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ポストコロナ、豊かさの指標は変わるのか?
2020/11/02 09:45
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投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
この中で書かれている「豊か」という言葉は、経済的な意味合いが強い。大学の奨学金や無償のインターンシップでこき使われ、結局大学は出たもののお金に困る、就職に困る、家が買えない云々の話に終始している。
結局、価値観をがらりと転換しない限り、解決の方法はない。現金収入が少なくても精神的に安定して暮らせる術について書かれたものの方が、よほど安心して読める。データ収集は入念に行われている。コロナ禍以前の参考資料として読んだ。
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本書の中でとりわけ関心を持ったのが教育についてのテーマである。
たしかに、日本、そして海外の教育機関で学ぶことについて、その金額は高騰し、それが若者の足かせになっていることはもはや周知の事実としてある。しかしながら、その一方で安価にそしてより効率的に学びにアクセスできるネット上のサービスも以前に増して広がりを見せている。
私たちが本当に欲しいものは果たして何なのか?肩書きなのか、友なのか、それとも真の学びなのか。もはや今の時代においては、従来のような一つの答えだけによってひかれた成功のレールというものは存在しない。
本書を読んで、事実は事実として受け止めるとともに、新しいサービス・広がりに対して心躍らせることは決して悲観的なことではないだろう。『絶望』という目の前の現実だけに縛られ指針を見失うのではなく、『希望』という未来を見据えて、今の自分に何ができるか考え取り組んでいくことから新たな一歩を築きたいものである。
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欧米では、若者が大学まで出てもまっとうな仕事につけず苦労しているそうな。大学さえ卒業すれば……と、学費も借金していたもんだから、かなり大変らしい。
日本も取材したみたい(でもちょびっとだけ)で、28歳の著者が、それはそれは暗い話をたっぷりとレポートしている。
ついては、景気をよくして学生にも仕事が回ってくるよう、国は緊縮せずにやってくれよ……ということを言いたみたいだが。
……うーん。
そんなに国とか年寄りが駄目だと思うなら信じなきゃいいじゃん。年寄りが金を持ってると思うなら、その財布を狙って商売すればいいだけでは?
無理矢理政府が予算つぎ込んだって、時流にあってなきゃ駄目だし、自然な流れじゃないからどこかで破綻する……そんなもんじゃないのかねぇ。
例えば、スマホ向けサービス。
年寄りは使いこなせないからユーザ問い合わせ対応なんかは格段にコストがかかっていると思う。そういうところで、年齢ごとに差をつけるとかしても、バチはあたらんと思うぞ。
現状をまとめた努力は買うが、そこからの提案が他人任せ過ぎることよ。負け犬根性だけでは、何も生まないと思うがなぁ。
選挙のたびに「投票にいこう」とか「もう政治には期待しない」という人々が出てきて、「オレは物申した」みたいな顔をするのも然り。最初からそういうつもりで動けばいいだけじゃなイカ!?
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「Y世代が成功を手に入れ、確固たる未来、を築くためには、先見の明がなければならない。現在がそれだけ不安定だからだ。先見の明を持つということは恐るべき現実と向き合うということだ。きっと政府は、Y世代を以前の世代ほど手厚く支援してはくれない」
メインのテーマはアメリカで課題となっている高額な学資ローン。そして、大卒者の失業者の拡大。だが、それは先進諸国が陥ってる課題でもあり、ユートピアはもはやないとのべている。ここでいうY世代は1976年生まれ以後の世代。アメリカ、ヨーロッパ、ブラジル、中国、日本の若者たちのインタビューが中心。著者は執筆当時28歳という。具体的な政策提言がされ、それは本書に譲るが、「故郷を捨てることさえ選択肢に入れるべき」とY世代には呼びかけていることは書いておく。
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米国では、1976〜2000年に生まれた世代を「Y世代」って呼ぶのですね。
(日本のロスジェネ世代、団塊ジュニア世代と同じイメージ?)
<本文より>
現在、Y世代に求められている事項を列挙するとこうなる。
高報酬を求めるな。仕事があるだけ幸せだと思え。1990年代の株、2000年代の住宅に踊らされ、グローバル経済を過剰に膨張させ、Y世代に貧乏くじを引かせたベビーブーム世代のことは忘れろ。高齢者福祉のため、赤字解消のため、ますます税金が高くなって給料が食い潰され、自分の将来が犠牲になったとしても気にするな・・・。
これでは、あまりに不公平ではないだろうか?現在の混乱を作り出したのがY世代出ない以上、Y世代がそのしわ寄せを受けるいわれはない。
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世界的な若者の失業問題に対するルポの様な一冊。
ここで紹介された人は世界の一部だと思うので、みんなが同じ環境なのかどうかは確定とは言えない。しかし、大多数が無給でもインターンしながら職探しをしないとまともな職種にありつけないという各国の状況を見ると、日本の若者環境が相対的に恵まれた国に見えてくるくらい、状況はひっ迫しているのが分かる。
打開策はあるのか、今後大きな問題となってくるだろう。
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ジェネレーションY(Y世代)・・・
この本の定義によればアメリカで1976~2000年に生まれた世代をそう呼ぶ・・・
もしくは近いものにミレニアル世代という言葉もある・・・
まぁ、とにかく70年代後半以降に生まれた一般的なワカモノについての本・・・
このY世代は・・・
かつてない程多くの人が大学や大学院まで行ってしっかり勉強して、これまでで最も高学歴な世代なのに・・・
上位の一握りを除けば・・・
自分の親の世代が頑張って築き上げてきた豊かな暮らしを・・・
親たちと同じような暮らしを築くのが・・・
非常に厳しく!困難に!なっているという!
