紙の本
私たちの常識がこんなにも間違っていたことを教えてくれる書です!
2018/11/09 08:45
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ベストセラーにもなった書で、私たちの日頃の行動があまりにも非合理で効率の悪いものになっていることを指摘してくれます。同書の著者は、人間というのはこんなにも損をしたがる動物でり、もっと賢く、もっと知的に生きることで人生は大きく変わると強調します。では、どのように賢く、知的に行動すれば、生きればよいのでしょうか。同書ではその点を丁寧に解説してくれます。また、『9割の損は行動経済学でサケられる』は、本書のエッセンスを纏めたものでもあり、こちらもお勧めです。
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橋本之克"9割の人間は行動経済学のカモである"を読む。
大手広告代理店のマーケティング担当からコンサルに転じた著者がその経歴を活かし、マーケッターの視点から行動経済学の利用を語ったもの。
ピンクの軽い装丁ながら、中身はしごくまともで、ここ数年で流行った行動経済学ものの一般向け総集編といった趣。
行動経済学の説明。
○行動経済学は、簡単に言うと、経済学と心理学の中間に位置する学問だ。…行動経済学はこのような人間の非合理なココロを理論化し、さまざまな実験で証明した。行動経済学を学ぶことによって、人間の非合理な判断や行動パターン、それらが起きる理由、それらを示す法則を理解できる。
基本をバッチリ抑えており、雑誌の付録や飛行機事故、AKB総選挙などを題材にプロスペクト理論、ヒューリスティクス、フレーミング理論などの基本概念が紹介される。
なかでも最終章では実践編として、行動経済学の見地から"なぜ素人投資家がやられるのか"を解説があり、ヒトの非合理な行動の理由に迫っている。
○人間は絶対値で物事の価値を評価するのが苦手だ。なんらかの基準を(時には無意識に)参照点と定め、それとの相対比較で評価をする。
○また損切りによって損失を確定させることが難しいのは、自分の判断が誤っていたと認めることになるためだ。これは単なる損失ではなく後悔につながるものである。認知的不協和の視点からも避けたい事態である。これらによって、損失を先送りすることになる。
○損失回避そのものは、人間の無意識の心理的な反応であり、これをなくすことは難しい。ただし、この影響を減らすための方法はある。損失を回避する気持ちを過度に持たないために、自分が所有をしていないかのような意識を持つ。投資している対象と自分を、意識的に離しておくのだ。
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心理学も経済学も興味があったので、読んでみたが、いろいろな視点で記載されていて、面白かったし、より経済行動学について、知りたくなった。
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いろいろ載っています。
行動経済学の概要は理解できます。
他の本で読んだ事がある事例が多いのは仕方ないかな。例えや事例かむだに長かったりしますが全体的に読みやすい。行動経済学を知らない人は生きる上で知っておいたほうが良いかと。
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ぞんがいおカタい内容なのに、人目をひくタイトル、派手なピンク、で読ませる気にしている戦力は、まま評価したい。
ただ理論としての説明は腑に落ちるが、かならずしも、ひとがそのとおりに動かない、ということもありえるかも。
「カモられない」消費者が読むにはいい本かもしれないが、「カモりたい」売り手が読むには、ややもの足りないと思ってしまう…と思うのは、著者があくまで広告屋であって経営者ではないというスタンスの違いなのかもしれない。
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プロスペクト理論やフレーミングなど、行動経済学について読みやすい文章で紹介されています。
打率よりヒット数を目標にするといったように、シンプルに増えていく値を目標にした方が精神的に消耗しないという指摘は参考になりました。
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様々な実例を取り上げて、マーケティングやビジネスモデルを行動経済学の視点で解説する。人は限られた情報を元に不合理な意思決定を行っているということを、商品やサービスを提供する立場からも、また顧客の立場からも考え直すいいきっかけになる。
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カモの写真とカモ。
カモに売りつけしている理論が書いてあり、面白いです。
