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伸も高校生になり、父親の身長を超え腕力も上回った。房江にも生意気な口を利くようになる。中古車販売などの事業もうまく行きだすと金のいる話に絡んでしまったり、従業員には横領されていたりと次々に問題が起こってしまう。結局は自分の蒔いた種なのか安定した生活はやって来ない。それでも前に進んで行く熊吾。
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流転の海 第七部
まさに、大河小説ですね。読書の楽しさをしみじみ味わえる作品です。
今後の展開が気になりますが、松坂家の幸せをひたすら祈るばかりです。。。
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最初の方では、熊吾が昔の熊吾に戻ったようで
伸ちゃんが高校生となり、生意気になり
でもでも、伸ちゃんは宮本輝さん・・・
と思うとちょっと複雑で
そして、房江さんが自分の時間を持てるようになり
そんな状況が、なんだかうれしくて
どんどん読み進めていってしまい
後半は、えっ?っと戸惑いながらも
物語の中にどっぷりと使っていました
詳しくは書けない、ネタバレしちゃう
でもでも、読んだ人と思いっきり話し合いたいーーー
やっぱり流転の海シリーズは
たまらなく素晴らしい小説です
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今までの流転の海のなかで最も平和な時。
初刊刊行から33年。本書あとがきに記されている著者の言葉によれば完結は第9巻。33年÷(7巻ー1巻)×2巻=あと11年かかる計算になる。宮本輝77歳。頑張って早めにお願いします!
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久々の宮本輝。
新作が次々に発売される作家ではないので、一冊たりとも疎かにせず、しばらくは積ん読のまま大事にとっておこうと思っていたけど、宮本ワールドへの誘惑には到底抗えず、つい手に取ってしまった…(笑)
『満月の道』は宮本輝のライフワークとして位置付けられている『流転の海』シリーズの第7部。第1部の発売から何と30年。第9部で完結するそうなので、残り2部。縁起でもないと言われそうですが、何とか無事に書き上げていただくことを祈るのみです。著者曰く、あと3年ほどかかるそうですが…。
本作を読んで、改めて著者の人間を書く力に圧倒されました。
決して奇抜なストーリーではなく、最後にどんでん返しが用意されているわけでもない作品に、多くの読者がここまで惹き込まれるのは、登場人物の中に生々しく息づく人間の情念や、もはや業としか言いようのない人間の性(さが)に魂が揺さぶられるとともに、そこになぜか赦しというか救いのようなものを見出すからではないかと思います。
ハラハラドキドキのミステリも大好きですが、たまにはこうした珠玉の人間文学を片手に、長雨の季節を過ごすのもこの上なく贅沢な時間です。
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待ちに待った第7部。
今回は、熊吾の圧倒的な存在感というよりも高校生になった伸仁や房江との家族観の中での熊吾として描かれている。
満月はその象徴。
後書きでは第9部で完結とのこと。
次作が今から楽しみ。
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大好きな「流転の海」シリーズの最新刊。
待ちに待った、この世界。
一行、一行が、やはり心にしみる。
人生とは、生きていくこととは、
人とはどうあるべきなのか、
たくさんのことを、ドラマティックな展開の中で
教えてくれる。
今回のタイトルも秀逸。
人生の中で、ふっと心安らぎ、将来が安らかで
美しいものに感じられる「満月の道」のとき。
年齢的に主人公の妻、房江さんに感情移入する
年頃だからか、一層、切ないタイトルに思われた。
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この熊吾(宮本輝の父がモデル)がいたからこそ、伸仁(宮本輝)は作家に成り得たのだろう。と思わせる熊吾の奥深い人柄、一家の波乱万丈さ。
あと2作で完結かぁ…
熊吾が事業の経理を任せきりだったツケや、火傷の負った博美の助けになるべく支度金ややくざの手切れ金を用意したりと 没落の予兆がじわじわ押し寄せてきてる。
房江も、今はまだそれほどでもないけど、酒量が増えていきそうだし…
この内容をわすれないうちに続編が早く読みたい!
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流転の海、第7部。
伸仁も中学生。我が道を行くというタイプのようで、今後の伸仁の生き方も気になる。どんな大人になるのかな?
熊吾は相変わらず人情に熱い。自分が大変な目にあっているのに、原因となった人物を攻め立てるでもなく許してしまう。できないよ、そんなこと。他人のせいにするのはとっても楽だもん。
ここからまた立て直していくのだから大したものだ。商売や生活に関してはかなりエネルギッシュではあるけれど、糖尿病も気になるところ。まだまだ活躍して欲しい。
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内容(「BOOK」データベースより)
昭和三十六年。六十五歳を目前にした松坂熊吾は中古車販売業を着実に展開させ、往時の覇気が甦りつつあった。息子・伸仁は父の背を追い抜き、絵画を愛する健やかな少年へと成長した。妻の房江はアルコールから抜け出せずにいたが、大阪最大の駐車場管理を続けながら生きる歓びを見出している。そう、たしかに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは―。執筆三十余年。作家自らの「父」を追求する一大叙事詩、いよいよカウントダウン。
6月26日~7月2日
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忘れてしまった人がいたり、ノブが大きくなって年月のったのを実感したり色々。男の人ってとしとってもお盛んなんだとちょっと呆れる気がしてしまった。
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「流転の海」シリーズ 第7部
完結まであと2部ということで、ラストに向けての布石という感じの終わり方。
30年このシリーズを楽しみに新刊発売を心待ちにしていたが、自分が房枝の年齢に近づいてきた今、共感する部分や感心するところが大いにあり、感情移入しすぎてます(笑)
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流転の海の第7部。
作者の自叙伝的小説である。
昭和36年、松坂熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ忙しい日々を送っている。
息子伸仁は高校生になった。背も父より大きくなった。
妻の房江は駐車場の管理を任されながら、身辺の人に気配りも忙しい。まだ少しアルコールの力を借りないとやっていけない。
高度成長期の波に乗り、勢いづき何もかもうまく回っているように見えたが、そういう時に限って足をすくわれる、というか魔がさすというのか、ちょっとのつまづきが、見えない歯車の歯がうまくかみ合ってゆっくり回りだした。悪いほうへ。
一方、昔からの登場人物も出てきて、新しい展開になるのだが、何しろ今回第7部、それも忘れたころに出るということで、登場人物も多いし、出てきても誰やったかな?という人も多い。
本作第9部で完結するらしい。いよいよ佳境に入るわけである。が次はいつ?何年先?またまた忘れたころだろうな・・・
今回気が付いた、宮本輝の小説には会話が「」で描かれない。小説の流れの中で、誰それがそう言った。彼はそう言う、と説明のようになされる。なので話の流れが会話によって中断されないし、調子が乱れない。それで彼の小説は一種独特の空気が流れているのだな。
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何年かに一度、ポツポツと出るのを楽しみに読んでいる。
夫婦ゲンカを止めに入った伸仁に、熊吾が押さえられる場面、悔しがりながら、息子の成長を喜ぶ熊吾が可愛らしかった。
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今回はいつものようにすぐに読んでしまうことが出来ず、時間がかかってしまった。物語がなかなか前に進んでいかなかった。タイトルの満月の道、を見るのは熊吾ではなく房江。房江の考えがめぐるあの情景が、とてもいきいきとしていた。
やっと読了して、あとがきを読むと宮本輝もこの第7部は筆が進まなかったと書いてあった。そして1981年に書き始めたこの流転の海は第9部で完結、いま第8部を書き始めてるとの事。
それにしても、宮本輝くらい小説家らしい小説家っていないよな、と思う。情景描写が気がつかないようにごく自然に美しい文章を書く。