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2018.2.26
魅力的な人間に対しての表現が鍵がしっくりおさまるようにぴったりくる表現でとてもよかった すきだと思う気持ちと暴くという気持ちを同時に持ってしまう感情をわたしももったことがある、最後までこれが恋なのかわからなかったし暴いたと思った瞬間どうでもよくなったりした そしてこういう人間との出会いをわたしは本当に求めている、旅をしている これが興味というものなのだろうか?そうだとすればたしかに興味はひとを殺しかねないぬるい毒だ ひとりの人間の奇妙さみたいなものをリアルにいきていても見つめていたいし、小説にして解説したい気持ちをずっと思っているので、やりたいことも作品の意図もとても心の深いところまで染み込んだ
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(01)
罪や罰,自意識,渇きと潤いというさまざまな連関があり,中盤あたりを読み進めるうちに,ふと,ドストエフスキーの独白に思い当たった.
文庫版の解説にもあるように,確かにこの小さな物語は,主人公の女性の長いモノローグ(*02)であったのかもしれない.そこには他者が存在しているようでもある.男性,女ども,家の歴史,水,そして他人のような自分など,モノローグを語る主体の存在の危うさも示され,主体が他者の関係性の間にか発生していないようにも思える.
対話や会話の内容はいつも嘘であること,その嘘を成立させている身体や物の方にアイデンティティの対象が向いてしまうのは,そちらの即物の間の関係のほうがより安定的であるからでもあるだろう.その論理からすれば,物を動かすほどの言葉,つまりは「ぬるくない」嘘に痺れる(*03)ほどの価値があるのは必然でもある.
(02)
人称の問題もある.彼女ら彼らはなぜきらびやかな名をもたず姓としてあるのか.1箇所ほど主人公の名が音響されるセリフがあるのはなぜか,僕や俺や私にこだわるのはなぜか,こうした問題は,ドストエフスキー的なモノローグや,物レベルに築かれる安心な関係性にも絡みつく.
個や個性が匿名になってもいいような,匿名になりかけの地点が目指されていることには好感がもてる.その地点が地獄であり,そこを行くものを鬼と呼ぶのかもしれない.
(03)
この痺れは,おおよそ笑いと同義であろう.笑われることは侮辱されることでもある.こうした痺れ,笑い,侮辱が言葉ではなく,それも物の水準にあって,水面に波紋を織りなすものであることに注意したい.
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欲望と欲望は惹かれ合う。欲を重ね合う私たちはどこまでが本当でどこまでが嘘かなんてわからない。それは実に滑稽に見えるけれど同時にそれがリアル、でもある。
僕たちが紡ぎ出す言葉や行動は滑稽でなんの思考も介さない浅はかなものに他人の目からは写るだろう。だがその過程には、並々ならぬ葛藤と迷いと、欲望やらが飛び交っているのだ。
この作品は終始熊田の脳内での会話を描いている。手に取るように熊田が感じられ、熊田という女性が自分の中の人格のうちの一人なんじゃないかと錯覚するような読書体験だ。共感はしないけれど、お腹の中の何かを煮えくり返されるようで面白かった。
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文庫版解説にある「弱火でずっと沸騰している感覚」という文言が非常にしっくりときた。
本谷有希子の作品は好き嫌いの激しいものが多いと思うけど、そのぶん宗教的、熱狂的な人気もある。
ただし今作はその信者でさえもふるいにかけるような挑発的な作品だと思う。
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本谷有希子さんが可愛いことに気付いたので、どんな本書いてんだろ、と試しに読んでみました。
女性と分かっていて読んだからか、女性作家特有のドロドロ感が心地良くはありましたが、なんだか気に食わないやつしか出てこない小説でした。
やたらとモテる嘘つき男と、そいつを好きになったフリをしているようで、実は本当に好きになっているような感じの主人公と、その主人公を小馬鹿にするモテ男の友達、、、
特にモテ男の口車に乗ってるフリをしているハズなのに、なんか女出しちゃう感じの主人公がなんともムズムズしました。
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あー、めんどくせぇ!でもこのめんどくせぇのにハマってますわ。
いいところなーんにもない。自己中心的な小説をわざわざ書いてるんだろうね。
イヤミスと同じ括り。怖いものみたさのみ。
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後味が悪すぎる~。
恋愛が良いものだとおもえなくなる本。