カモになりたくない…と読むより、行動心理学学ぶためにはいいですね。
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行動経済学は数年前からテレビや雑誌でよく取り上げられ、なるほどと思うことがよくあった。気になっていたけど、本で読むことはなかったが、ピンクの表紙に目がいって手に取った。
タイトルの通り、9割のカモに入っているのか・・・
サンクコスト 自分が選んだ選択に自分自身がしばられること★
フレーミング 情報提供方法によって非合理な判断を下す仕組み
プロスペクト理論 参照点と価値関数
参照点依存性
感応度逓減性
現状維持バイアス★
確実性効果
ヒューリスティック 早とちり
現在志向バイアス
ピークエンド効果★
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世の中の流行を、行動経済学の理論から解説したもの。
「XXはフレーミングの一種だね」というような、表面的な解説が続き、内容的には凡庸だが、タイトルが秀逸。このタイトルだと読みたくなってしまうのでは。。。
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「影響力の武器」と「ファスト&スロー」の、日本人にわかりやすいように解説+マーケティングの面から見て解説のような感じかな。
例示した現象すべてにフレーミングやヒューリスティクスなどの行動経済学論理の面から説明しているが、割り当ててに無理やり感が少々。
上の2著(3冊)読む気力がないのであればこれ1冊で読むだけで行動経済学ってのが理解できてお得かも。
面白さは「影響力~」と「ファスト~」のほうが好みなのですが。
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時間外手数料を払い続けることは損をし続けることなのだろうか?
行動経済学で物事が決定するのならばその行動経済学ですべてを瓦解させることもできるという事か。
いや、できないわけがない、それをやりこなすことができればすべての富は皆その首謀者のもとに集まることになる。
という事は・・・・・・。
プロスペクト理論 ヒューリスティクス 早とちり
フレーミング理論 時間選好
儲かる体質 ホフスタッターの法則 計画錯誤 手数料 ワケあり商品のワケ
投資家がやられる3つのパターン
損のダメージが強まる
損失で身動きができなくなる
トクが損の原因になる
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①行動経済学を生かすには?
・サンクコスト+保有効果+同調効果が基本
・借金の金やギャンブルで得た金は失いやすい
・商品販売は、買う気を起させることが必要で、詳細は商品説明ではない
②プロスペクト理論とは?
・満足は絶対量ではなく、変化で決まる
・100万円⇒500万円、900万円⇒500万円で、心境が異なる
・人は変化に反応する⇒人は慣れてくる
③ヒューリスティックスとは?
・心理的なバイアス
・アンカリング
・ハロー効果(ハリウッドスターがプリウス)
④フレーミング理論とは?
・情報提供方法によって非合理な判断を下す仕組み
・給料の2割を貯金ではなく、8割で暮らして
⑤気づき
・人間は非合理的な判断もする(感情があるから)
・サンクコスト(ソーシャルゲーム、コンコルドの開発生産)
・保有効果、持っていたら愛着がわく
・同町効果、つながり感
・人間は目先の利益を優先する(現在重視バイアス)
・徳より損のほうがダメージが大きい
・人は現状維持バイアスがある⇒同じブランドを買う
・付録つき雑誌はお得感、限定感、ブランド力で売れたが、2011年に付録バブルがはじける
・喫煙家は、吸わない人より、衝動的な行動を選択
・肥満の人は忍耐強さがない
・訳アリは、返報性の原理
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【内容】
人間の購買決定までの深層心理を行動経済学をベースに記述した本。
⑴行動経済学は人間を意のままに動かす最強の学問
・消費した時間や労力などにこだわるサンクコスト効果
・自分の所有物に高い価値を置く保有効果
・判断を他人に委ねる同調効果
・人間にとって、同じくらいの損得なら、得する喜びより、損するダメージの方が大きい
・人間は将来の利益より目先の利益を優先する
⑵1割の人間はプロスペクト理論を知っている
・人は変化に反応する
・変化を測る基準を参照点と呼び、満足・評価を左右する
・人間は結果よりも経過で判断する
⑶犯した過ちは全てヒューリスティクスにある
・経験に基づいて、人間はヒューリスティクス(早とちり)する
・不確実な事柄はある値を設定(アンカリング)し、その後に調整を行って最終判断する
・自己の正当化=確証バイアス
・自分の間違いを棚上げ=後知恵バイアス
