電子書籍
たんたんと
2015/11/13 16:21
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投稿者:mika - この投稿者のレビュー一覧を見る
残忍な描写とか、急展開のミステリーに少し疲れてしまって手に取りました。期待通り、心穏やかに、かつ描かれる出来事を考えさせられながら読みました。
紙の本
身近な人との関わり方を考える
2023/10/25 14:00
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恋人、夫婦、親子、兄弟、どんなに近い関係でも見えない部分や姿があって当たり前だよなと感じた。相手によって見せる姿は違うもの。
知っているような気になっていて裏切られたような気持ちになることもあるが、自分が勝手に思い込んで期待していただけのこと。
自分の価値観だけで関わらず、相手の想いをフラットに聞いて受け止められる余裕を常にもっていたい。
紙の本
淡々とした日常の描き方、自然でリアリティのある会話が特徴。
2015/08/31 09:39
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
三十四の主人公と、五十四の同棲相手の家に七十四の父親がやってくる。この一文章で要約しきれてしまう話だった。とりたてて何か大きな出来事が起こるわけでもなく、感動的な情景が描かれるわけでもない。ただ日常がーそれも息づまりな関係にもだもだする日常が、過ぎていく様子が綴られる。途中でそれなりに色々なことはあるけれど、そのどれもが淡々としているというか、あまり大きな感情の揺さぶりをこちらに与えてこない。正直、あまりおもしろさは感じなかった。
ただ、登場人物の会話や行動が極めて自然で無理がないのは小説として大きな長所だと感じた。
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今後、ものすごく期待のできる新人作家。第8回小説現代長編新人賞受賞作「柿の木、枇杷も木」を改題したものです。
改題前も素敵なタイトルだけど、「お父さんと伊藤さん」のが惹きつけられたな。新刊案内でこのタイトルでなければ手に出すことはなかっただろうと思う。けどほんとうに読んで、出会えてよかったなって思います。
名立たる選考委員たちがダントツで支持した“家族小説”
と銘打つだけあると思います。もはや新人ではない筆力の安定さ。台詞運びが実に巧い。のちに戯曲のほうで活躍されていたと知り納得
初っ端からとてもテンポが心地よい。するりするりと物語を運んで行くし、言葉選びが魅力的、惹きつけられる表現が多い。首をかしげる表現もあったけれども。
34歳の彩はアルバイト生活をする54歳「伊藤さん」という男性と暮している。そんな中74歳のお父さんがやってきて奇妙な3人暮らしが始まることになる。ぎこちない共同生活を送るなかで分かるお父さんの重大な、どこの家庭でも起こりうる秘密が明るみになっていく――。
お父さんも伊藤さんも彩も、彩の兄もその嫁も、登場人物みんなに愛着わくのもこの小説の素晴らしいところなのかも。偏屈なお父さんでさえも、54歳バツイチ素性わりかし不明の伊藤さんも、頼りにならない兄も、みんなみんな。
伊藤さんの~は逃げないっていう口癖もお父さんの大いなる無駄遣い、文明人ならウースターという妙な口癖もテンポとセンスの良さが光りさらに物語を際立たせている。
途中ちょっとすかすかで、少しだれてしまった箇所もあったけど、一貫して楽しかった。
ただ物語終盤のところ(246頁)誤植かなぁと。。。
(来ていた→着ていた)ハラハラドキドキ後の注目エピソードだったことも手伝って目立ってしまっていたのが少し残念。意味が通じず読むのが滞ってしまった。
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この小説の父と娘の現実的な微妙な関係と心理描写と、全くリアルじゃないけど、いそうな気もする年の離れた50過ぎの同棲相手の伊藤さんがいい味だしている。淡々とした小説かと思ったら、特に後半の転があって楽しめた。
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同棲中の主人公の元に、ある日突然父親が転がり込んできた。
あたし(34)と伊藤さん(54)とお父さん(74)のぎこちない共同生活。
伊藤さんの掴み所のないひょうひょうとした感じが、なんか良いんだよなぁ。いかにも頼りなくて甲斐性がなさそうな伊藤さんの、やる時はやるみたいなところはちょっと格好良かった。普段は何も考えてなさそうなくせに。
偏屈で頑固者のお父さんの自分勝手な振る舞いには主人公同様「このクソじじい」と苛々するけど、読んでいくうちに段々憎めなくなってくる。お父さんはお父さんなりに、家族を大切にしてきたんだろうなと思うから。まったく不器用というか、素直じゃないというか。
伊藤さんの「やっぱり、彩さんのお父さんてさぁ・・・彩さんの、お父さん、だよなぁ・・・」の言葉が全てを集約してる気がする。
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子供の独立、親の定年、家族の死、子育て、介護。そうした環境の変化によって、家族の関係はあらぬ方向に向かっていく。捻れていく。 魅力的な登場人物たちがテンポ良く現代の「家族」の曲がり角を描いてくれていました。
あの頃に戻る、タイムマシーンのような山間の信濃のお家。そんな場所があるといいのだけれど。
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とてもデビュー作とは思えない素敵な家族小説でした。34歳の私と54歳の伊藤さんが同棲するアパートに74歳の父が転がり込んできて始まる奇妙な共同生活を描いた長編ですが、ユーモアがあって、ほろっときて、日常を描いているだけなのにハラハラドキドキしました。
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兄から父親と一緒に暮らしてほしいと言われたあたし「彩34歳」。
無理ムリ無理!
