紙の本
藤原定家
2020/07/18 20:32
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
百人一首の謎に興味があり読んでみました。薄い本なのに中身は濃いです。系図や図などが多くわかりやすくて良かったです。
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藤原定家の生涯を和歌の視点から読むにはとても良い。
コンパクトだが内容はしっかりしているので読み応えがある。
鎌倉前期の幕府ではなく朝廷側を読むという意味でも面白い。
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歌聖と後世の人に称された。百人一首のカルタで今も人々に広く愛されている歌人。
後鳥羽上皇との関わりなか、どのようにして日本初の芸術家が誕生したのか。
素晴らしい、定家のことがよくわかりました。
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『百人一首』、および『新古今和歌集』の撰者、藤原定家の簡潔な伝記。定家を日本初の芸術家として捉える視点からの記述となっている。「紅旗征戎非吾事」という言葉で有名だけれども、後鳥羽院や源実朝との関係の中で芸術を武器に(?)貴族としての地位を向上させていった辺り、実は結構世の動きを意識してたんじゃないかと素人ながらに読んで感じたりした。
“ 定家に対する上皇の態度は、いわば芸術家に対するパトロンといったものに相当する。自尊心にあふれ、熱い魂をもつ芸術家に対し、批評家としての審美眼があるうえ、自身も芸術家魂を有するパトロンといった関係にある。
このような関係は日本の社会にはこれまで生まれなかったのだが、和歌という領域において身分の境界を突破して生まれたのである。”
(本書37頁より引用)
“ 芸術家とは、もちろん優秀な作品を残し、特異な才能と強烈な自負心をもつ(←94頁95頁→)存在であるが、さらにそれを評価し支持する審美眼の肥えたパトロンの存在も欠かせないのであり、それとの刺激的な関わり合いから、あらたな理論や作品が生まれ、後世に多大な影響をあたえたのである。
それらをすべて満たしたのが定家であったのだが、その意味で日本においてこれに続くのは世阿弥であろう。それもそのパトロン足利義満あってこそのことであった。”
(本書94-95頁より引用)