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紙の本
大奥と妾屋の関係とは?
2013/11/04 21:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
妾屋昼兵衛のシリーズも早いもので、本書で5作目である。主人公は妾を武家や商人に斡旋する商売である。武家への商売となると、単なる大名だけではない。本書ではいよいよ大奥への商売である。といっても妾ではない。今風に言えば、大奥女中の人材の派遣である。
将軍は守れるにしても、その女系親族の身の安全を守るためには女でなければならない。身辺警護のために男が立ち入れないからである。ということは、将軍やその女系親族の命を狙う輩がいるということである。さらにいえば、警護のために人を入れるとなれば、妾屋昼兵衛自身も狙われるということになる。
そこで出番となるのが剣術の腕の立つ用心棒である。昼兵衛は2人の用心棒を雇っているが、妾屋ともなると妾が狙われた際に刺客を追い払う用心棒が必要となる。この用心棒も主人公のワキとして登場する。今回は昼兵衛の用心棒となり、主人である昼兵衛を守る立場となる。
当然、大奥での話が多くなるのだが、大奥の女中の上下関係や階級制度なども物語とともに詳しく述べられている。最近は御三家や御三卿など将軍に近い身分の大物をよく登場させる上田であるが、今回も敵は御三家にいた。
上田の小説では、主人公自身が幕府の要職にある場合、主人公が要職にある者の親族である場合など多様である。今回は妾屋昼兵衛が主人公であるが、用心棒の大月新左衛門もワキとしては重要な役割を演じている。ただし、あまり知られていない役割では読者が馴染めない恐れがあるので、用心棒というありふれた役柄をワキにしたともいえよう。
今回は御三家をとりあえず退けることができたが、話の運びによっては再び、忍びの者や僧兵が暗躍することもありうる。難をいえば、もう少し1冊のボリュームがあるとよい。文字が大きいことは読みやすく結構なのだが、毎回同じ調子では飽きが来そうな気がするのである。
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