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手嶋龍一氏と佐藤優氏は仲が良い。意見もなかなか合う。むしろ意見が違う部分こそとても重要なのではと思う。
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佐藤優さんと手島龍一さんの3冊目の対談本。このシリーズの中では、一番面白かった。
シリア問題でのアメリカの優柔不断さは、「超大国の力の行使に陰りが生じていること」を露呈し、今後はアメリカがどんなコミットメントを示しても、現実の行動が伴わない可能性を疑わせる状況を作ってしまった。だから、高いツケとなって、アメリカと同盟国に跳ね返ってくるだろうという分析。
北朝鮮を巡る分析も面白い。モンゴルと北朝鮮との関係を踏まえた日本の付き合い方。プーチン大統領が北朝鮮が大嫌いな理由。そして、飯島参与の今年5月14日の電撃訪朝。いったい、誰が仕掛けたのか。それを知りたがっているアメリカ。そもそも、小泉政権のときにミスターXなる北朝鮮の窓口があったからこそ、小泉総理の訪朝が実現した。このミスターXと交渉した日本側の窓口が、当時の田中均アジア大洋州局長だ。だが、安部総理は、この田中均局長を名指しで、「彼は外交交渉記録を一部残しておらず、外交を語る資格などない」と批判している。結局、このあたりの詳細は、一切明らかにされていないのだが、この裏事情を知っているのと、知らないのとでは、北朝鮮を巡る外交の本質は分からないのかもしれない。
CIAのエドワード・スノーデン元職員のロシア亡命事件の分析も興味深い。スノーデンは、NSA(国家安全保障局)の業務の一部を委託契約で請け負っていた、ブーズ・アレン・ハミルトン社の社員だった。単に契約社員で格下の社員だったという訳ではない。事実、30歳そこそこの年齢なのに、彼の年収は2000万円という高給だ。仕事の内容に応じた報酬を受けていたと思った方がよい。何かのときのために、国の中枢から遠い場所においていただけだろう。問題は、なぜ、それだけの高給をもらっていながら亡命するのかということだ。インテリジェンスの世界は、裏切りは許さない文化。プーチンも、「元インテリジェンス・オフィサーなど存在しない」と言い切っている。つまり、ひとたびインテリジェンス機関に奉職したものは、生涯を通じて長方の世界の掟に従い、祖国に身を捧げるべきだという考えだ。だから、プーチンはスノーデンのロシア亡命を認めたが、彼自身は嫌っているはずだと分析する。なるほどね~。
スノーデンが今回の事件を起こした動機。それは、思想だと分析する。「スノーデンは思想犯だ。国家や民族が存在しなくても、人類は生きていくことができるという素朴なアナーキズムを信じているハッカーは多い。何かの機会にスノーデンも正義感に目覚めてしまったのだろう。この種の思想犯は手に負えない」と。このあたりの分析は、新聞やTVのニュースだけでは分からない。だけど、納得するものがある。
そして、TPP問題。日本の前途には、大きく3つの選択肢がある。一つ目はTPPの枠組み。2つ目が、日中韓という東アジア経済大国によるFTAの枠組み。そして、3つ目が日中韓のFTAの発展形態としてのRCEP(日中韓+印・豪・ニュージーランド)であり、さらなる将来はFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)が構想されている。二期目のオバマ政権は東アジアを今後の外交、安全保障、通称の主戦場と捉えているので、この経済通称圏���アメリカは必ず関与する。つまり、TPPは単なる経済連携の枠組みにとどまらない、東アジアの安全保障と表裏一体であると。
日本の有数のインテリジェンス・オフィサー2人の対談は、刺激的だった。外交は、今後の大きな問題の一つとして見逃せない。特に東アジア圏は注目していきたい。
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休日出勤の途中,駅ナカ本屋で見つけて購入しました。一気読みです。
興味のある分野なので,飽きずに読み通せました。
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日本を取り巻く外交問題を、インテリジェンスを縦軸として議論している。特に印象的だったのは、中国が強硬姿勢により尖閣諸島を奪取しようしていることだ。メディアからは語られない、日本の外交上の危うさをインテリジェンスのプロである手島氏、佐藤氏の視点から窺い知ることができた。
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元外務省と現役の外交ジャーナリストによる、今世間で話題になっている外交問題に関して対談をされています。テレビでの情報だけではなく、その裏にあるストーリーなど深くしっている重要性を教えられます。私たち一般としては、そういう目でメディアと接する必要があるということだと思います。
今の日本の状況を題材にされていますので、今読まないと意味が無いかと思われます。速読して、その技法を学ぶためのものかと思われます。
