に必要な養分を適度に含んでいること
ためになった。
化学肥料は悪者ではないようだ。有機野菜が美味しくて安全安心というイメージを強く持っていたので、衝撃を受けた。そして化学肥料は有限でありいつか枯渇すること、堆肥も化学肥料も使い方次第であることがわかった。
世界の人口増加に伴う食糧問題。輸入に頼り、かつ食べ物を大量に捨てている我ら日本人。何かしなければ・・・。
本を読んで、ベランダのレモンとジュリアンの植え替えをした。レモンは葉の色がどんどん薄くなり、窒素不足だと思ったけど、小さい鉢に根が息苦しそうにおさまっていたから、4つの条件どれも×だった。
ジュリアンは排水が悪かった。
頭で考えるのではなく、見てケアをする。大事なことに気付けた。
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仕事関連で読みました。
基本の基なのだと思います。農業をする人、作物を作る人、その関連の人には読んで欲しいですね。
昨今の「有機=安全」風潮をバッサリ切ります。これを読んでも納得しない人は多いかもしれませんがそこに育つ植物、今食べようとしている野菜は有機でも化学肥料でも区別しないんです。必要なものを捕って成長してるだけ。
そう、区別したがっているのは選ぶ人間の方。
みたいな論説もあり、今更ながら「なるほどなぁ~」っと思いつつ読ませていただきました。
「土の緩衝性」「堆肥だけ、化学肥料だけで小麦を育ててる圃場の存在」「欠乏症診断」などなど今までのモヤモヤの答えもあり。
土に関わる私にとっては良い教科書を見つけた思いです。また、初心を思い出すために読み返したいと思います
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土は土である。タイトル通りの本だった。
有機肥料は体に良い、化学肥料は環境に悪い。そんな説が巷には溢れかえっている。ある説は正しいし、ある説は間違っている。では、どうやってそれらを見抜けばいいのか。
この本はそれを見抜く目線をくれる。有機肥料とはなにか、化学肥料とはなにかを示した上で、どのような土壌が作物生産に相応しいのか、初学者にも分かりやすく示してくれる。
この本の内容に興味関心を示す人は僅かだと思うけど、その少ない人達の琴線には高い確率で触れる本だと思う。