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読書中に、世間では少女誘拐事件が発生し、犯人が逮捕される。
事件と家族と人間の失踪について距離を近く感じて、この本による家族のありがたさや、背景を読むことができました。結末は別ですが。
豆の上で眠るお姫さまは、寓話の世界と思うところの物語にも大人が子どもにだけみせる世界があったのかな、て。
大人の夏休みの一冊にどうぞ。
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連載時からワクワクして読んでいたが、ラストの種明かしにはちょっとがっかり。やはり無理があるのでは。
それにしても読ませる力のある作家は凄いな。毎週楽しみでした。
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初めて読んだ湊さんの作品。引き込まれて、最後までドキドキが止まらなかった。内容としては、ありきたり、なのかもしれないが、結論に至るまでの心の機微の描き方が人間の本質をえぐるようで、目を背けることができなかった。胸が苦しくなる作品だが、湊ファンになったことは間違いない。
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湊かなえ新作。
タイトルから連想される通り、モチーフはアンデルセン童話の
「エンドウ豆の上に寝たお姫様」。本物のお姫様との結婚を望む王子
とその母親が、ある日城に迷い込んだ自称お姫様を本物かどうかを
確かめるため、床にエンドウ豆を置き、その上に羽布団を何枚も重ね
て寝かせ、翌朝彼女に「よく眠れたか?」と聞く。彼女の回答は
「背中のあたりに違和感があってよく眠れなかった」。コレを以て、
「ああ、この人は本物のお姫様だ!」と判断し嫁に迎える、という、
突っ込みどころ満載のおとぎ話である。
この作品のキーになるのは、神経過敏なお姫様も感じたという
「違和感」。主人公が幼少期から大人になるまでの間に感じ続けた
違和感を徹底的に描写し続ける、という内容。文章だけで読んでいる
こちらを絶望感いっぱいにしてくれる女史お得意の手法は健在。
違和感の描写があまりにリアルで、どこまで突き詰めちゃうんだろう、
この人は?と要らぬ心配までする始末。前半から中盤にかけての淡々
とした冷たい心情描写は息苦しくなるが、後半に入ってからの展開は
ある種怒濤。この緩急の付け方が、やっぱり湊かなえの魅力な気がする。
ラストの突き放し振りも含め、湊マニアであれば、絶対に押さえて
おくべき。就寝時、しばらく背中を気にしそうな気がしますよ、ええ(^^;)。
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13年前の姉の失踪事件を、20歳になった妹が回想しながらその真相を探っていくー。
ずっとふとんの下のえんどうまめのように、何か違和感を感じながら読みすすめていくうちに、この失踪事件にまつわる謎、異様ともいえるほどの母子関係、妹が感じ続ける疑惑がじわじわとしみだしてくる。
事件の真相がわかると、姉妹のありかた、家族とのつながりなどにより疑問を感じてしまうけれど、それ以前に描かれていた歪んだ母娘関係に戦慄すら覚える。
湊かなえさんが描く母と娘は、いつもどこか薄気味悪く、作者が母性というものを全く信用していないのではないかなという印象も。
とはいえ、全体的に読みやすく、結末(というかこの一連の事件の真相)に納得しづらいわりには読後感は悪くなかった。精神的に余裕があるときに読んだ方がよさそう。ぐいぐいと読者をひっぱる筆致はさすが。
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湊さんは本当に物語作りの名手だ。途中から真相が薄々判っては来たものの、語りの上手な展開に乗って読了した。推理好きにはもの足らない。想定の範囲内と言うところで、もう一ひねり欲しくなるのが本格ファンの泣き所。もう一つの展開が、お祖母ちゃんにも真相が明かされ無かった謎に迫れないか?素直でないファンですみません!
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1年ぶりに苦手な湊かなえを読んでみたがこの作品は良かった。この作品は散らばったパズルのピースが徐々にはめられていき、最後にパズルが完成する。そんな感覚で読了。登場人物だけでなく、読者までもを巻き込んで疑心暗鬼に陥れる。疑惑に疑惑が重なり、混乱をさせていくので次はどうなるんだとページをめくる手が止まらない。余談だが母親が毒親のような気がしてならない。
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------冒頭
大学生になって二度目の夏------。
新神戸駅から新幹線こだまに乗って三豊駅まで向かう約二時間、いつも思い出す童話がある。
神社で、神隠しにあったかのように失踪した小学生の姉、万佑子。
妹結衣子の回想で綴られるこの物語。
二年後に突然見つかった万佑子だが、その姿はあまりにも以前とかけ離れていた。
万佑子が戻って来たのに、父母の喜びは何故か中途半端で、腫れ物に触るような扱い方だ。
何故? 結衣子は違和感を持つ。
この万佑子は本当に失踪した姉なのか?
