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ヨーロッパ4カ国の国々での話を4人の直木賞作家が描いた愛と味覚のアンソロジー。
それぞれにたくさんの料理がでてきて、美味しそうであった。
4つの世界を楽しむことができた。
その中でも森絵都が描いたフランスのブルターニュ地方が舞台のブレノワールが、良かった!!
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初めて読む井上荒野とか、以前読んで好きではなかった森絵都とかがよかった。角田光代はこんなのもあるんだ、という感じだし、江國香織は慣れている。
外国設定の本を読んだのは随分久しぶりで、そこに自分の違和感があることが特別だったのだな。
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食べ物を通じての人のルーツとかを感じる作品
まだ私は神さまの庭の主人公の若いときのような考えだけれど年をとったらかわるのかなあ
ブレノワールが一番好き
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江國香織めあてで買ったんだけど、この短編ほかの単行本に収録されてたね。いいけど。食というテーマを通して、それぞれ作家の個性が際立って面白かった。森絵都の話が一番すきかな。母と子の話にはどうにも弱い;井上荒野は初見の作家。なかなかえらい読書体験でした。
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それぞれ良かったのですが、中でも、森絵都さんの『ブレノワール』が飛び抜けて好きです。
読んでいて、少し、『バベットの晩餐会』を思い出しました。
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料理をめぐる、作家四人の短編集。全員日本人の作家だが、どの物語も舞台はヨーロッパ。
そのせいなのか、表現が翻訳された日本語みたいに感じられる箇所があるからか、海外の短編小説を読んでるような錯覚に陥った。
どの話も印象的だったが、冒頭の角田光代さんの作品『神の庭』は特に泣けた。
別れの予感を感じながら彼の好きな料理を丁寧に作る主人公。静かに席を立って家を出ていく恋人を感じつつ、なおも食事、ワインを口にしながら彼に語り続ける。
どんな時も、イベントの様に全員で集まり食事会を開く家族や親戚に嫌気が差して家を出たが、結局は自分も同じであることに気づく。
"よろこびも、かなしみも、くやしさも、安堵も、わたしたちは感じるのではなく、味わってきた。食卓にのせて、みんなで囲んで、そうして分かち合ってきた。"
他、『ブレノワール』もいい!
"五枚の白い花びら"
これまた最後に主人公と一緒に泣けた。
私も料理する時は、もっと丁寧に気持ちを込めながら作ろうかな。
食べる時は、もっと味わって食べようかな。私たちを、かたちづくるものだから。
そんなことを感じさせてくれる一冊だった。
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角田さんの話でうっかり泣いた。
こうしている間にも人は死ぬ、って。
目の前のことに向かい合う人、もっと先のことに取り組む人、両方いていいんだと思わせてくれた。
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ヨーロッパと料理をテーマとしたアンソロジー。
角田光代『神さまの庭』
スペインの田舎町で育った主人公は、頭が固く古い習慣にとらわれている父親を嫌悪していた。
大学生になりバックパッカーとして世界を回る中で、シェフである父の血を引いたのか料理の腕が立つ彼女はやがて難民キャンプで料理を作る活動を始める。
料理を作り生きていく中で、父ともう一度向かい合う。
井上荒野『理由』
30歳年上の高校教師と結婚した主人公は、周囲の反対がありながらも幸せな生活を送っていたが、ある日、夫が脳溢血で倒れ植物状態となってしまう。
山奥での孤独で不自由な生活と、看病で磨り減るように生きる主人公が、愛に身を焦がしていた時間を振り返りつつ今を生きるお話。
とても井上荒野っぽい物語。
森絵都『ブレノワール』
しきたりと因習を重んじる家庭で育った主人公はブルトン人としての生き方を押し付ける母親に反発し、都会へ出て料理人の道を進むことを決意する。
母親の望む通りでなくても立派に生きることができると認めてもらうために働いてきたが、母は死に、結婚して子供を持ってから故郷ブルターニュに戻ってくる。
そこで母の本当の姿と自分への愛情を知るという話。
森絵都だからかもしれないが、児童文学にありそうなテーマだと感じた。ありがちだがじんわり感動してしまう、さすがである。
『神さまの庭』と親子の性別を入れ替えたような設定。
江國香織『アレテージョ』
こちらは『犬とハモニカ』に収録されていて既読。
http://www.horizon-t.net/?p=676
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食べることは生きることで、愛すること。
うん。どの話もしっくりきた。とりわけ、角田光代さんの「神様の庭」は、もうとてつもなく惹きこまれていった。
たった一回の食事で何かが変わるわけでもない。でもそれがもしかしたら最後の食事になるとしたら…愛する人と語らい、笑い合い、美味しい料理を堪能できる幸せな食事の記憶であったほうがいい。
