紙の本
歴史物まで
2016/02/28 02:06
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
信長の密命を受け、ヨーロッパで城塞建造を学ぶ左郎次。嫉妬、密告に翻弄されながらも初志を貫こうとする左郎次の一生を丹念に描く。佐々木氏と言えば警察小説の旗手。珍しい時代小説だが、全く何を書いても…直木賞作家たる所以か。
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『天下城』の後作としての位置づけ。主人公がヨーロッパにわたって城造りを学びながらいろいろな運命に巻き込まきこまれる。当時のなんでも吸収しようという日本人や、戦乱のヨーロッパの状態、キリスト教の新教旧教の対立など、当時の背景を織り込んでいる秀作。建築に相当する部分を、もう少しマニアックに深めても面白いとは思った。
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戦国時代の終盤、ヨーロッパに渡った日本人がいた。
新しい築城術を学び、日本に持ち帰るために。
信長に指示されるも本能寺の変で没し、家康からも指示され、日本に戻ることを要請されるのを待ち続けるも、遠く離れた土地であるため知らぬ間に時間だけが過ぎる。
親方にはならず、遠く離れたオランダの地に骨を埋める結果にはなるのだが、同じ石工仲間からいい仕事をしたと評価され、祖国の地を再び踏むことはなかったが素晴らしい人生だったのではないか。
時代に翻弄されたのだが、その中でも生きた証を残すことが出来たと感じたのだろうか。
本人にしかわからないだろうが、共に過ごした人々の心の中に生き続ける事が出来たのだろうと思うと、大変そうではあるが羨ましいものだ。
佐々木譲氏の作品と言えば刑事物をイメージするが、こんな作品もあるのですね。
非常に興味深く、知らなかった世界を知ることが出来た作品です。
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16世紀末の戦乱のヨーロッパに渡った日本人職人の数奇な運命の物語であると同時に、時代や場所を問わない、「働く」ということについての極めて普遍的な物語。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」的な。
かなり大部な書ではあるが、それでも全体としては駆け足でざっくりと描いた印象。
NHKでいえば「プロジェクトX」的な、築城や攻城戦についても、もっと掘り下げて読みたかった。
しかし、最初から最後までダレる処がまるで無い、一気読み必至の好著。
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新聞書評にあったので読んでみました。
読み応えあり。
16世紀から17世紀に掛けてのヨーロッパの歴史が勉強になりました。
最後は戻るのかと思ってたらそのままなんだ。
すごく面白かったって感じではなく、ああ面白かったって感じ。
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最後の方が駆け足だったのが少し残念。
ページ数が増えてもよかったのでもう少しじっくり読みたかった。
ただ歴史の勉強になった、サン・ピエトロ大聖堂、オランダの独立に日本人が関わっているとは知らなかった。
歴史の影にうもれた人の話が大好きなので、こういうのを大河ドラマでやってほしいな
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築城という夢を胸に、言葉も通じない異郷で、自分の力で生きぬいていく。妻も友人も子供も出来た次郎左なのに、いつか日本へ帰って父が徳川家康とした約定に応えようとしているところが、ばかばかしくもあり又それが彼を支えたのだろうとも思う。
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信長の命を受け、言葉もわからぬまま石積みを学ぶため海を渡る。
史実をもとにした作品のためか、治郎左の苦労というよりも築城や攻城戦が描かれているのが残念。
言葉も環境も違うなかでの苦難とか、遠く離れた祖国や家族に寄せる心境なども描いて欲しかった。
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初めは淡々と文字を追っていたが、主人公がローマで弟子入りする辺りから、俄然引きずり込まれた。
必ずしも史実ではないのだろうが、日本や欧州の時代背景と相俟って、さもありなんと思わせるところはさすがである。
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読み応えがあり、思いのほか、時間がかかった。オランダ人の名前は覚え難い。翻訳ミステリーのように登場人物表があっても良かった。
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「天下城」の続編的な位置づけか。「天下城」の主人公であった穴太衆の戸波市郎太の息子、次郎左が今作での主人公。
ヨーロッパの石積技術を勉強するために、戦国時代の世に渡欧し、その地ででも一流の石積職人となって渡り歩いていく姿が描かれている。
舞台はヨーロッパへと移るが、「天下城」と同じく、当時の建築技術や石積の役割などが詳しく描かれ、また、当時のヨーロッパの歴史や宗教背景なども興味深く、面白く読めた。ただ、淡々と最後まで進み、途中、弟子内でのいざこざや日本侍との再会など劇的な展開があったにも拘わらず、あっさりと進んでしまった感じ。グイグイ引き込まれるような盛り上がりが少なかったせいか、読み終わるのに結構時間が掛かってしまった。
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外波次郎左が1581(天正9)年ヨーロッパに渡って石工として活躍する物語.壮大なスケールで展開するストーリーに魅せられた.石工の仕事を通してヨーロッパの当時の戦争の詳細が分かって面白かった.次郎左がローマからオランダに動き、ルチアという伴侶を得て、3人の子供を設けたのは若い男として当然だが、異国の地でたくましく生きる姿勢は素晴らしい.
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テーマはめっちゃ面白いんだけど話は面白くありませんでした。当然故郷に錦を飾る展開を期待して読むわけで、なんとも言えない中途半端な読後感。ある程度史実に基づいているのか、フィクションなのか?フィクションなのだとしたら、もう少しドラマチックにして欲しかった。
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天正遣欧使節団とともに、長崎を出航して二年半。
異国の地で貪欲に西洋の技を身につけていく次郎左。
言葉の壁を実力で乗り越え、普請現場で、たちまち名を上げていくが…。
嫉妬の目、密告、逃避行、戦乱の日々。
帰国を夢見つつも、イスパーニャ軍の暴虐に反旗を翻すネーデルラント共和国軍に力を貸し、鉄壁の城塞を築き上げた男の波乱の生涯!
壮大な歴史物語。
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2024.4.5完了
前作に続き面白かった。次郎佐の話。惜しむらくは地理関係と外国人の名前が覚えられないことかな。世界史も少々知っておく必要があった。
帰国しない理由も明確。すばらしい。