読み進めていくうちに、首筋をねっとりとした脂汗が流れ落ちてゆくような、このぞわぞわとした感じ。
湊かなえの作品を読むときのおなじみの感触だ。
一人称独白形式で語られる結衣子の言葉には、常にその裏に何かが隠されているようなイヤミス感が漂う。
そして終盤になって明らかにされる驚きの真実。
実にうまい構成だ。
「本物のお姫様」とはいったい誰のことを意味するのか。
そのお姫様は、何枚も重ねた布団なのにどうして豆の存在を感じることができるのか。
童話をモチーフにしたこのサスペンスミステリー。
この小説世界は湊かなえの独壇場だ。
彼女独特のぞわぞわ感を堪能したい方は是非読んでみるべし。
お薦めです。
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過去の姉の失踪事件と現在をつなぐホラーミステリー。
過去と現在が入り混じるため、出だしはちょっと読みにくかったが、その違和感にゾワゾワしました。
姉の失踪期間においては、母親の狂気に同情はするものの、血の気が引きました。
さらに、失踪した姉が見つかってからの疑心に居心地の悪さを感じました。
ただ、最終章で一気に10年来の謎が解明されるのは、急展開すぎるし、端折りすぎて2時間サスペンスのようなミステリーの軽さを感じました。
語りだけのどんでん返しに次ぐどんでん返しでは読者も真相を把握できにくいと思います。
そこまでの持って行き方がすごく上手に感じられたのでもったいないです。
例えば、中学時代、高校時代、大学時代、就職後と違和感を増幅させる展開もあったと思います。
せっかく、重ね塗りの絵画の話がでてくるので、少しずつ真相のベールが剥がれながらも違和感が残り、実は・・・という繰り返しがジワジワ来るのではないでしょうか。
ラストの展開以外は完成度が高かっただけに、ちょっと残念でした。
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サイコーです!
この深々と息苦しくなるような不穏さなのに、先を読まずにはいられないという妖しさ・・・。
湊さんの小説の中でいちばん好きですね~!!
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早く続きが読みたいと思わせる手腕はさすが。
今回も、読み応えがあった。
"そして父になる"から構想を得たのか、わからないけど、
親ではなく、姉妹の視点から書いたのが興味深く読む。
行方不明になってるはずの、姉(万佑子)が現在進行形の文では出てきてるってことは無事だったんだなとはわかるけど、どう見ても別人で、でもふたりにしかわからない質問にもちゃんと答えられているから??だらけだったよ。
ラストまで読んで、そういうことだったのかと納得したけど。
結衣子にとっては、血がつながってなくても8年間一緒に過ごした遥がまぎれもなく姉(万佑子)なんだと思う。
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最後の謎解きの「いかにも説明してます」感がどうもなぁ。
もっと意表をついてくれるのかと思ってたらありきたりだし。
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読み終わった後で腑に落ちるタイトルは実によろしいのですが、お話としては感心はしても感動は出来ない系。おまけに、主人公の母親の行動が親として理解不能で感情移入できず、夫婦の決断にも納得がいかず。「告白」を越えるのは難しそうです。
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告白以来、ずっと、章ごとに語り手が変わるような作品が多く、その手の作品にちょっと飽きてきていたところだが、これは、語り手がずっと同じで良かった。
猜疑心を持ったまま成長した主人公の不安が感じ取られ面白かった。
結末は大体想像通りだったが、結末へ持っていくまでのゾクゾクする感じが好きだ。
にしても、この母親の妹に対する態度には、母の愛情を感じられなく嫌な思いが残った。
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お姉さんが誘拐されて、どうなるんだろう?と思いながら読んでていたら、最後に、こんな衝撃の事実があるとは(^^;; 家族の絆。本物ってなんだろう?と思わせる作品٩(๑❛ᴗ❛๑)۶