だってあたしには同棲中の彼「伊藤さん54歳」がいる。
きっぱり断ったのに、家に帰るとすでにそこには「お父さん74歳」が……。
その日から始まる窮屈で奇妙な同居生活。
これが実質デビュー作の作家さんのようですが、上手いです。
はじめ彩の語り口が読みにくいと思ったけれど、すぐに気にならなくなるくらい。文章も話運びも人物設定もうまい。
元教師で気難しく身内に厳しいお父さんと、バツイチで54歳なのにアルバイトで給食のおじさんをやっている伊藤さん。
お父さんが伊藤さんを気に入るわけなどなく、同居は始めたものの歩み寄りは一切なし。
伊藤さんのほうはといえば、淡々飄々としていて何を言われてもされても動じない、というか意に介さない。
そんな日々が過ぎていき、ある日明らかになるお父さんの秘密。
なんという爆弾!!
なぜ?どうしてこうなった?頭を抱える彩の心に浮かんだ言葉、
「誰が悪いのか、ではなく、誰もが悪いのだ」
物語終盤、「お兄さんにもチャンスをあげなきゃ」と言い、お父さんには「嫌です」と言い、彩にはにっこり笑いながら置き去りにする伊藤さん。淡々飄々としているのに、なんだこの男らしさは。
○○は逃げない、が口癖の伊藤さんの「おれは、逃げないから、さ」も素敵。
降り出した雨の中、ビニール傘をつかんで駆け出した彩はお父さんに追いついたとき、なんと言ったのだろう。
いろいろと思い浮かべては温かい気持ちになり、本を閉じた。
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『お父さんと伊藤さん』というタイトルと表紙のシンプルさに衝撃を受けた。主人公の彩の職業と年の差恋愛(私自身は16歳差でした)という共通点があり、少し親近感を感じた。私も父に交際相手を紹介した時、お父さんと同じ反応だった。伊藤さんはしっかりしているのか、天然なのかわからない。不思議な人である。伊藤さんはお父さんと彩の仲を取り持つ潤滑油的存在でもあるのかなと思ったり。お父さん・彩・兄・兄嫁は不器用すぎて拗れてしまったのかもしれない。伊藤さんとカンマニワさんに支えられながら彩には頑張って生きてほしいと思った。
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夢中になった。
最後は、どういう訳なんだろう…。
伊藤さんがいい味なんだな^ ^
オススメです♪
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家族の微妙な関係が、第三者が入るとスムーズになったりする。そうやってわだかまりを軽くするのも良いコトだ。家族はどこか似ていて憎たらしく、どこか違っていて愛くるしい。
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タイトルが良いよね。
それを引き立たせるような、シンプルな表紙も好き。
■ ■ ■ ■ ■
伊藤さんのお人柄なのか、のほほん感が漂うお話。
結構シビアな状況なんやけど。
『家族』って、他のどこよかキレイゴトが許されない集団だもんね。
自分も親ときょうだいとの関係が、現在進行形でちょっと困った状態にあるぶん
最後の彩さんの決断の行方は気になるところ。
■ ■ ■ ■ ■
気になると言えば、伊藤さんの過去も気になるなぁ。
お父さんの実家でのセリフからして、単なるフリーターのおっさんでは無さげやし。
スピンオフで書いてくれないかしら。
■ ■ ■ ■ ■
カンマニワさんのソースの提案も良かったな。
■ ■ ■ ■ ■
彼氏と友達がこんだけすてきだってことは
彩さん自身もそうなんだと思うのよ。
未来は明るいばかりではなく、後悔することも度々あるだろうけど、きっと彩さんはだいじょぶ。
亡くなったお母さんに代って、そう言ってあげたくなるようなお話でした。
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34歳の彩
彼氏は
アルバイト生活の
伊藤さん 54歳
ふたりでのアパート暮らし
そこへ
今は定年退職している
74歳のお父さんが
一緒に暮らすことに
小学校の先生だったお父さん
頑固者で口うるさくて
真面目・・・のはずが
隠された秘密があった
そんな
近くて遠いような
父と娘
そして彼氏の伊藤さんとの
家族の暮らし
家族って
けっこうめんどうくさい
言えない秘密もある
大人になってからの
距離感とかもある
そんなこと感じる
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34才の彩と20歳年上の彼氏・伊藤さん。同棲する二人の元に、74歳の頑固なお父さんが同居しにくる。あらすじを読んで、好みかもと思い、読んでみました。話は思っていたものと少し違って重い部分もあったけれど、良かったです。家族の関係、両親の老い、そして血縁はないけれど支えてくれる人たち。色々なものを感じました。お父さんの箱の中身を大切にしている意味はちょっと私にはわからなかったし、最後の意味深な部分もこれでよいのかちょっとわからないけれど、いい物語だなと思った。たぶん、伊藤さんの存在が大きいのかな。はじめはただ器用なだけで頼りない感じだったけれど、後半からぐいぐい引っ張っていき、飄々としてるのに、しっかりいうことはいう、頼りになる伊藤さんでした。
あと、職場のカンマニワさんも素敵です。