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リストラ請負会社で働く真介が係る今回は全4話。
化粧品メーカー勤務 33歳女性。
メーカー開発研究員 42歳男性。
書店勤務 33歳女性。
真介、山下 40歳。4話目は真介自身の話です。
今の世の中は、変わっていく。今の状況がずっと続くとは限らない。
それぞれの主人公たちの決断が、相変わらずさっぱりとしたさわやかな感じで描かれています。
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首切り会社といえば聞こえが悪いが、リストラを推進するために、対象社員と面談し、状況を理解してもらい、適切な次のステップを見付けるお手伝いをする会社、日本ヒューマンリアクトで働く男が主人公のストーリーもようやく完結。
毎回働くとはどういう事なのか?何に価値を感じて働くのか?といった事を、ストーリーを通じて語りかけてくる。
モノ作りが得意だった日本。でもどんどんコストの安い海外に流出し、本当に価値あるものを創っているという自信も喪失しつつある世の中。
自分自身がそれを使っているイメージを持って、新しいモノ作りに取り組んでいるのか?という問い掛けは非常に心に響いた。
リアルなモノでなくても、考え抜いたことが本当に自分も利用したいものなのか?
そんなイメージすら出来ず、周りから凄いと言われたい為に頑張ってるんじゃないか?と問い掛けられたような気が…
改めて自分自身の今を振り返ってみよう。
企画だなんだとうんうん頭を悩ませているが、本当に自分も使いたいと思う内容か?
そういう視点って大事だし、それを見付けるために時間を使いたいと思った次第。
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えぇ!まさかのシリーズ完結編。通称リストラ屋の真介、今回もいい仕事をした。恋人の陽子さんとの仲もむつまじいみたいで・・・。と読み進めたら突然の最終章。ここにきて、真介自信が職を失うことに。次の自分を探し求める真介。最終的な結論は書かれていなかったけど、次の職場でもいい仕事するんだろうな。
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リストラ請負会社で働く真介は、今日もリストラ面談に明け暮れていた。
しかし、リストラ請負という仕事が社会的意義を失ったという社長の判断によって会社が廃業となり、真介は岐路に立たされる。
シリーズ完結篇。
これで終わりなんて、ずいぶんあっさりしているなあ、というのが最初の感想。
でも、じわじわと、きます。
最終話のタイトルは「オン・ザ・ビーチ」。
これ、ジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」をもじっているのかなーと思いました。
沢木耕太郎さんの「深夜特急」で、主人公がすれ違った旅行者に「禅とは何か?」と問われた時、「オン・ザ・ロード(途上である、ということだ)」と答えるのですが、この「君たちに明日はない」シリーズも、「仕事、恋愛、ひいては人生とは、常に途上であるということだ。」っていうことを言いたいんじゃないかと。
前巻までは、真介と陽子は最終的に結婚するのかしら?と思っていたのですが、「途上にある」ということなら、ラストも納得できます。
結婚しても、しなくてもいい。
真介は誘われた仕事を選ぶかもしれないし、選ばないかもしれない。
全ては、その時点での最良の選択肢を選ぶという、「途上にある」ということ。
P108
「大事なことはなんだ。会社に残ることか。それとも次の就職先を探すことか。食うための仕事を探すことか。たぶん違う。そんなレベルじゃ、人は本当には生きられない。食うためだけに仕事をする人間は、いつの時代だって結局その仕事からは、永久に報われることはない」
P204
「今の時点で判断できないことは、また状況が変われば、その時に判断すればいい。そういう曖昧な自分を許しておく。というか、その時が来たら嫌でも判断せざるを得ない。そういう意味で、未来は常に不確定です。そしてその分だけ、気楽です。つまりぼくたちの今は、死ぬまでずっと連続した、一つの通過点でしかない」
「たぶん職業も暮らす環境も含めて、今というこの時間は、常に暫定仕様です。むしろその無常を意識して過ごすことに、意味があるんじゃないでしょうか」
シリーズを通して作者が読者に問いかけた「仕事とは?」「人生とは?」という問い。
作者は心の底の深いところで納得できる、実にまっとうな回答を用意してくれました。
時々挿入される日本の経済情勢予想には作者の意見が反映されているようですが、押しつけがましくは無いんだけどちょっと面映ゆかったです・・・。
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このシリーズの雰囲気が好きだ。
妻によると、これがシリーズ最終作とか。
残念だなぁ。真介のこれからをずっと見てたかったな。
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いいな。こういうの。時代の流れをしっかり掴んで。流れの模様をクッキリと描く。
時代が過ぎた時に、古いと感じるかもしれないがそれは表面的なものであって。根幹にあるものの重要さはきっと変わらないだろうから。
