紙の本
憲法改正の重大なテーマである
2015/11/20 09:13
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投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
憲法改正反対という立場からみて、この国家緊急権規定がない現行憲法を守るには、そんなものを認めたら憲法の自殺だとしか言いようが無くなるんだろうな、そう思って読んだ。
タブー扱いというか憲法学者にしてみれば不滅の大典である現行憲法は、この規定なしの世界しか想定しないということだろう。でもすまないと思うのがリーダーの役割であろう。
本書は入門書であり、立憲主義、憲法制定権力だのからきっちり説き起こしている。小室直樹先生の破壊力はないけど、橋爪氏は誰にでもわかるレベルで入門書で核心的テーマを掴ませるのがうまい方である。
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国家緊急権の何が問題か、
・どういう場合に憲法違反とみなしてよいか
・憲法違反をした場合、その責任は誰がおえばいいのか
・憲法違反をした状態から、元の憲法秩序に復帰するには、どういう手続きが必要か。
国家緊急権は軍隊と密接な関係がある。
日本の自衛隊は国際法上の軍である。
緊急時に行動できることが確実なほぼ唯一の機関が軍隊。
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題は国家緊急権そのものなんだけど、立憲主義とはなんだって根本からのわかりやすい議論がありがたい本。
憲法は国民が政府に与えるもので、憲法を守るのは政府。その憲法以前に憲法制定権力があり、それは主権者のもので、政府がダメダメなら革命を起こす革命権がある。自然法の立場からは人間には固有の人権があり、それを守るために憲法があるが、公共の利益のために憲法違反をすることがある。それが国家緊急権。国家緊急権を発動すると憲法は停止でなく無視されることになるが、期限を定めないと民主主義が死ぬ。また、憲法に国家緊急権を定めるとそれが為政者に言い訳を与えて国家緊急権を発動しやすくしてしまうので、憲法に定めるべきではないとする。
細かい話にはそれぞれ議論の余地があるでしょうが、日本人が改めて立憲主義は何か、民主主義は何かと考えるときに参考になる本だと思います。
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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条約の拘束性とか、伊藤博文による憲法義解など新たな学びがあった一方で、インフレや、革命については一般的な話であり退屈に感じる部分もあった。国家緊急権の負の側面にもしっかり焦点を当てており、結論としても筆者は国家緊急権の制定に反対していることには好感を持てた。民主主義を保とうとする限り国家緊急権の行使は不可能に近い。また、日本特有の事情もある。憲法制定権が国民にあるという記述があだだがそれは事実だろうか。一般的には、アメリカによって日本国憲法が押しつけられたとされており、その発布も戦後まもなく行われたもので現代の国民にとっては理解できない部分も多いにも関わらず、いまだに変更されていないのは、国民の意思にのみよるものではないだろう。日本の憲法の硬性さをもっと考慮して欲しかった。