ちゃんと勉強して、高校や大学を出れば、ちゃんと職に就けて・・・
頑張って働けば、ちゃんと給料ももらえて・・・
自立して、家庭も築けて・・・
マイホームを買って・・・
老後に備えて資産も築いていけて・・・
老後は年金もしっかりもらえて・・・
悠々自適な暮らしを送っていける・・・
・・・
こんな暮らし・・・
Y世代にはもう・・・
簡単には望めない!!
アメリカでは・・・
高学歴を得るために、高い学費を払うために多額のローンを組んで学校に通い、勉強し、卒業したものの・・・
金融危機の後遺症で能力に見合った職に就くのが難しく・・・
企業がライバルに負けないよう競争力を高めるために、賃金は低く抑えられ、雇用は不安定になり・・・
新興国の成長にともない、エネルギーや食料の値段は高止まりして、生活費が上がり・・・
重いローンの支払いすら困難で・・・
なかなか親から自立できず・・・
だから彼氏彼女と家庭も築けず・・・
マイホームを持つなんて余計に無理で・・・
先々は借金まみれの財政で、増税や年金や健康保険の給付は削減されていくことが予想され、少ない給付で暮らしていかなければならなくなりそう、という・・・
ワカモノの厳しい現状を伝えてくれる・・・
日本だけじゃなかった・・・
アメリカも・・・
ヨーロッパも・・・
同じ世代の人たちは同じような困難に直面し、苦境に喘いでいる・・・
もちろん、生まれながらにしてそれなりに豊かな暮らしができ、これだけ進んだテクノロジーを使えるなど多大な恩恵も受けているけれども・・・
それでも自立して、親より豊かな、いや、親と同じような暮らしでさえ築き上げていくのが困難な時代になっているという・・・
世界中のY世代のワカモノの嘆きの・・・
そして叫びの本・・・
僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか・・・
って、ところで・・・
アメリカのY世代がこういう状況だとさ・・・
Y世代が結婚して、家庭を持って、家を持つってのが難しいというわけだからさ・・・
金融緩和で後押しされまくったアメリカの景気回復・拡大が・・・
アメリカの住宅市況がこのまま回復して、それによって今後も更にしっかり続いていくってさ・・・
簡単ではないよね???
失業率が改善しているったって���・・
賃金も改善されないようでは・・・
ね???
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99%が貧しくなる経済と同じ内容だった。
累進課税の復活と職業選択の自由(=会社ではない)
は絶対だね。
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40代以上の世代が遺した経済的混乱のツケを、40代以前の世代が払わされるのは先進国全部同じだね、という内容の本。
先進国の人間には、「①バカのまま平穏な毎日を暮らす権利」はない。
しかし、「②投資して勉強しても費用対効果が出る収入を得られるのは、他の99%が考えつかなかった儲かる仕組みを考え出せ、経済的利益が出る仕事=人生、のレベルで仕事にコミットできる1%の人間のみ」。②ができなければ①以外の選択肢はなく、ワーキングプア水準の生活に甘んじるしかない…
……という世の中になってきてしまっているよね、ということを先進国と経済成長著しい元途上国の事例を集めてきて実証している。
『政治は古代ローマ時代からなに一つ進歩していない。』
とは歴史関係の書物を読むと良く目にするセリフではあるが、これだけ科学情報処理通信が発達したのも過去にないことなので、このギャップをどう楽しむか?が21世紀を生きる人間の課題なのかも知れない。
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読めば読むほど気分が落ち込んでいくが、きちんとデータをとって説明しており、日本の新サヨク(古市、駒崎、荻上、湯浅etc.)のように反体制で終わっていないところがgood
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76-00生まれのY世代。アメリカ、ヨーロッパ、日本。格差拡大、最も高学歴なのに職につけない。緊縮策、政府はY世代の未来を気に掛けていない。頭脳流出。這い上がろうと努力しているがこの先どうなるか。
もういちど豊かな時代に戻れるかというと、たぶんムリ。時代が変わってしまった。その変化にまだついていけてないということかも。
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アメリカの話が中心だけど、ロスジェネ世代以下の世代にはぐっとくる話…。
高所得者に課税し、中所得者・低所得者に還元するようなやり方、また、未来への投資としての予算をとるやり方は、ぜひ採用してほしい。