あえて、このように時代を切り取るのは有意義だよね。
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生きること、働くこと。
同じように8個下の夫と付き合いだした頃から読んだ本、
文庫版で集めましょうかな‼︎
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今現在の、
「内定を断るのに苦労してます」
…的な状況の日本とは、ズレがあるかしらね。
結論は・・・
例え、
「ああ、仕事も生活も、今が最高!」
…な状態だとしても
それが続くとは限らない。
周りの変化に応じて、
それに旨く順応、対応できる人間だけが
生き残っていけるんだろうな、
…って辺りかしら。
詳細は、⇒ http://noinu.blog.fc2.com/blog-entry-63.html
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君達に明日はないシリーズ5。完結編。リストラ転あえ職の現場で悪戦苦闘する。メモ啓介(1)企業とそこに勤める人ってどこか男女関係に似ている気がする
(2)自分の仕事の社会的な意味に絶えず疑問を持ちながら、時にはやってらんねぇ、などと後向きの意識を持ってしまうような職種の人間が、結果として、自分の仕事に懸命に向き合って来た人間の首を切るのだ。
(3)世の常識と今の自分に暫時寄り添いながらも、自分の正しさを、そして自分の常識を疑い続ける者だけが、大人になってからも人間的に成長し続けられるのではないか。
(4)時代ってのは生き方のことだ。
(5)こんなものがあったらいいな。そんなものを作る。そして人に喜ばれる。それが、本当に報われるってことだろう。
(6)食う為だけに仕事をする人間はいつ時代だってその仕事からは永久に報われることはない。
(7)どんな人間の人生も他人の人生の断片からなる集合体で成り立っている。…それが体感的に分かっている者でなくては、実社会での自立は出来ないだろう。
(8)人は…それを裏付ける気持ちを持つ相手に対してだけ、動くんじゃないかと僕は思う。そしてその気持ちは当然動きにも出る。
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仕事は、お金のためだけではない。人とどうかかわっていくかそんなことを考える話。人見知りの女性が修行のために本屋で働き、でも懸命に働く姿を周りの人たちが認めているという図がほのぼのと温かい。そんな人たちばかりだったらいいんだけどね。 この人見知りで口下手の女性の子ども時代の心の声はなるほどと考えさせられました。
川田美代子さんが優栗しゃべる男性と結婚するというのもせっかちな私には考えさせられました。
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今回もいろいろ考えさせられる人たちがいたが
やっぱり「迷子の王様」が一番よかったかな。
ものづくりの意味ってものに気づかされる。
お父さんの言葉は沁みてきた。
こういう前向きな未来を見せられると元気が出てくる。
今回は、特に、人とのかかわりのテーマが多かった。
主人公自身の次のステップもそれが強調されていた。
あら~~終わっちゃうの?
残念だけど、川田さんのスピンオフなんかも読んでみたいな。
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途中、中だるみはあったが、この最終巻は爽やかな終わり方だったように思う。「たぶん職業も暮らす環境も含めて、今というこの時間は、常に暫定仕様です。むしろその無常を意識して過ごすことに、意味があるんじゃないでしょうか」。「自分への折り合い」とも「未来は常に不確かです。そしてその分だけ、気楽です。つまりぼくたちの今は、死ぬまでずっと連続した、一つの通過点でしかない」。主人公の村上真介が新しい仕事を始めようとするところで物語は終わる。陽子との間もそれなりに続いていきそうだ。
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今作でシリーズ完結と言うことで、ちょっと寂しい気もしますが、終わるタイミングとしてはちょうど良かったのかなと思いました。
このシリーズではリストラを機会に、いろんな立場や職種の人たちがそれぞれの人生の選択の仕方や考え方が描かれてきて、中には正直ご都合主義じゃないかと思う話も多々ありましたが、同時にこれから頑張ろうと言う前向きな気持ちも湧いてくるシリーズでした。
仕事に何を求めるかは人それぞれですが、「迷子の王様」での父親の言葉が印象に残りました。
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「君たちに明日はない」シリーズの完結編。今回のエピソードもどれも面白かったが、これまでのものと比べると全般的にあまり印象に残らない感じではあった。ラストは、シリーズのフィナーレとして、良い話のまとめ方だったと思う。
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リストラ請負人シリーズの最終巻。
人生のターニングポイントだけではなく、その後を強く意識して書いているな、と感じる。
仕事とは、自分の人生にとって何ぞや。
生きるための仕事、金のための仕事・・・