確かにああいう、小悪魔?的な人っているけど男の人がそうなるとタチがわるい。まぁ、抜け出せない女の人も悪いのかもしれないけど。
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同じことを繰り返し繰り返しなぶるような内容で、冗長に感じた。こういう女の子はいっぱいいて、ほんとうの狙いはあるものの実際にはできなくて、という面もまさにそれ。内面描写が上手で最後まで読めたが、途中からは退屈に感じはじめてしまった。
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初めての本谷有希子さんの小説を読了。
どこかに盛り上がりがあるわけでもなく、
ずーーーっと「しんどい」が続く感じでした。
熊田は家庭環境や自尊心のなさ、世間・同年代への劣等感を全て内側で抱え込んで、魅力的な向伊にいいように利用されていることを分かった上で自分は騙されて「あげて」いるだけで、本当は更に上の存在だと思うことが精神的な拠り所だったのかもしれない。
全ての負の感情を自分の中に押し留めることしかできず、それが鬼、傷が治る男の人、トラックの運転手を生み出すことによって精神的な安定を保っていられたのだろう。
心の底では「生きたい」と思っている人がリストカットをするような感じ。
ただ、向伊も奥出も野村も、胸くそが悪い男しかいなかったなぁ。
結局は彼らの上をいったわけではなく、自分の中で吹っ切れて折り合いが付いただけだし。
一発かましてほしかったけど、自分の負を乗り越えることと他人を踏み台をすることは関係がない(相手が一枚上手で表向き踏み台にできなくても自分自身が踏み越えていけばいいだけ)、というところが物語ではなくてリアルなんだろう。
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何かをつき抜けるために抜き差しならない関係に陥る話。
これはかなり色々な読み方がある小説のような気がするけれど、私は、主人公の向伊に対する闘いは、自分と自分以外の世界の間の界面をブチ抜くための闘いであり、強烈な自意識との闘いであると思った。読み進めるうちにいつのまにか、主人公が完膚なきまでに何かをぶっ壊して終わることを期待していたけれど、たぶんそうはならなかったのだなっていう結末だし、ぬるい毒もこの世界からは消えていない。主人公は24歳になったけれど、魂が生き残ってるのかは分からない。空恐ろしい終わり方だった。
それにしても向伊ってすごいゲスに思える。昭和期のゲス(『太陽の季節』とか『青春の蹉跌』とか)と違って向伊には必死さもない。このゲスぶり、ある意味ほんとにぬるい毒が漂ってる。
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読み終えた時、吐き気がした。
本のタイトルのように毒を飲まされた感覚。
明日になれば、そういやアイツの生きる世界ってぬるいよなとか思えるかもしれないけど、今は胸の辺りが黒くなってて、何も考えられない。
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急に知らない男から電話がかかってきた。
高校の時お金を貸した関係だという。
その男と会うが記憶にはない。
しかもその男はとても魅力的だった。
その一年後また電話があった。
その時に同級生と飲んでいるからと呼び出される。
そこで起きる値踏み。
また一年後連絡が来る。今度は心霊スポットに2人で向かう。その後結局関係を持ってしまった。ただ彼には彼女がいる。私は彼とともに地獄へ奈落の底に堕ちることを決めた。
男に値踏みされる経験。女として嬲られてるように感じる情緒。求められるエロさ。なんでそんなものに応えなきゃいけないの????女だから??
私は人生で一度だけ地獄でも生きていけそうなものになる。鬼。それが私の人生でたった一度だけ訪れる、光り輝くときだ。きっとそのことは死ぬまで誰にも打ち明けない。でも、鬼としてでも〈生きた〉人生と、そうでない人生は意味が何もかも違うのだ。
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皮膚を剥がされているような感覚 胸焼けするくらいドクドクした甘い重たいチーズケーキを食べている時間なるべく長くずっと続いているようだった
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タイトル通り「ぬるい」毒にじわじわと人生を蝕まれていく主人公に同情しつつ共感する。後味は決して良くないけど、本谷作品という感じ。
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自分もいつかぬるい毒に陥ってしまう時が来るのかもしれないと思った。魅力の塊のような男性に出会ってしまったら、私はどうするのだろう。もう出会ってしまった時点で毒されてしまう気がする。非常に非現実的な側面を持ちながら、自分もいつかそうなってしまいそうで非常に恐怖を覚えた。