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西洋ミツバチの巣別れである分蜂行動における集団意思決定方法。時間制約があるなかで如何にして最良の決定をし、1万匹を超える集団が如何にしてひとつの行動を取れるか。
多くの賛同者を最初に得た意見が通る。
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冗長。☆1
ミツバチのコロニーが分蜂し、新たな巣を作るのに適した場所を探すために数百匹の探索蜂が飛び出し、一匹につき平均10程度の巣の候補地を見つけてくる。そしてそれをコロニーの仲間に伝えるのだが、その中で最適な巣についてコロニーの蜂全てのコンセンサスを得るような民主主義的な集団意思決定行動を取る。
これは人間とは違い「一元的民主主義」という一致した利害を持ち、好みを同じにする個体が参加しているから可能である。
対して人間の集団においては多くの場合「対立的民主主義」だ。相反する利害と異なる好みを持つ者が各々の意図を持って行動する。
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巣の候補地や蜜のありかを示す尻振りダンスがどのように表現されるかなど、実験のプロセスまで含めてかなり詳しく書いてある。
人間の脳が、細胞それぞれがミツバチの個体とみなして、ミツバチの群全体としての意思決定プロセスに似ているというところが面白い。ミツバチの個体はある外界の刺激に対して機械的に反応するだけなのだが、群全体としては複雑な意思決定を行っているということである。
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ミツバチは常に最良の意思決定ができるのに人間は必ずしもそうではない。ミツバチは自分が属する集団が滅びると、自分ひとりでは生きていけないので集団の生存を最優先に行動する。そこには自分の欲のようなものは働かない。集団としての意思決定は、本書が示すように民主的なプロセスによって成される。それに加えて他の集団と争うことはないのだろう(本書では未提示)。翻って、人間は集団ごとに利害は違うし、利害が一致した集団であっても一人の権力者の意志が優先されたり、十分な議論が成されずに強制採決に至ったりする。愚かな人間がいる。
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ミツバチが次の世代の女王蜂に巣を明け渡すために、新しい巣を作るときに最適な場所を見出すときのミツバチの行動を観察し、その詳細を1冊の本にまとめたもの。
ミツバチは集団でしか生きられないので、次の巣を安全な場所に造らなければならない。しかし、この安全な巣の条件というのは結構複雑で、それを多くのハチたちがほうぼうを探しながら、最終的には1か所に決めて、みんなで巣つくりをする。新しい巣に移るのは1万匹。人間ではとても1か所には決まらない。著者のトーマス シーリーは、巣箱をつくるなどしてハチの行動を詳細に観察し、次の巣が決まるまでのプロセスを解き明かしている。研究はこうあるべきという見本のようなものだ。
副題にある「まぜ最良の意思決定ができるか」は、人間の意思決定と比べてしまいそうだ。本文でも、意思決定集団が複雑な問題に直面した時に、同様に幅広い選択肢から選べるようにするために、どうしたらいいか?という問いに対して、ミツバチの集団行動から基本的なメカニズムを参考にできると考えているのは興味深い。
時間があるときにじっくり読むことをお勧めします。
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高知大学OPAC⇒ http://opac.iic.kochi-u.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?isbn_issn=9784806714620
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トーマス・シーリー『ミツバチの会議 なぜ常に最良の意思決定ができるのか』築地書館、読了。各々が仕事を分担し複雑な共同生活を営むミツバチ。どうして高度な社会を営むことが可能か。本書は探索バチの巣分かれ行動の分析を通じてその疑問に答える。 http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1462-0.html
ミツバチは数日で巣分かれを実行する。巣場所候補を探し数ある選択肢から最良を見いだすのが探索バチ。各々が尻降りダンスで場所をアピールしその提案が吟味。特定の蜂が先験的に判断するのではなく、コロニー内の水平な討議(会議)が候補を決定する。
ミツバチの行動分析を通じて浮かび上がる合意形成の5つのポイントを著者は次のように指摘する。①意思決定集団は、利害が一致し、互いに敬意を抱く個人で構成する、②リーダーが集団の考えに及ぼす影響をできるだけ小さくする、③多様な解答を探る、④集団の知識を議論を通じてまとめる、⑤定足数反応を使って一貫性、正確性、スピードを確保する
著者は5つの教訓に従い教授会を運営、その成果が評価されているという。(本能だろうが)ミツバチの合意形成プロセスは「集団が選択肢を探す能力は、一個人の力に勝る」ことを雄弁に語っている。無言の会議ではなく、多様な選択肢をどれだけ出し、それを公平に判断できるのかどうか。本書には民主主義再生のヒントが詰まっている。
