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超常現象の解説そのものよりも、その解説のために紹介されている、いろいろな認知科学・脳科学の知見をまとめておさらいすることができる、という意味でとても面白った。
「無意識」にスポットをあてるため、認知科学の先生にしては、ユングをはじめ、深層心理学をちょっと重んじ過ぎてないかな…という気もしなくはなかったが、でも確かに、まだよくわかっていない「無意識」をこれからどんどん解明していくに当たって、やっぱりユングは避けて通れないところはあるだろうし。
なお、先生がこの本を書くきっかけは、北野武監督との対談だったとか。ホント多才だね、北野監督。
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科学で証明できる超常現象もあれば、今の科学で説明できない部分をもったものもあり、それらについての説明を面白く読んだけど、本書の肝はその超常現象はあるかないかではなく、社会性のある創造となりうるかどうかにある。超常現象には人の無意識の関係が強いらしく、その無意識が生み出しうる創造を社会や個人に活かすことを考えるという視点が、オカルトを扱った本を初めて読む私には新鮮に感じられ、とても面白かった。創造的な挑戦の姿勢が無意識の生む可能性を拡げるということを心に留めておこうと思う。
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とんでもないな、この本は。
本当に大学で認知関係の仕事をしているのかと何度も経歴を見直した。
超常現象や霊現象を、あるかないかでなく、有益かどうかで切ろう、まあそれが科学者として正しいかどうかは別として、切り口としてどう持っていくのかと興味持っていたのだが。
まず、超常現象をあるという前提で、と語るところからおかしくなる。
無意識の作用ってところは共感できるが、無意識による情報処理のエラーと考えればいいんじゃないのか。
本気で主張してるのか、ぼくが全くその趣旨を読み取れなかったかどちらかだ。
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迷信が産まれる原因の一つに、人間は原因を求めたがる心理があるというこたがある。良い結果が出たのは偶然だったのだが、その原因を求める時にとんでもない事でも理由にしてしまう。宝くじが当たったのは買う前に黒猫が前を横切ったからだということさえ原因にしてしまう。ギャンブルでツイテいるやスランプなのも何回もやるゲームでは必ず現れる現象でそこに神も運も関係していない。これは参考になった。
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現時点で著者が超心理学という科学の視点から、心霊や超能力を考えるものだった。現在の科学では解明されないものがあり、万能ではないのだから頭ごなしに心霊・超能力現象は否定されるべきではないという至極当然な考えに立脚しているのが好印象。怖い幽霊から役に立つ幽霊なんて面白い考えだ。ポルターガイストと念力が同根であるという仮説も妙に納得できる。全ての超常現象に対し考察を加えるものではないので、幽霊の映像であるとか、念力の真偽を解説しているわけではないので、これから読む人は注意が必要だ。
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簡単に言うと超常現象を超常的現象として科学サイドからプラグマティックに捉える試み。と言ったらいいように思う。面白い試みだと思うしキライな連中を炙り出すのにも有用なように思うし、非科学的な態度として全面的に退けられていたり課題にならなかったことに建設的に取り組んでいて面白いなと思った。
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文字通り「超常現象」を科学の世界から丹念に解きほぐそうとする一冊。
陰謀論みたいにわかりやすい結論があるわけではないし、現在も解明されてない部分もあるが、それ故に真摯にアプローチしているように思えた。
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タイトルに「超常現象」とあるわけで、この本を読む人は暇なんだけど読むものがこれしかなかった等のことがない限り超常現象に興味がある人だと思う。
かく言う(かく書く?w)自分も当然大好きな人で、そういう体験をしたこともあるから、(それをそう定義づけするのなら)「超常現象はある!絶対!」と思う方だ(爆)
というか、「幽霊(のような存在)と見た」とする人は古今東西枚挙にいとまがないわけで。にもかかわらず「そんなものはない!」と断言(否定する方って、なぜか“きっぱりと断言”する方が多いw)出来ちゃえるほうが不思議な気がするんだけどなぁ~(笑)
と言っても、「それは絶対死者の魂だ!」と思っているのではなくて。
もしかしたら死者の魂かもしれないし、たんなる錯覚かもしれない。
つまり、ソレが死者の魂なのか錯覚なのかはともかく、「幽霊を見た」という人は沢山いるのだから、(そのことを超常現象と定義するなら)それを“ない”と言うほうがおかしくないだろうか?w
そもそも「幽霊」なんて定義づけ出来ない(出来ていない)わけで、そんなものは科学的に否定も肯定もしようがないと思う。
よって、当たり前だがこの本にも万人が納得のいく回答はどこにも書いていない。
ていうか、著者の意図は回答を書くことではないのだろう。
もっとも、著者は好きな人のようなので、回答を書けるものなら書きたかったろうなぁーと思う。
この本のことは前から知っていた。でも、この手の本に納得いくようなことは書きようがないわけで…、まぁ読むほどのことないよね?みたいなw
読む気になったのは、先だって理系の友人と話していて、そういう話になったから(爆)
というのも、前にも同じような話を聞いたことがあったのが、理系の人が超常現象に興味があると、大学や会社で教授や先輩から「超常現象なんかに興味持っていたら出世できないからやめろ」と諭されるんだとかで。
もちろん、自分のテーマの研究やら仕事をちゃんとやらなきゃ出世できないのはわかる。でも、仕事や研究の合間に「それは何なんだろう?」と考えるのは、気分転換や思考の訓練としてもいいことだと思うんだけどなぁーと思っていて。ふと、思ったのは、「あ、今の日本企業から新しいモノ・コトが生まれない理由って、もしかしてソコなんじゃない?」と思ってしまった…、
というわけ(笑)
この本は、幽霊なんて怖くない的な「反」、主に超能力の実験を紹介する「半」、幽霊を役立てようの「汎」の三章にわかれている。
正直、「反」と「半」の章は今一つだった…、かなぁ(笑)
「反」は総花的すぎて、どれもどこかで聞いたような説明になっちゃっていたし。「半」は、著者がしている研究ならともかく、読者としては次の「汎」につなげるための章になっているように感じてしまうからだ。
では、その「汎」が面白かったかというと、うーん、ちょっと期待外れ?w
ていうか、想像していたことの斜め45度辺りのことを書いてきたなーという感じ(?)
