電子書籍
絵本みたいな
2017/09/21 19:50
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
ストーリーらしいストーリーというのはないです。
どっちかというと絵本に近いかなあと思いました。
震災後の東北の街をニワトリの目から描いています。
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり細かく書かれた絵が真面目な印象を受けますが、内容はそこまで深刻な感じではありません。本日の食事のコーナーが、ちょっと面白いです。
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スケッチ集とも言える。
たぶん写真を撮ってから絵に起こしたんだろうと想像する。
文章も味があるユーモアが感じられる。
震災という喪失感からニワトリが旅をするという設定で何か作者らしい感覚で切り取ってゆく。
この風景の数々から希望は見いだせるのかどうか未知数で、ニワトリが探す妻の鳥とは、いったいなんなんだろうとも思う。
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本好きのお友達から借りる。こうのさんは独特の世界を持っていてよい仕事を積み重ねておられると思う。次はどんな世界を見せてくれるのか、楽しみです。
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血の気が多く、剛力で、とびきり輝く大きな「妻」を探しに東北の街を旅する雄鶏のつぶやきたち。
あの日から2年以上経っているのに、まだ震災の爪痕がありありと残る。
声だかに叫ぶのではなく、小さな声でつぶやくように伝え続けることの意味を考える。
「ああ、空が、「生きよ」、と言っている、無責任に、他者だからだ、ヒト事だからだ、でもそれを、真に受けるかどうかは、わたくし達の、自由なのだ」
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突然いなくなってしまった妻を探して旅するニワトリが見た景色。東日本大震災の被災地の、5ヶ月後から二年半後までの姿をボールペンで描いたスケッチ集が、ユーモアとペーソスの溢れる物語になっている。ニワトリの旅はまだ続いているらしい。
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こうの史代さんのほのぼのとした絵と詩は
震災のあとの町を描いてもほのぼの
震災後5ヶ月の釜石・大槌から
東北の各地をまわり
2年半後の鹿角・盛岡まで
一気に読まないで、
行ったり来たりしながら
ゆっくり読んで見て眺めて感じます
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それぞれの地に訪れてくれて、そして描いてくれてありがとう。こうのさん!
私にとっては地元の見慣れた風景のページもあって、とっても嬉しくて、じんわりと温かい気持ちになりました。震災のあと、見慣れた風景のあまりの変わりようにショックをうけた陸前高田、気仙沼。
こうのさんのじめっとならない視点での描き方は、その時その場所の風景と時間への愛おしさみたいなものを感じる。やっぱりいいのよ!にわとりがね!
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東北地方の震災の爪痕が残る場所へ「妻」を探しに行く主人公の雄鶏(?)。
ユーモラスな絵柄と言葉が作者らしい。
そして絵な! 何度も見返してしまう。
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「この世界の~」公開まで、原作は読み返さないわ!と決めていたのですが、こうの熱が高まったため、まだ読んでいないこちらを購入。
自分は当時のことを忘れかけている、と思うし、実際の被害なども理解していない…と思うのですが、だからこそか、じんわり泣けてしまう。思い出させてくれる、忘れないようにしてくれる、その視線がありがたいのかもしれないです。
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東日本大震災で傷ついた地を、日の鳥(にわとり)が旅をする物語。
時にユーモラスに、時にせつなく、妻を探す設定だが、各地の被害の様子が優しいタッチで描かれて、何度も繰り返し眺めてしまう。
「この世界の片隅に」が静かな大ヒットになっている作者の作品。
東北を旅する時には、必ず携帯する1冊。
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やっと見つけたこうのさんの「日の鳥」… 大雑把に言ってしまえばスケッチブックなのだがモチーフは震災の爪痕も生々しい頃の東北。
その精緻な描写を見ていると奇しくも同じ時期に「自分の眼で」とオートバイに荷物括り付けて走ったあの日が蘇る。
情け容赦ない瓦礫、打ち上げられた漁船を見た、そして立入禁止区域に入り込み原発の警備員に追い掛けられたことを思い出す。
あまりの衝撃に「がんばろう!」などとは言えなかった気持ちをナビゲーターの雄鶏が代弁する…空が「生きよ」と無責任に言う、ヒト事だから。でもそれを真に受けるかどうかはわたくし達の自由なのだ。。達観
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東日本大震災のあの日以来、突然いなくなってしまった妻を探して、雄鶏が旅に出る。
東北のあの地、この地、あちこちを巡り、妻を探す。
「日の鳥」は、雄鶏自身を指すようだ。夜明け、日の出とともに時をつくる鳥。
この巻には、震災の5ヶ月後から2年半後の風景を収める。ボールペンの緻密だが温かいスケッチの中には、必ず妻を探す雄鶏が描き込まれる。
描かれた地域の地図と被災データも併記されるが、風景は静かに何気なくそこにある。被害の爪痕も、人々の暮らしの痕跡も、眼前にあるままに描かれる。
雄鶏はすっとぼけたオヤジ風である。いささか恐妻家であったらしい。
妻は美しくはあったがどうやらやや狂暴だったようだ。何だかとても巨大だったようでもある。
安野光雅「旅の本」の旅人のように、あるいは「ウォーリーを探せ」のウォーリーのように、風景の中には決まって雄鶏がいる。雄鶏は時に地元の鳥たちと交わり、日々土地のものをついばむ。
妻はもしかしてこの世のものではないのか? 鳳凰や金鵄のような霊鳥の類なのか?
妻の正体は読者にはなかなか掴めない。
妻は杳として見つからず、雄鶏の旅は続く。
こうの史代という人は、不思議な場所を見ている人だと思う。
本作は、不思議なユーモアセンスを持つ雄鶏が案内人となり、土地土地のスケッチで綴られていく。
声高に震災の怖ろしさを描いたり復興を叫んだりするわけではない。メッセージ性が高いとは受け取られないであろう作品だが、しかしメッセージ性がない、ということが、逆にメッセージである、のかもしれない。
雄鶏を探しているうちに、いつしか自分も風景の中に入っていくようでもある。
いつしか、あの土地、この土地が懐かしく見えてくる。
2巻も近日中に読む予定。
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ひさびさにこうの史代。図書館に蔵書がなく、お試し読みなしだけれど、あれこれ読んできてこうのさんの作品にハズレ無しという信頼がいまはある。
オンドリ(日の鳥)が東日本大震災後の各地を訪れたという趣のスケッチ集。
5ヶ月後の夏から季節に一、二度のペースで東北各地をおとずれ続け、現地の空気を肌で感じた記録でもあり。
オンドリの「妻」の正体が気になる…実体があるのやらないのやら。
2巻も読めばその謎は明らかになるのかしら…?
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こうの史代が描く、震災5ヶ月後からの被災地の風景。ボールペンで描き込まれ、切り取られた一場面からその枠の外まで広がるような世界を感じる。語り部である、妻を探して旅するニワトリのユーモアとペーソス。悲しみの中にも、笑いはあるのだ。