紙の本
恋の不快さを甘やかに書いた小説
2024/02/25 11:46
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投稿者:まどろみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
共犯者だと思う。少なくとも恋人になるという事は、同じ罪を犯すという事。その罪を背負えなくなったものが逃げ出して、恋愛を終える。まっすぐな愛はどこまでも誠実で、依存という言葉じゃ不釣り合いなほど甘い。甘いから依存性があるわけで、決してノットイコールとはならないけれど、それでも、どこまでも甘美なそれを完全な形で手にするなら、きっと神様を十字架に貼り付けるくらいの覚悟がいる。でも、そんな事をする心が本当にあるのなら、どこまでも強く、いっそ殺める勢いで何もかもを奪えば良い。子供じゃないんだから、少なくとも少年少女の幼稚さはどこにもないんだから、どこまでも深く突き落として、溺死させてしまえば良い。恋なんて、決して良いものじゃない。少なくとも恋の不快な甘さをこの小説は愛してる。
紙の本
金米糖を埋めるなんて、
2022/04/19 06:24
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いかにも子どもがやりそうなことを江國さんが小説の中に入れると、すっごくロマンチックに聞こえる。恋愛と結婚は必ずしも同時に、お互いの関係の始まりや終わりにならないところが難しい。必ずしもというよりも、ほとんどならない。こんなことを知ってしまう大人になりたくなかったけれど、自由には生きていける。自由な人には、誰かのアドバイスなんてものはアドバイスにならない。誰かのアドバイスは特に欲しくないけど、大切な誰かがそばにいたら強くなれる。
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江國さんの文章は、読み終わったあと、不思議な気持ちになる。
いつも、そこに描かれていたものと対峙せずにいられないというか、対峙させられるというか。
今回は、結婚や恋をすること。
結婚がすべてではない、と佐和子は言った。
確かにすべてではないが、だからこそすべてでもあり得る、というのが本音ではあったが。
愛の言葉と舌打ちの区別がつかなくなってしまったので離婚を申し出た佐和子。
学生の時にシングルマザーになった、元々はとても奔放なミカエラ。
ミカエラの上司の60近い男性と恋に落ち、もちろん不倫になっているアジェレン。
心底惹かれ、共に生きたいと唯一思った佐和子に離婚を申し出られた達哉。
佐和子と共にブエノスアイレスへ行く田渕も、アジェレンが不倫をしているファクンドも、みんな魅力的だ。
それぞれの目線で恋や愛を思っている。
これは本当に、「恋愛小説」だった。
そうとしか言いようがないほど、純粋な。
恋はしないよりした方がいい。
どんな恋でも。
昔、どこで読んだ言葉だったかもう忘れてしまったけど、それがこれほどぴったりな小説に、わたしは初めて出会ったような気持ちでいっぱいだ。
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アルゼンチン生まれの姉妹の話。
好きな人が自分だけを好きになってくれるのは難しいことだ。
でも 共有なんてどうかと思う。
今の自分にはただただ苦しい1冊だった。
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恋人を姉妹で共有するとか、30以上も歳の離れた母親の上司と不倫するとか。
普通ではあり得ないんだけど、江國ワールドに入ってしまえば、なぜか心地よい物語となる。
題名となっている金米糖が出てくる場面が、とても素敵。
2014.8.4
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いつの頃からか苦手になってしまった江國作品。
久々に手にしてみたけれど、相変わらずだった。結局いつもと同じ。
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手放して、これ以上愛さなくていい、と安堵するところなんて恐ろしいまでの描写で、これまた好き嫌いは分かれるでしょうがわたしには全然ファンタジーなんかじゃなくリアルで溺れるようでした。
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20160404
積んでたのをようやく読んだ。
読み終わってしばらく佐和子が夫や自分の気持ちよりも妹との約束を最終的に尊重したのはなんでなのかなと思っていた。ミカエラが母子家庭の母で1人で頑張っているからなのかな。過去の考えを曲げずに男性に頼らず生きているのに、自分だけ勝手に落ち着いて幸せになっているのが、辛くなってしまったのかな。そしてなんだか誰も幸せになっていないようなのに、なんでこんなによんでてさわやかなのだろ。
なんでなんでってずうっと考えてしまう本だなあ。
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江國香織さんの小説を読むのは初めてでしたがとてもよかったです。前半は独特な雰囲気のある文を書く方だなぁと思いながらも、きどりすぎていてよくわからない内容に不満がありましたが後半はまんまとそれに惹きつけられてしまいました。
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江國さんの作品は好きで、よく読みます。
いろんな恋愛があっておもしろい、といつも思うんだけど、
今回のは主人公が理解できない・・・。
え、なんで離婚するの?それにつきます。
妹との絆(というか共犯感)が最も大事だから?
離婚だけならまだしも、なんで田渕ってひとと一緒に帰るの?
ぜんぜん魅力ないし・・・。
あぁ難しい。
もっかい読んだらわかるかしら・・・。
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題材は不思議。しかしテーマは普遍的。佐和子は、達哉を愛することを放棄しなければ、自分に戻れない。達哉の交友関係やミカエラとのことは頭で理解していてもやはり苦しく、受け入れられないから。それでも手放してしまえば、愛していたことなどすぐに忘れられる。
結末はパッとしない。後々頭に残らない。細かい点では、文章が倒置法的。スラスラと読めない。
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約4年半ぶりに読んだ江國香織。
江國ワールド全開で安心したーヽ(;▽;)ノ笑。
佐和子(カリーナ)とミカエラの姉妹。
佐和子の夫達也、ミカエラの娘アジェレンとミカエラの上司でありアジェレンの不倫相手ファクンド、そして突然現れて佐和子と駆け落ちするたぶちんこと田渕。
江國香織の本って、すんごいどんでん返しとか大きな事件があるわけじゃないけど、読んでてそわそわしてくるようなストーリー。アジェレンとファクンドの不倫はいつか奥さんにばれちゃうのかなぁ、達也はたぶちんから佐和子を取り戻せるのかなぁって途中からドキドキして読んでた。
達也って実は女遊びとかすごいんだけど、佐和子に逃げられてからは気の毒で気の毒で「がんばれー!!」って応援してたのに、結局ミカエラとそうなっちゃうのか・・・ってある意味がっかり(^_^;)
ブエノスアイレスと東京を舞台にしているせいか、外国の小説を読んでる気になる1冊。
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チョット理解できない所があったかなぁ⁇それが江國香織さんの私にとっての特徴なのだけど…
江國さんらしい作品でした。
結婚し、子どものいない姉佐和子さん(カリーナ)、夫の達也さんと、佐和子さんの妹で未婚の母になったミカエラ。
この三人が中心にお話はすすむ
特別驚くような事件があるわけでもないのですが、何故か魅かれる作品でした
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ああ、息ができなくなるかと思った。愛と傲慢と傷が痛すぎて。なんという力量。本にのめり込みすぎる私としては、これはお話と鎧をつけてから江國さんの物語は読む必要があるのに、今回は不意をついて入り込まれてしまった。恐るべし。
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読み終わっちゃうのがもったいなかったー。達哉さん好きだなー。その点綿谷りさに同意。
幸せに(浮気されてんだから幸せでもないか…)浸れず、どこか違う…と空虚な思いを抱いている佐和子ことカリーナ、奔放なミカエラ。登場人物がとっても魅力的で、全てを許しながら、柔らかく流れる時間がこの作品の素晴らしいところ。
本を共有するのと、金平糖のエピソードがお気に入り。
2013/12/01読了。