というのも、それこそ、幽霊を見たというのは古今東西あること。なら、ソレが見える仕組みを解明して、次世���モニターを開発。モニターの世界シェアを握ったらいい、くらいのことが書いてあるのかと思っていたのだ(爆)
確かに、「無意識」を活用して創造力を活性化させるというのもわからなくはない。猫も杓子も日がな一日スマホでSNSやゲームに熱中している「無意識」のない状況じゃ創造が入る隙間がないよなぁ…なんて気がしないでもないから(笑)
とはいえ、本の主題が「超常現象」だけに、もっと“超常”な面白いことを書いてもよかったような気がしないでもない。
ただ、示唆に富む(と個人的には思った)こともいろいろ書いてあった。
“無意識は、生物の歴史から見ると、人類以前の多くの哺乳類が身につけている「進化する仕組み」”とか。
また、“かつては個人が超能力実験を信じることがESP実験の成功率を上げると考えられてきたが、最近は社会的な態度が態度が重要だとされる”なんかは、戦後の焼け跡からGDP世界2位になるまでの復興を遂げた経験があるくせに、一度バブル崩壊したくらいで「もうあんなことは2度とないよ」とみんなして悟り顔してりゃぁ、そりゃ失われた10年が20年、20年が30年になってもおかしくないということなんじゃないかと(笑)
さらに、個人的に興味深かったのが“現在の脳科学実験では、「自由に意思決定したと自覚する瞬間」よりかなり前の時点で、すでに「無意識に決定したと相当する生理的信号」を脳内から検出できている”という話。
そういえば、確かそんなことが書いてあったSF小説があったよなー思いつつ。これはその小説を読んだ時に漠然と思ったことなんだけど、ソレって幽霊の正体の一つなんじゃない?なんて(爆)
そういえば、テレビでどこかの会社の社長が言っていた、「夢がなければ会社はモチベーションが続かない」という言葉。
ま、超常現象の本の感想でそれを出されても、その社長も困るだろうし。何より、その社長の言う「夢」は超常現象ではないんだけどさ(笑)
とはいえ、2000年前後の日本の家電メーカーで人員・給料が削られるのに仕事はどんどん増え、正月も働かないと仕事が追いつかない。なのに、シェアは結局新興国企業に奪われていった、あの状況を傍で見ちゃっただけにねぇ…。
冗談でなく、今の日本の会社に必要なのは即戦力ではなく、“どうやったら幽霊で儲けられる?”みたいなおバカな課題を突き付けられることなんじゃないかと思えてならない。
ていうか、日本の会社が巧くやっていたあの頃って、その手のおバカなことを言ってた会社、結構あったよね?w
と、それはともかく、ここまで書いていてふと思ったのは、なぜ幽霊を怖いと思うのか?という論考が抜けているんじゃないかと。
それを「反」の章でするのが適当なのか、「汎」なのかはわからないが、個人的には、よく言われる“ソレが未知の存在だから”だけではないように思う。
幽霊や超常現象の面白さというのは、“ソレが謎だから”とともに、“ソレが怖いから”というのは大事な視点のはずだ。
鬼太郎の境港やロンドンのゴーストツアーなんかはまさに「汎」だし。
交通事故の多いん場所に幽霊の看板を立てたら事故が減ったなんていう「汎」も昔はあった。
ぜひ著者には、もうちょっと具体的に踏み込���だ第2弾を期待したいところ(笑)
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超常現象を科学的に解明する本。
はん幽霊論というキーワードを基に、反・半・汎に分けて解説。具体的な超常現象を解明するよりも、超常現象の科学的な捉え方を示唆する。個人的は具体的な超常現象をもっと解説してほしかった。
幽霊=人間には「見た」と錯覚するメカニズムがある
金縛り=カギは睡眠時の肉体コントロールの誤作動
お守り=「効いた」のは統計上の偏りに過ぎなかった
テレパシー=「何か」による作用は認められるが…
透視=米軍も実用化を研究していた?