そんな幸せな食事の記憶…もっと重ねたいのだけれど。人生はさほどには簡単ではないのである。
森絵都さんの「ブレノワール」を読み始めてすぐに、おや?と思った。
ブルターニュ伝統の塩味のクレープとして書かれていたガレット。その材料が黒麦? 私も好きなその料理は、日本では蕎麦粉を使っていたはず。もちろんフランスでも。
辞書をひいてみた。黒麦はライ麦の別称でもあり、蕎麦の別称でもあるそうだ。ああ、やはり。しかし…ブルターニュのガレット、本当はライ麦を使っているのか、蕎麦粉なのか。
答えは、主人公の母親アネットが遺した息子へのメッセージで明らかになる。
「私がおまえを認めるとき、仮にそんなときが訪れるとしたら、私は花に姿を変えておまえにそれを知らせよう」
「花……」
「五枚の白い花びらだよ」
忌み嫌っていたはずのブルトン人の血に導かれ、同じくブルトン人の妻サラと共にターブル・ドット(夕食自慢の宿)の開業にこぎつけた主人公ジャンは、ブルターニュ産の食材だけで料理を作ることにしたのだが、選んだのは母との確執を生んだ、黒麦のガレットだった。かつて父母が大切にしていた黒麦畑を訪ねたジャンは…ここまでにしておきます。
惹かれた話はどちらもお気に入りの作家のものでした。むべなるかな、です。
美味しそうなものがたくさん出てきますよ。愛する人と、是非。
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どのお話も好き。
ブレノワールの終盤、
鳥肌がぐわっとたちました。
ともに食べることは、
ともに生きることで
愛することなんだ。
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アンソロジーのチーズと塩と豆とを読みました。
角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織というおしゃれな小説を書く女性作家たちの短編集でした。
西ヨーロッパを舞台にした、美味しく食べることと生きることをテーマにした物語が語られます。
一番気に入ったのは森絵都のブレノワールでした。
伝統を重んじて正直に信心深く生きているブルゴーニュ地域、家族のその息苦しさを嫌って家を飛び出してしまい、シェフの修行をしているジャン。
ジャンは母の危篤の知らせを聞いて家に戻りますが、母はジャンと会話をした翌日に亡くなってしまいます。
街に戻ったジャンはシェフの修行を続けていきますが、ブルゴーニュ地域に戻って美味しい料理を出す民宿を開くことを決意します。
そして、ジャンは母が大切に守っていた料理がどのような意味を持つかを理解するのでした。
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4人の作家による、ヨーロッパが舞台の料理にまつわるショート。
■神様の庭
人は最期に何を求めるのか。
自分の仕事や食の大切さと向き合うことを考えさせられた。心の奥にズシンとくる。
■理由
年の差婚の行方。
流行りとかあるけれど、ここまで考えたりしないのだろうなと。
香りだけのミネストローネ。パートナーに限らずいつかはやってくる日のことを思うと切ない。
死と生との書き分けを意図しているのだろうけれど、食の物語を求めている私としては苦手な類の話し。
■ブレノワール
一番好きな話し。
自分の故郷や家のしきたり、宗教と葛藤した主人公が良きパートナーに出会い、手にした職が生前理解し合えなかった亡き母につながり、あったかい気持ちになった。
■アレンテージョ
不思議なとりあわせのストーリー。
海外にはよくあるのかないのか。
絵描きのルイシュと自由人のマヌエル。二人が訪れた宿の娘は家出常習犯のエレナ。
美味しい料理よりもけだるい夏の日差しと甘いオレンジ、豚のスケッチの印象。
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人気作家たちの短編集。読むのが苦しいけれど、読んで良かったと思います。角田光代さんのお話がいちばん気に入りました。
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ヨーロッパの食卓で、人生を味わう。
直木賞作家がヨーロッパの国々を訪れて、食卓を描く。だから、登場人物は皆現地の人だけど、きちんと日本の小説だった。旅行者っぽくて、現地の小説っぽさはない。そりゃ、当たり前であるけれど。
角田光代「神さまの庭」確かに南欧の田舎って頑ななイメージある。強いママンって、つまりは家を守る人なんだよね。そういう意味ではジェンダーに縛られているイメージ。
井上荒野「理由」ミネストローネって家庭的なイメージだけど、ちょっと印象変わった。というか、家庭的なイメージだからこそ、背徳感が増している。
森絵都「ブレノワール」森絵都って優しいよね。許される話。全体的に幸せにしてくれる。
江國香織「アレンテージョ」男同士のカップルがこんなにすとんと書かれているの、久しぶりかも。からっとしていて、もだもだした感じもあったけど、結局現状維持というか、変わったのに変わらなかった。
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ヨーロッパのお料理をテーマに絡めた短編集。
お料理の描写もおいしそうだったし、それぞれの料理を誰が何のために作っているのかが面白かった。
お話自体はあまり起伏がなく、淡々と進むものが多かったが、料理をメインにすえたお話という雰囲気自体が面白い短編集でした。
電車の中で読もうと思って買って、まさに電車の中で読み終えた作品(笑)。