紙の本
日本人科学者による創薬の物語です!
2020/02/17 09:10
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、私たちが病気になった時ににお世話になる様々な薬、その中でも日本人が開発した薬と、その創薬過程における苦闘を克明に綴った物語です。私たち一般人は意外に知らないのですが、世の中に溢れている薬の中には日本人科学者が発明したものも少なくありません。例えば、「スタチン」、「クラビット」、「プログラフ」、「レトロビル」、「ヴァイデックス」、「プリジスタ」などがあります。こうした画期的な薬がどのようにしてつくられたのか、そこではどのような創意工夫、また葛藤があったのか、日本人科学者の人生の物語として語ってくれます。
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日本人科学者がからんだ新薬の開発ヒストリー集。
メバロチン・クラビット・アリセプトなど日本が世界に誇る薬剤が、科学者たちのたゆまない努力から生まれたかが詳細につづられている。
一部の薬剤に関しては、著者の好みで選ばれている気がするが科学者の研究に対する一途な姿勢は評価したい。
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日本が華やかだった時代。
しかし、開発の影にはADRがあった。
アイデアと根気は、今でも日本人に根付いていると思う。
医薬品は、世界市場。疾病を治療し、健康を維持するという、社会に貢献する。半面では、商品として膨大な利益をもたらす。
開発者には、孤高な精神を持ち続けてもらいたい。
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クラビットやガスターといった日本人の手になる創薬の数々を紹介。それぞれの疾患と薬の作用,研究の舞台裏,発見者の人となりまで盛り込まれている。
そう簡単に新薬ができあがるわけもなく,やはりどこかプロジェクトX的な努力や苦労があるようだ。今ならもっとシステマチックにスマートにいかないものだろうか。
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専門外の人には少し用語が難解かもしれませんが、身近な薬の発見には多くの日本人科学者が限られた条件・環境で精一杯に知恵を絞りだして取り組んだ成果が読み取れます。生命科学系の学生およびそういう進路を考えている学生は必読です!
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【画期的な新薬を開発した日本人研究者たちの物語】
新薬開発の舞台裏を詳らかにした本。
最先端科学の世界って表ざたにされる機会があまりないと思う (研究者や科学者が“いわゆる大衆向けの本”を書かないため)。なのでこういう、一般人向けにわかりやすく、研究者の仕事の内容や閉ざされた理系の世界を解説している本はとても貴重だと思う。
本書では、30年前~比較的最近(2,3年前)の間に開発され発売された薬について・および、その薬を開発した研究者たちについて、が詳細に記載されている。
論理的な試行錯誤で少しずつ改善を重ね、結果世に出ることになった薬もあれば、
ほんのたまたま、偶然発見されるに至ったきわめてラッキーな薬まで
さまざまな経緯が語られているのが面白い。
神秘的な基礎研究の世界。これからの日本の医療・薬学・化学界を担っていく若手研究者諸君のためにぜひ一読をおすすめする。
第一章
●スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬=コレステロール値を下げる薬)カビやキノコを活かした仕事6000種も試し最初のスタチン発見
第二章
●クラビット(レボフロキサシン=抗生剤)耐性菌との戦いで抗菌薬は進化する*血中濃度が高くても効かない*光学異性体の分割に賭ける→タリビットの光学異性体がクラビットだった。
●プログラフ(タクロリムス=免疫抑制剤)フィールドに出る微生物ハンター*シクロスポリンと似て非なる物*移植先進国での治験開始*アトピーの外用薬や点眼剤に展開
第三章
●レトロビル(アジドチミジン=エイズウィルス増殖抑制) レトロウィルスに取り組む*逆転写酵素阻害薬を目指す*眠り病の薬に可能性を見いだす*初の抗HIV薬は抗がん剤から
●ヴァイデックス、ハイビッド(ジダノシン、ザルシタビン=第3の抗HIV薬) DNA鎖の伸長を停止する薬、特許権をめぐる欧応酬
●プリジスタ(ダルナビル=耐性変異ウィルスに強い抗HIV剤)
第4章
●アリセプト(ドネペジル塩酸塩)コリン仮説からアルツハイマー薬*すぐれた薬効も生物学的利用率で挫折*ライフワークで根本治療を検討
●カンプト(イリノテカン=抗がん剤)
発酵屋が抗がん剤を志す*活性を維持しながら毒性を弱める*有効成分を含む類似植物を栽培
第五章
●フェブリク(フェブキソスタット=痛風・高尿酸血症の薬)
評価系が無かったDM薬*安定した既存薬をリード化合物に*高血圧のない高尿酸血症の適応
●ガスター(ファモチジン=胃酸分泌抑制薬) オールジャパンで国産第一号を*全社一丸となった治験
●パリエット(ラベプラゾールNa) 胃酸を必要以上に抑えてはならない*3番手ながら切れ味鋭い薬誕生
第6章
●リュープリン(リュープロレリン=前立腺がん、閉経前乳がんの薬) 性ホルモン増強剤で去勢が起こった 除法性製材により効果が持続
●ハンプ(カルペリチド=急性心不全薬) 試料を湯通しし分解酵素を失活 ヒト心臓から血管拡張ホルモン 脳の利尿ホルモン測定を診断に
●インターフェロンの発見 紫外線照射にも安定な分子 ウィルス増殖に干渉する因子 四半世紀を経て薬に
第7章
●アクテムラ(トシリズマブ=自己免疫疾患治療薬) B細胞誘導因子を突き止める 病気との関連が深いIL-6 IL-6受容体抗体のマウス→ヒト化に成功 世界のリウマチ患者へ
終章 日本人と創薬
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創薬のためには、仮説を立てる力(既存の知識とひらめき)と、それを実証する力(努力と考える力)が必要だと感じた。
海外の製薬会社はトップが医師だが、日本は販売会社が出発点であるため医師が少なく、臨床的な視点に欠けるということがわかり印象的だった。
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新しい薬を創る「創薬」。日本人は世界に誇れる薬をいくつも送り出している。スタチン、エイズ治療薬など、創薬の開発までの苦闘と、創意工夫の物語。
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<学生選書コメント>
今年は本庶佑先生のノーベル受賞に
わきましたが、それ以外にも薬の開発に
多くの日本人が携わっています。
そのことをわかりやすく紹介している
のでオススメです。
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最近「医療×AI」に興味がありますの第三弾。新薬開発は地道な作業の積み重ねで、治験まで行ったのに副作用で開発がストップする悔しさなど、創薬のむずかしさが良く分かります。「理論から薬が生まれるよりは、よく効く薬ができてなぜ効くのかを調べていった結果、学問が発達する」という記載が印象に残りました。
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/07/blog-post_28.html
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https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057342
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h10-忠生図書館2018.8.21 期限9/4 未読 返却8/31h10-忠生図書館2018.10/19 期限延長11/14 読了11/10 返却11/11