・ハロー効果
⑷フレーミング理論活用の儲かるビジネス
・同じ問題でも異なる表現であれば、異なる捉え方をしてしまう
⑸時間選好を知ったら、もっと儲けられる
⑹行動経済学で儲かる体質に変えよ
【感想】
人間の行動には、一定の本能的な判断があると思う。
それが心理学や行動経済学で学習できることが楽しい。
知らずに生活することで、それらに利用されることもありうるし、学習すべき学問だと最近思う。
マーケティングや営業だけでなく、あらゆる仕事でこういった学問をアウトプットしたい。
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行動経済学について体系的にまとめられているので判りやすく、読みやすい一冊。
バイアスやヒューリスティックスに関する内容が多い。
言ってしまえば基礎的な内容が多いといえば多いが、
手始めの1冊から読み返しの1冊としても幅広く学べると思う。
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人間は無意識のうちに非合理な行動を取ってしまう。
その理由や仕組みを知ることで、自分にとってのベストな判断を選ぶことができる。
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■二度と戻らない「時間・お金・労力」の呪縛
上記を「サンクコスト(SUNK COST)」という
⇒自分が選んだ選択に自分自身が縛られること
ex)コンコルド社の飛行機
一方で、逆に「選ばれなかった選択で得られたはずの利益=機会費用」は軽視されがち
ソーシャルゲームのように一度費用や時間を投資したものを抜け出せないのは
サンクコストの呪縛から逃れられない設計になっているから
■フレーミング効果
表現方法で判断が変わるバイアスを「フレーミング効果」と呼ぶ
ex)正体不明の伝染病の対策で…
1.半分の住民が亡くなる。
2.50%の住民が亡くなるが、50%の住民は無事に助かる。
同じ内容だが、後者の方が希望があるように感じる。
タウリン1000mgとタウリン1gだと前者の方がパワー出そうな感じ
合わせて覚えておきたい「損失回避」というバイアス
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人間は得をする場面では確実に利益を得る選択をするが、
損しそうな場面ではイチかバチかの行動に出ることが多い。
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■時間割引率と現在重視バイアス
人間は将来の利益より目先の利益を優先する傾向を持っている
その度合いを測る尺度=「時間割引率」
ex)
・今日もらえる100円
・1年後にもらえる150円
これらが等価だと考えた場合は割引率50%
合わせて覚えておきたい「現在重視バイアス」=その名の通り、現在を重視するバイアス
ex)
・ダイエット中なのについ甘いものを食べる
・健康に悪いと知っていてもタバコを吸う
1本のタバコと将来の病気、時間割引を考えたら………
■借りた金を浪費してしまうのは何故か?
「メンタル・アカウンティング」
=金銭に関する意思決定を行うときは、総合的に判断して合理的な決定を下すのではない
比較的せまいフレームをつくり、その中で判断を行なう(この事を表す言葉)
その典型的な例として「ハウスマネー効果」がある
ギャンブルで得たお金は普通に働いて得たお金とは違い、浪費される傾向がある
前者のお金を無意識のうちに"価値が低い"と判断をしている
同じ金額でも【失うときの痛み】>【得た時の喜び】という損失回避の思考が働く
ギャンブルで得たお金の場合は「得したお金」であるため、スッても心は痛まない
働いて得たお金の場合は「労働力の対価」のため、価値が高いと判断している
■時代の流れをつかむ基礎知識=プロスペクト理論
人間は物事の良し悪しを判断する際に、常に熟考するのではなく直感で行うことが多い
最終的な結果よりも、経過における「変化」を重視する
Aさん:昨日は100万円持っていたが、今日持っているのは500万円
Bさん:昨日は900万円持っていたが、今日持っているのは500万円
この2人を並べた場合、Aさんの方が幸福度が高い、という判断をする
他の例)
突然500円を貰った場合の幸福度
・財布の中がお札でパンパンだった場合
・給料日前のランチ前
価値は絶対値ではなく、変化で測られるというのがプロスペクト理論の基本
付録つきの雑誌がブームだったのは「付録がない状態」が参照点なので喜びが大きいため
「付録がついてくる状態」が参照点になると評価は変わってくる(※ある種の慣れ)
■「保険」にめっぽう弱い日本人
「保険文脈」というバイアスがある
=保険として示されると、低確率の死ぬ・壊れるという事象に対して
起きない方に賭けるのではなく"保険料の支払い"という確実な損失を選ぶ