予知=それは人の無意識がもたらしている?
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タイトルのとおり、本書では超常現象を本気で科学的に考えていきます。幽霊から始まり、超能力へと移っていきますが、とっかえひっかえするようにトピックを渡り歩くのではなくて、幽霊現象をしっかり考え抜いたうえでそこからの繋がりとして超能力現象へ移り(19世紀末にあらわれた心霊研究の流れを汲むものが20世紀アメリカの超能力研究でした)、そこで得た知見をもちいて再び幽霊現象と超能力現象を眺めるとそこに通低している原理と推測されるものがわかっていく。
本書は「超常現象」と呼ばれるものを科学的に見ていくだけにとどまりません。まず、「幽霊はいるのか」ではなく「幽霊はなんの役に立つか」という実用性の視点から見ていきます。つまり、従来の超常現象観を発展的に捉えなおしているのです。「幽霊はなんの役に立つか」と考えていくことは、超常現象にまとわりつく迷信や無益な不安、恐怖の感覚をはぎとって、現象そのもののエッセンス・本質に近づくことになります。ここまでが本書の中身の半分です。残りの半分は、議論の旅の果てにたどりついた場所で知る「なんの役に立つのか」の解答を論じていくような中身になっています。そこがとてもエキサイティングでした。
交感神経(意識)と副交感神経(無意識)は、お互いに抑制し合いながら、どちらかが優位なときにはどちらかが不活性状態になるというかたちでバランスがとられています。覚醒状態、睡眠状態、夢見状態が知られますが、神経科学等の研究者たちは「第四の精神性」と呼ばれる交感神経系(意識)と副交感神経系(無意識)が両方とも活性化した状態があることを指摘し、超心理学の研究者たちは透視などの超能力現象が「第四の精神性」のときに生じやすいことを主張しているそうです(超心理学とは厳密な科学的手法に則ったやりかたで透視やテレパシーを研究する学問領域です)。
そういったところから考えていくと、どうやら「無意識」が幽霊も超能力も、そしてシンクロニシティやセレンディピティをも生じさせているようだ、とわかっていく。そして、最後に辿り着くのは創造性です。クリエイティブな能力は、どうやら無意識が担当している。そして、社会性つまり社会のいろいろな面を知ること、言い換えれば現実世界そのものの在り様を意識上でしっかり理解していることを前提として、優れたアイデアが無意識からどうやら生まれるのだ、という結論に至っていく。もう「超常現象」を科学する本だとだけ思いながら読んでいましたが、びっくりするような飛躍をしました。裏テーマが「クリエイティブ論」ですから。とはいいながら、そういった展開をしてくれたほうが僕にとってはありがたい読書でした。すごく興味のある分野でしたから。
さて、ここまでで一気に本書の中身を貫いた形になりました。最後におもしろかったトピックをひとつ紹介します。人付き合いにおいてまめに連絡をとったりなど関係を維持し続けることには、気苦労が多くなったりして短期的にみれば損だけれども、長期的にみれば自分の助けになる、という見方がされていました。人生をギャンブルとして見る人の考え方にのっかって論じた話のなかでです。このあたり、乱数や確率の話でもあって僕なんかには身を持ってよくわかる話でおもしろかったです。それに、近頃ではよく、人とのつながりは大事だよなあと思うようになって、これは背中を押してくれる考え方なのでした。
と、そんなところですが、新書タイプの本ですし200ページくらいなのでさくさく読めること請け合いです。超常現象と創造性のどちらにも興味がある方ならば、とても好い読書時間になると思います。また、「無意識」を知りたい人にとってはかなりよく知ることができる入門編でもあると思います。おすすめです。
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「超常現象」とは、常を超えているわけだから僕のような常識人には計り知れませんが、そいつを本気で科学してみよう、という取り組みです。
反の部、半の部、汎の部、という3つの部からなる本書。反論、半信半疑、広汎に考える。
オカルト嫌い(というか、どうでもいい)の僕も金縛り経験が度々あります。金縛りのメカニズムがなんとなく記述されていて、なんとなくわかった気がします。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、的な話にもそこそこページが割かれています。
じゃあ幽霊はいないのか。そんな結論を急いではいけない。幽霊の実用性を論じよう、と。なんだそれは。
けれど、幽霊も有名人やらなにやらも、僕にとって見れば、実在しているのかどうかわからないどこかの誰かであり、もっといえば自分の妄想だって同じようなものです、といいたいところだけど、心理的存在→社会的存在→物理的存在、という3段階で見ると、僕のアタマの中は心理的存在、知らない有名人は、社会的にも、もちろん物理的にも存在しています。心理と社会の、そして物理の大きな壁を感じます。
幽霊やらの超常現象は、無意識からなる創造によって価値を得ることができる、といいます。「気のせい」と「偶然」が大好きな僕にはたまりません。いるかいないか、あるかないか、なんて二択からも脱却しよう、と。
いいねえ、この曲線的な話。
果たして、これが「科学」だったのか、読み終わってもピンと来ないところはありますが、それも、みな気のせい。