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定期的に出される二人の対談シリーズ。
今回面白かったのは飯島元小泉秘書の北朝鮮訪朝と、CIAから亡命したスノーデンへの考察。
北のNo.2と飯島さんが会談したことで飯島さんはインテリジェンス界で3段飛ばしくらいの注目を浴びる。これらの経緯を数枚の写真から考察しているけれども、よくもまぁそこまで考察できるんだなぁと2人の能力に改めて感心しました。
スノーデンはアメリカCIAから諜報関係の技術作業を外部委託されていた会社の職員(それでも年収は2000万円)で、元ハッカーなのだけれども、アメリカがインターネットから個人情報を盗んだりすることへの疑念が払拭できず、最終的にはロシアに亡命することになる。
KGB出身のプーチンからすれば、スノーデンの行為は国家を裏切る行為で決して望ましいものではない(インテリジェンスの世界では一生国家に尽くすという大義がある)のだけれども、対アメリカとのカードとしてスノーデンを上手く使っているところを解説してくれてます。
あと、バチカンが国と宗教(カトリック)の2重諜報という独自なインテリジェンス組織体を形成していて、しかも占いなどの非論理的なプレモダンを用いて勢力を保っている(今後現代価値観に寄り添うのかどうか等)という話が面白かった。
それから、彼らが、石光真清や杉原千畝のようなインテリジェンスオフィサーが日本に出現するよう祈りながら、インテリジェンス普及教育や活動を続けて行くというスタイルはいつも通りだった。
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最新国際情勢から諜報の基礎までを、手嶋氏、佐藤氏が対談形式で徹底解説。国際情勢への興味が深くなる書である。
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想像してた程、食い付けなかったかなあ。新書だと、どうしても週刊誌の特集を膨らませた様な、突っ込みの足りなさを感じちゃう。スノーデンとプーチンのくだりは結構面白かったけどね。
あと、手嶋氏が佐藤氏を何度も「外務省のラスプーチン」と呼ぶのが、なんとも興ざめ。
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あんまり入ってこなかった。個人的な趣味の問題かもしれないが。
佐藤さんのインテリジェンス論はまだ読める。ただ、手嶋さんの方はやや断定口調が多くて序盤でホントかよと思ってしまった。そうなるとこういう情報本は終わりだよな。
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すごく面白かった。いかに自分が国際情勢を知らないかも思い知ったけど。
新聞くらいちゃんと読もうと思った。
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手嶋氏と佐藤氏の対談本。確か、武器なき戦争、動乱のインテリジェンスに続いて、3冊目だったと思う。
内容は、東京オリンピックが決まったこと、飯島訪朝の真実、アメリカのスノーデン氏の告発、尖閣諸島、TPP問題で第一部。インテリジェンス概論、インテリジェンス超大国、日本のインテリジェンスで2部になっている。
いつもながら二人の対談は、1つの写真から分析するなど示唆に富んだものだった。今の社会状況は、アメリカの衰退とともに中国の台頭からくる、ロシアが日本に接近したいことなどが相互的な関係のなかで起こってきている。
第2部にあるように、各国の地域の文化や伝統なども絡むので、分析は非常な難しいことを改めて感じた。
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世界の背景がよくわかる。アメリカの衰退(オバマの優柔不断)が今の日本の軍拡に向かう焦りに影響してることがよくわかった。
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日本を取り巻く外交問題を、インテリジェンスを中心にして二人が議論する本。え?インテリジェンスってなにかって?それは本書をお読み下さい。
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インフォメーションとインテリジェンスの違い。学生の頃、落合信彦をよく読んだこともあって言葉の違いは分かる。
しかし、溢れるインフォメーションからインテリジェンスに値するものを読み解く力は当然ない。
私の手嶋さんの印象は911の時に印象づけられた。ここまでインテリジェンス的センスがあるとは失礼ながら知らなかった。ラスプーチン佐藤さんの発言はハイ・インテリジェンスすぎて凡人には捉えきれん。
もう一回読もう。( ̄▽ ̄)
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面白かった。メディアでは報じられない裏話が多い。そして自分があまりに無知で恥ずかしくなった。佐藤優さんは、神学を勉強されてて、今尚続けているからこその意見だと思う。話の言葉尻からしても非常に頭のよさを感じる。二重忠誠の考え方は妙に納得。もっと知って欲しい考え方だと思う。