紙の本
不思議な椿先生
2021/02/23 22:32
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
均質の教育現場からは
切り捨てられてしまう子供たちのために
立ち上がる椿先生。
知力、運動能力共に高く、
教育者としては素晴らしいのに、
現実処理能力に劣る面もあり、
人間離れと人間くさいが同居している
不思議な人物でした。
彼が、子供たちと向き合うシーンを
もっと読みたかったです。
最後のシーンに私の理解が追いつかず、
そこだけ残念でした。
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林太郎は確かに不思議な感じがする、行動力もあるし人の事を考えているし魅力的で彼の奥さんになった霧子はどこか冷静な彼に不安を覚えている。霧子はけっして平凡な普通の女性ではないけど相手の本心や伝えてほしいことを言ってくれないからそこで微妙に想いの違いが生まれている。読み出すとスルスルと物語が進んでいって円環のようにタイトルが示すような終わり方であって納得みたいな気持ちになる。
以下は少しネタバレ
終わり方では最初と最後が環のようになるそんな感じで、並行世界でもないしひたすらくり返しているわけでもない。ただ、彼女が見た彼との人生の流れがわかってそんな林太郎とも生きて決められていることを変えたいというのはわかる。
ゼロ年代以降の繰り返しの物語、ひぐらしや新エヴァやまどマギ、最近ならSPEC結なんかがあったので先の景色があってさらなる円環がみたい。
それを見た霧子が変えていくその先の物語がやっぱり読みたかった。
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なんとも掴みどころのない不思議な小説。
淡々としているようで、波瀾万丈で、温かいようで、冷たいようで…。
「生」、「運命」といった、大きなテーマを不思議な話に乗せて読者の心にするっと送り込む、妙に残る小説だった。
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主人公、林林太郎は淡々としている。彼には人の運命のようなものが薄ぼんやりみえているのだろうか。優秀であると友人から評価される林太郎も実は子供の頃、学習障害という問題を抱えていた。周囲に気づかれずに様々な問題を持っている子供たち、たぶん大人もまた別の問題を抱えている。いつかは終わってしまう命、人生をどういきるか、過去を振り返るのと同じように未来を思い描くことで、限りある寿命をより充実させる。そんなメッセージ性の強い作品。
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内容紹介
人は彼のことを“神の子"と呼ぶ――学習障害を持つ子どもたち。世界を変えようと決意するひとりの教師。彼の目に映る、人間の未知なる可能性とは。直木賞を受賞した『ほかならぬ人へ』をはじめ、“運命"をめぐる数々の名著を物した著者が、生への根源的な問いを放つ、渾身の一作。
「本物の時間というのは、絶えず伸びたり縮んだりしているんだよ。人間はみんなひとりひとり、持っている時間の長さが違うんだ」――友人がビルから飛び降りようとしている現場で、霧子は黒ずくめの不思議な男と出会った。彼は修羅場の最中、気づけば消えるようにいなくなってしまった。彼の名前は椿林太郎。学習障害児の教育に携わる、抜群に優秀ですこし変わった小学校教師。霧子はひょんなことから彼と知り合うことになり、魅かれていくが、実は彼には知られざる不思議な能力があって……。
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まただ。完全に一致する。自分は日頃から「死」を恐れている。
必ず死ぬって言われてもうまく消化できない。
で、ひょっとすると今この瞬間が永遠にループしているんじゃないかと考えたりする。
「神の子」林太郎を通して人と人との結びつき、恋愛、教育、働くということ、これでもかと思うくらいてんこ盛りで。
どれもこれもが共感できて、とってもおこがましいけど
そんな考えをこんな物語に出来てしまう白石さんに凄い嫉妬を覚えます。
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初読みの作家さんでした。全くジャンルも分からず読み始めたが、素晴らしく引き込まれた。そして最後に放り投げられて呆然とした。
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話、文章は読みやすく、好印象です。
読み終わってみると、作者の主張を、物語に混ぜて語ってる感が強いかな。
最後はどうなの?。最近はタブーではないのかね
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最初から最後まで違和感の塊に支配されたような気分。常になんとも言い難いモヤモヤ感がつきまとう。発達障害などをテーマにしているようだが、何を伝えたいのかがわからない。登場人物と作者に振り回されて終わるという感じがする。
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友人がビルから飛び降りようとしている現場で、霧子は黒ずくめの不思議な男と出会った。彼の名前は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮する、優秀ですこし変わった小学校教師。霧子は彼に魅かれていくが、実は彼には知られざる能力があって…。
「本物の時間というのは、絶えず伸びたり縮んだりしているんだよ。人間はみんなひとりひとり、持っている時間の長さが違うんだ」
「とにかく一日一日を生きていこうって思う強い気持ちを持つしかないんだ。自分が好きだってことなんだよ。他の誰でもない、とにかく自分自身が大好きで、超愛してるって思えることだよ。」
「僕はね、こういう能力を手に入れてみて、たった一つだけきみたちが知らないことを知ったような気がするんだよ。それはね、死は決して終わりではないってことなんだ」
生死観にかかわるテーマを含みつつも、若い二人の生活感たっぷりに話は進んでゆく。そして胡蝶の夢・・・。一気読みできる作品です。
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死神?と疑ったところからスタートして、教育問題、虐待へと重点が移ったりしながら、ドキドキして読んでいたのに最後で肩すかしと言うか、、、
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Σ(゚Д゚)エッ マジで夢オチ〜〜?www
まさかのラストでした(笑)
色々と重い内容が展開されていたので、どうまとめるか楽しみながら読んでいたのだが。。
すべてが夢だったとは(笑)でもそんな出来事が本当は無くてよかったねといったところかな(笑)
唐突に選挙で当選とかちょっと怪しかったけどね(笑)
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不思議な、不思議な物語でした。
子どもたちと向き合うこと。
それぞれの事情を抱える子どもたちと向き合うこと。
安易に誰かを責めないこと。
痛みを与える人は、同時に痛みを抱えている人でもあるということ。
うまく言葉にならないけれど、読んでよかった、そう思えた一冊でした。
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これ、ラストどうやって終わるのかなーと思っていたら、、、
でも、この小説、嫌いじゃないです(笑)。
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人がビルから飛び降りたのに怪我で済んだという凄い場面に居合わせたのに手を貸すこともなく素通りした男に、霧子は合コンで再会する。霧子が心の中で「死神」と呼ぶその人は、とても不思議で魅力的な男だった。
ディテールの描写がとても細かい。しかも登場する場所や会社は実名が使われている。霧子が就職する会社も、社名こそ出てこないが容易にあのメーカーだと分かる。そんなリアルな世界の中で、林太郎の設定だけがどこかファンタジー。そしてそんな林太郎が変えていこうとする世界は、人々が目をそらして関わろうとしない現実。
林太郎が関わっているのは、認知に偏りがあることでレッテルを貼られたり、虐待を受けたりしている子供たち。「小さい頃から何でもそつなくこなして、一流高校、名門大学へと進む子供たちよりも、むしろ発達に偏りのある彼らの方によほど未来を感じる。この国は、そういう可能性に満ちた子供たちを、旧態依然とした教育システムのせいでどんどん駄目にしてしまっている。もうこれ以上、そんなことを続けさせるわけにはいかないんだよ」
ラストは「え?そういうオチ?」とちょっと驚くけれど、それは重要ではない。全て読み終えて初めてタイトルの意味がわかる。
とても読みやすくてほぼ一気読みだった。
「頭の中で大きな音がしている」というエピソードは、編集者さんの実体験だそう。さらに著者の白石氏自身も、学校でじっと座っていられない子供だったそうだ。