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こうの史代が描く、震災5ヶ月後からの被災地の風景。ボールペンで描き込まれ、切り取られた一場面からその枠の外まで広がるような世界を感じる。語り部である、妻を探して旅するニワトリのユーモアとペーソス。悲しみの中にも、笑いはあるのだ。
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「日の鳥」こうの史代著、日本文芸社、2014.05.01
127p ¥972 C0993 (2019.02.12読了)(2019.02.10借入)(2014.07.01/3刷)
雄鶏が妻を探して東日本のあちこちを旅しています。これは旅の絵日記です。絵には、現地の風景にコメントが添えてあります。風景の中に雄鶏がいます。大きく目立っているのもありますが、目立たずどこにいるのか、探してしまうのもあります。「本日の食事」というコラムには、雄鶏のその日の食事がイラストともにメモってあります。「竜胆」「ヒマワリの種」「えのころ草」「ヒエ」「ハコベ」「ヨモギ」など、さまざまです。訪ねた先の東日本大震災での被災状況もメモってあります。
『この世界の片隅に』でも瀬戸内の風景などを見せてもらいましたが、仕事とはいえ、よく描くもんですね。雄鶏も書き添えるわけだから、なおすごいね。雄鶏を飼っているのだろうか。ページの調整のためか65頁、75頁、103頁、115頁、に野鳥を描いたページが挟み込まれています。
気仙沼に「冷蔵庫創業の地」という石碑があるそうです。(21頁)
鹿折唐桑駅付近に大きな船があったのは、僕も見ています。(23頁)(107頁)今は撤去されて亡くなってしまいました。
23頁の脚注に「三陸鉄道はまだ復旧していない。」と書いてありますが、「三陸鉄道」ではなく「JR大船渡線」です。
「それでも生きのびた それでも生きている それでも生きてゆく」(87頁)
盛岡地方裁判所の石割桜は、裁判所に行ったときに見ました。(98頁)
絵日記のコメントは何とも、参ります。
【目次】
東日本大震災について
5ヶ月後の釜石・大槌
半年後の山元・塩竃・松島
9ヶ月後の気仙沼・陸前高田
11ヶ月後の八戸
1年後の東京都
1年1ヶ月後の猪苗代
1年4ヶ月後の遠野・大船渡
1年4ヶ月後の釜石
1年半後の南三陸・石巻・仙台
1年9ヶ月後のいわき・楢葉・広野
1年11ヶ月後の上山・郡山・本宮
2年後の東京都
2年1ヶ月後の宮古・田老
2年3ヶ月後の遠野
2年5ヶ月後の気仙沼大島・一関
2年半後の鹿角・盛岡
【日の鳥】引用リスト
☆関連図書(既読)
「夕凪の街 桜の国」こうの史代著、双葉文庫、2008.04.20
「この世界の片隅に(上)」こうの史代著、双葉社、2008.02.12
「この世界の片隅に(中)」こうの史代著、双葉社、2008.08.11
「この世界の片隅に(下)」こうの史代著、双葉社、2009.04.28
「この世界の片隅に」こうの史代原作・蒔田陽平著、双葉文庫、2016.10.16
(2019年2月12日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
突然いなくなった妻を捜して旅に出た雄鶏。彼女との想い出を辿りながら“今”を生きるニワトリが見た東日本の風景―。異才が描く“東北のいま”のスケッチ。
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妻を探して震災後の東北地方を巡るおんどりさんのスケッチ。
どうして離れ離れに?東北は今どうなっているの?
おんどりさんはいつ妻と会えるんだろうか?少し切ない本です。
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こうの史代さんの作品(エッセイ漫画)『日の鳥(2014)』を読了。2022年”本”(エッセイ漫画)101冊目。
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妻を探す鶏に仮託して、東日本大震災の被災地を訪ねる作者。鶏の目が切れ長で、独特の雰囲気を醸し出す。発災から5ヶ月後の岩手県釜石市と大槌町からこの物語は始まる。絵だけを見れば、何気ない風景だったり、震災遺構になるような津波の爪痕だったり。時々「雄鶏を探せ」みたいに、小さな小さな鶏を描く遊び心が楽しい。