紙の本
家族の形。
2015/10/31 19:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokona - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学2年生の隼太は、この春に家族が増えた。優しくて大好きな歯医者の父・優ちゃん。 でも優ちゃんは時々キレて、自分を忘れてしまう。 隼太を殴るのだ。 母さんに気付かれる前になんとかしなくっちゃ・・・。 隼太と優ちゃんの闘いが始まる。
隼太と隼太の家族の明日を照らしてくれるものは何だろう。
「虐待」や「暴力」という言葉の中にどれだけ苦しんだり、辛い思いが込められているのだろう。
隼太は闘った。懸命に闘った。そして、大好きな優ちゃんを守ったのだ。優ちゃんにとって、隼太は明日を照らしてくれる人になった。今度は、隼太にとっても優ちゃんが明日を照らしてくれる人になれば良いなと思う。隼太は、きっと強い大人になれるだろう。
全体的に重いテーマを重すぎず、軽すぎず、フィクションすぎず「適度」にを一貫して作品を描き切っている。瀬尾さんの作品に多くみられる「日常」と「非日常」の間。「虐待」という重いテーマだからこそ、その雰囲気がありがたかった。
投稿元:
レビューを見る
一言でいえば家庭小説に入るんだろう。児童虐待に関する物語。
読んで、子供にとっての最良を考えた。このところ話題のドラマも思い出したりして(見てはいないのだけど)。
うむ、答えが出ないというのが正解なのだろうと読み終わって微かに思った。
投稿元:
レビューを見る
義父から虐待される少年の話。
痛みも苦しみも我慢できるほどに
寂しく辛かったんだ。
どっちがより嫌かを考えるのもアリだよね。
お母さんとももう少し良い関係が築けるといいですね。
投稿元:
レビューを見る
ただ、どちらにとっても必要だったんだ。ふたりとも苦しんで、少しずつ、積み上げて。やっとそれを乗り越えたんだ。だから、それを誰も責めることなんてできない、と思う。でもまあ一区切り。悪は悪なのだ。殴らない優ちゃんがいたとしたら、準太はどうなっていただろう。美化するわけじゃないけど。
投稿元:
レビューを見る
「ぼくは勉強ができない」を
久しぶりに読んだタイミングで
この本を読めてよかったと思う。
虐待の話。
一般論では虐待=悪だし、
どんな理由があろうと
暴力はいけないこと。
だけど、なんでもかんでも
×をつけていいわけじゃないんだ。
本当に当事者じゃないと
判断できないとはこのことだと思う。
傷つける人と傷つけられる人の間に
確かに絆があって、
関係を真剣に守ろうとした
2人にしかわからない。
絶対に他の人には理解できないし、
絶対に他の人が判断を下せる話じゃない。
最後は本当に切なかった。
タイトルの「ぼくの明日を照らして」
と帯の「いっしょに、なんとかしよう」
ってことばが、とても印象的。
この小説のタイトルに相応しく、
この小説を語るのに適切な言葉。
一般論では片付かない。
もっと複雑な部分があるんだということ、
自分はそのときどうするんだろう、ということを
考えさせられた。
投稿元:
レビューを見る
暴力を振るっちゃう優ちゃんとの物語。
血のつながりのあるお母さんと、血のつながりのない優ちゃん。クラスメイトに、部活の先輩。
人との繋がりについて改めて考えちゃうようなお話でした。
暴力よりも一人ぼっちの夜のが怖い、ってわかる気がする。
守りたいもののために必死になる姿に苦しくなりました。
投稿元:
レビューを見る
なんでだろう。おかしな形の愛を、すごく愛おしく想った。さみしさは時に、残酷に悲しいほど、人を触れ合いへ敏感にさせる。けれど、それが温かくて、羨ましくも思う。最後は、涙がでた。
投稿元:
レビューを見る
殴られてもひどいこと言われても
ずっと一緒に居たい
優ちゃんの闇を乗り越える方法を、一緒に考えて、
ずっと一緒に居られるようにしたい。
優ちゃんに殴られる以外全然かわいそうな子供じゃないのに
殴られてでも一緒に居たいなんてわからないけど。
家族だからとか、愛してるとか、わからんないけど、いっしょに乗り越えたい。
投稿元:
レビューを見る
新しくきた義父に暴力を受ける隼汰。暴力から逃れるためではなくて、真っ暗な夜に一人で過ごすことができなくなってしまった、そして、シングルマザーの子だからこそ、よりしっかりせねばというプレッシャーから逃れるために、義父の優に一人にしてほしくないと、二人で暴力をなくすために日々努力していく。この努力と、同級生の可愛い恋人の存在により隼汰は成長していく。中学生独特の考え方や反抗期も多々描かれていて、瀬尾さんならではの描かれ方なのかなと思いました。想像とは違う展開と発想に☆4つに。
投稿元:
レビューを見る
「僕の明日を照らして」瀬尾まいこ
家族小説。段ボール色。
主人公の中学生、隼太はあまりにも老成し過ぎでこんなに世の中醒めて渡れないだろう、と思ってしまうものの、なんというか、こんな状況でこんな心の動きをしたい、という思春期はよくわかる。
登場人物の誰にも感情移入できはしないのだけど、ドラマとして読んでいて揺さぶられるのは、どの登場人物にも弱さがあって、”とても”人間らしさを感じるからなのだと思う。上手い。
そして、こんな幕引きだなんて。正直言って読者にとっては残酷だと思う。(最後の時点では)誰にも救いがないじゃないか。なおかつ彼らのこの先が全く読めない。
賛辞です。
一気読み。(4)
投稿元:
レビューを見る
悲しいけど温かい物語。
私もラストはちょっと残念だった。母親目線で言わせてもらうと一生無理だと思うけど…
しかし『ショックマン・シリアス』には笑ったw
好きです、瀬尾まいこさん。
投稿元:
レビューを見る
確かに、この物語をハッピーエンドで終わらせてはいけないと思う。そう言う御伽噺で済ませない感じが瀬尾まいこで、それはとても良いんだけれど。主人公のやるせなさが強く伝わってくるラストだったな。優ちゃんもお母さんも靖子姉さんもすごくリアルだった。カルシウム夕飯作戦あたりのふたりの雰囲気すきだったな。
投稿元:
レビューを見る
重いテーマがさらっとじわっと描かれていて、読みやすい。
タナケンがとてもいい味出してる。
「人を裁かず、悪のみを裁くのさ」
この考え方すごくいい。
投稿元:
レビューを見る
最近母親が再婚した中2の少年・隼太が主人公。
普段は非常に優しく良い義父の優。しかし何かの瞬間にキレ、制御が利かなくなりDVを繰り返し、そのたびに自ら絶望してしまう優。そんな義父を、義父と二人で何とかしようと奮闘する隼太。
一方的に悲惨なばかりになる訳でなく、救済が中心に語られる物語です。
さすがに瀬尾さんで、少年や同級生たちは生き生きと描かれています。そこは素晴らしい。
しかし、何と無く私の思っているDVと印象が違い、それをどう解釈したらよいのか、少しモヤモヤとした感じが残ってしまいました
投稿元:
レビューを見る
思春期だなぁ。
思春期の気持ちを思春期が過ぎてから書けるのってすごいと思う。
一見大人びてみえる隼汰だけど、純粋なところや視野の狭さや浅はかなところなど、子供な部分もあって、思い通りにいかないことも、すれ違うことも、思いが伝わらないことも、いろいろあって、大人になるんだろうなぁ、などと思う。