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「スゴい会議」のようなビジネス書かと期待して読み始める。
ミツバチは集団で最良の選択をする仕組みを持っている。これを我々の会議の進め方に置き直すと…というような。
たしかにそういう結論ではありました。
全10章のうち、ラスト2章はそのような内容でした。
ただ、それまでの8章は純粋にミツバチの生態を分析した内容で、幼い頃に読んだファーブル昆虫記を思い出しましたw
こういう結論でした。
「効率的な集団の五つの習慣」
1.意思決定集団は、利害が一致し、互いに敬意を抱く個人で構成する
2.リーダーが集団の考えに及ぼす影響をできるだけ小さくする
3.多様な解答を探る
4.集団の知識を議論を通じてまとめる
5.定足数反応を使って一貫性、正確性、スピードを確保する
これがどういう意味なのかは本書を読んでみてください。
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第1章 ミツバチ入門編
第2章 ミツバチコロニーの生活
第3章 ミツバチの理想の住処
第4章 探索バチの議論
第5章 最良の候補地での合意
第6章 合意の形成
第7章 引っ越しの開始
第8章 飛行中の分蜂群の誘導
第9章 認知主体としての分蜂群
第10章 分蜂群の知恵
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以前、新聞の書評で採り上げられていたので興味を抱いて読んでみたものです。
「ミツバチの会議」というタイトルは、何とも気になるいいネーミングですね。結構人気も出ているようです。
本書のテーマは、ミツバチが新しい巣を作る際の「集団としての意思決定プロセス」の解明なのですが、著者が発見したその仕組みはなんと「直接民主主義」ともいえるものでした。
そして、さらに興味深いのが、このミツバチの分蜂群の意思決定メカニズムと霊長類の脳の働きとの類似性の指摘です。そこでは、ミツバチは“ニューロン”に相当する働きを果たしているのです。
いつもながら「自然の創造の驚異」ですね。
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生物学者が蜜蜂の分蜂(6月頃女王蜂を中心に新しい巣作りのために分離する行動)の研究結果をベースに意思決定論へ展開。蜂の社会は脳の構成に類似しているとする。
8割は蜂の詳細な研究。数万匹のによる一発勝負の分蜂を成功させるために蜜を集める経験を積んだ数百匹の働き蜂が入り口の広さと体積をベースに周辺の穴をいくつも探して仲間の前でダンスをしてその回数でアピールする。そのダンスを受けて別の蜂も調べてダンスに加わり最終的に満場一致で移動を開始する。
目的を共有した構成員、豊富な選択肢、自由な議論、公平な判断、必要十分な定数での可決がポイントとなる。またリーダーは必ずしも必要ではなく、問題が明瞭である場合は議論と可決のファシリテーターとして動くべきである。
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足長バチは肉食なのにたいし、ミツバチは草食である。
このことを今回はじめて知ったわたしでも読める本。あっぷあっぷしながらだけれど。
“ヒトの意思決定作業にかかわる神経の動きと、ミツバチの群れが新居移住時におこなう一連の動きが酷似している、”という指摘に震えた。無駄のない組織とは、こんなにもうつくしいものなんだなぁ。
ただ、気になるのは、ミツバチの会議とヒトの会議は比較対象としてOKなのかという点である。
著者も述べているように、ミツバチの無駄のない会議運営は、本能に起因したものだ。本能や遺伝子というくくりでいえば、ミツバチの会議(=多数のミツバチ)と釣り合いがとれるのはヒトの会議(=多数のヒト)ではなく、ヒトの細胞の会議(=単体のヒト)では……。
この疑問は、著者のいう「超個体としてのコロニーと社会としてのコロニー」解釈で解決可能なのだろうか?
おもしろいことに、本書の装丁はすごく可愛いらしい。
蜂蜜色のカバーとデフォルメされたミツバチ。さらに、章題が載るページにもデフォルメされたミツバチの絵が添えられている。一章では一匹だったその数は、二章では二匹に、三章では三匹に……と、各章と連動して変化する。
本書への細やかな気遣いが感じられる装飾だと思う。
たいして本書の主役であるミツバチは、装飾よりも機能重視・デザイン先鋭化によって、うつくしい会議を運営している。
でも、装飾だっていいものだと思う。
ミツバチの意思決定会議を解明し、ヒトの会議にもそれを活かせないかと思索を広げる本書が、装飾に彩られて手元にある。両者のいいとこどりが出来る、こういうのがヒトの強みなのかもしれない。
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ミツバチの分蜂のメカニズムを解明する実験の結果が詳しく書かれている。ミツバチの高度なコミュニケーションスキルがすごい。
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ミツバチの意思決定がどのように人間で適応できるかについてだけ知りたい人は、本当に最後だけ読めば良い気がする。
後は、ミツバチの生態について科学者じゃなくても分かりやすく書いてあるけど長い。笑
でも驚いた生態能力は沢山あったから楽しかったけど、情報を取捨選択して軽く読んで飛ばしてしまった部分もあるかな。。。