【理由1:「確率加重関数」と「確実性効果」】
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ゼロリスクであることを重視するため、無意識のうちにゼロリスク=価値があるという判断
保険によって"損をする"確率がゼロになるのは素晴らしい、と思える
仮に死亡や事故がゼロに近い確率だとしても、実際以上の高い可能性があると見てしまう
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【理由2:利用可能性ヒューリスティックス】
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正確な情報が得られない状況で、限られた情報をもとに判断してしまう傾向がある
よく目にしたり印象的だったりすることは高確率で起きる、と考えてしまうバイアス
自動車事故・住宅火災などはニュースや報道で目にする確率が高い=起きやすいと考える
介護保険への加入傾向も身内に寝たきりの人が居るほど高い(※身近に考える)
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【理由3:リスク評価】
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大きな破局・災害が起こる「恐怖」を感じると、それが起こる確率を高く見積もる
自分自身が巻き込まれたら…と想像して感情移入する=客観的な判断の欠如に繋がる
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これらの理由で保険文脈は強い。
保険的な商品・サービスすべてに当てはまるので、ビジネスを行なう人であれば
自分の商材が当てはまらないかと考えてみるのも手かもしれない。
「保険のようなものですから……」
「○○を買えば××を避けることが出来ます」
「○○を使えば××に備えられます」
という表現で関心や購入意欲を高められる可能性はある
■よく考えれば分かるのに…という失敗
ヒューリスティックスは人間の"早とちり"というべき選択や行動を解き明かす
ex)ある朝、学校のすべての窓ガラスが割られていた。どちらが犯人か?
A:高校生
B:暴走族の不良男子高生
Bの方が��倒的に回答率は高いが、BはAの一部である
大きな括りと考えればAの方が該当する人が多く、犯人に当たる確率が高い
これは代表性ヒューリスティックスの事例
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・利用可能性ヒューリスティックス
⇒身近に触れる事柄ほど起きる確率が高いと判断してしまう
・再認ヒューリスティックス
⇒過去に聞いたもの、既に知っているものを初めて聞くものより高く評価する
・代表性ヒューリスティックス
⇒典型的と思われる事柄に着目するあまり、確率を過大評価してしまう
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ex)3回凡打した2割5分の打者に「次は打つと思いますよ」と言う解説者
4回目の次はヒットが出るはず、という「少数の法則」のバイアスによる誤り
・大数の法則:なにかが起こる確率は試行回数が多いほど正確な確率が出る
・少数の法則:少ない試行回数であるにも関わらず、大数の法則が当てはまると錯覚するバイアス
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・アンカリングと調整
⇒最初の情報や値をアンカーとし、のちの判断を大きく左右する
・ハロー効果
⇒人や物への一つの鮮やかな印象が総合的な印象に影響する
アンカリングに近い原理だが、一番の違いは初撃のインパクト
ex)プリウス2代目のプロモーション
ハリソン・フォードなど有名なスターがアカデミー賞授賞式の会場にプリウスで乗り付けた
「ハリウッドスターが乗る車=プリウス」という印象がハロー効果となり、売上は爆増
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・確証バイアス
⇒一度自分の意見を決めると、それを裏付ける情報ばかり集めて反対情報を無視するというバイアス
・合理化
⇒目的の未達成や欲求が満たされない場合に、現実とのギャップを都合よく埋め合わせる
・後知恵バイアス
⇒結果を知ってから、事前に予見していたように考えてしまうバイアス
「やっぱりそうなると思っていた!」と言ったり、思ってしまうバイアス
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賢い人ほど、このヒューリスティックスを使う。
幾つか安価でよく売れる「看板メニュー」用意しておき注目させることで
全体の割安感を演出して、客単価を上げる……など。