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内容(「BOOK」データベースより)
別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。
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罪を犯せば、例え捕まらなくても、もうその人の人生は狂ってしまう。
加害者は、一生十字架を背負うことになる。しかし、遺族にとっては、その十字架も虚しいものにすぎないものなのだということでしょうか。
死刑という刑は、もうこれ以上他の被害者を出さないということ、というのが印象に残った。
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(2014/8/19読了)
朝夕の通勤電車、お昼休み、帰宅夕食後、一日で読み上げてしまいました。こんな風に読んだ本は久しぶりです。
人気の東野さんですが、私には当たり外れがあるので、ちょっぴり心配でした。
白夜行や、さまよう刃のような作風だと期待して読み始めました。プロローグは、本編の前置きのさらに前置き。それをうっすら記憶に残して本編はスピードある展開。
中盤までは、結末やプロローグとの関わりの糸口が見えず、やきもきした分楽しめたのですが、結末が見えた頃から、物足りなさを感じてしまいました。(なので、評価はひとつ減らしました)期待し過ぎたのだと思います。
登場人物の不幸せは、結末で救われたのでしょうか?やっぱり、展開に無理があったし、ラストは変に良くしないほうが良かったような気がします。
(内容)
別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。
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殺人を加害者として体験するカップルと被害者として体験する夫婦。同じ体験をした2名が、別の感情を抱えつつ、悩みながら歩む人生を描いている。
殺人、死刑制度について考えさせられる部分もあるが、哲学的というには偏りを感じる読ませるために作り上げたミステリー小説。
サクッと読めた。複数の殺人に対する動機がクリアになる東野圭吾らしい書きっぷり
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死刑制度や罪を償う事や犯罪者の更正について考えさせられる作品。ミステリーとしてはあっさり、普通に面白い。抜群の読みやすさは相変わらず。万人受けする優等生的作品が続いてるのでもっと暴れてほしいと思ったりする。
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テーマは死刑制度。
絶対的な正解もないし、絶対的な不正解もない。万人が納得する制度と言うのは難しいですね。
冒頭の史也と沙織の若いふたりの男女の出会いが楽しげなだけに、その後のふたりの過ちを考えるとやりきれない気持ちになりました。
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犯罪被害者は、悲しみと憎しみから極刑を望むものの、死刑が執行されたとしても、喪失感から抜け出せない辛い現実について、フィクションとはいえ、答えのない問いに贖罪のあり方について深く考えさせられました。
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プロローグがストーリーにどう関係して来るのかと思えば、最後でようやく分かる。このパターンよくあるよなあ。
それぞれの出来事が連鎖的に起こる。その偶然とも言える出来事の繰り返しでこの物語が成立している。だから、パズルを組み合わせていくようなストーリー展開には、ちょっと無理があるんでは?なぜそのような行動を起こすのか、という動機が薄いのでリアリティ感に欠けるところもあり、理解しがたいのが残念。各登場人物の行動と性格が一致しないような場面もあり、ちょっと違和感もあった。
無理矢理話を作っているというのは、作者の最近の作品を読んでて思う。
そう思うものの、東野圭吾だから、まあ、いいか、と思わすぐらいビッグな作家さんですね。後半は加速度的に読むスピードがあがったのは流石。
やっぱ、東野圭吾、うまく書いてるよな!って感心してしまう。
東野圭吾が好きなら読んで見たら?と思う。
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色々と考えさせられる本だった。
言葉にすれば、殺人という罪にひと括りにされてしまうが、その背景を見てみると決してひと括りにはできないと思った。死刑制度に関しても、ひとつの答えを見つけるのは難しいことだと感じた。
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被害者遺族の視点で殺人事件を描いた作品。
東野作品では、「さまよう刃」でも被害者遺族の視点を描いているが、「さまよう刃」が被害者遺族の加害者に対する「復讐」を描いているのに対し、今回の作品では、被害者遺族が加害者に対する「刑罰」や「罪を償う」とはどう考えているかという部分を描いている。
帯の「死刑は無力だ」というフレーズは、あくまで加害者にとって「罪を償う」という意味で「無力」であるという意味であり、被害者遺族にとっての「無力」ではないということだろう。
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なんで表紙が樹海なんだろ?と思ってたら、中身を読んで、ちゃんとわかりました。
安定感のある、いい話です。
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出張中に読了。
数年に一度でしょうか、東野圭吾さんはこのタイプの話がありますよね。贖罪のありかた、というか。
このテーマ、プロットであれば、それこそ大長編が書けそうで、そしてそのほうがインパクトもあると思うのですが、あえて「軽く」「短く」書いたのかな、と。
人間、何が正しくて、何を考えるのか、これって「罪」を償う、ということになった時にてきめんとあらわれるのかも。
いずれにしてもある程度伏線もわかりやすく、そして読んでいて考えさせられる、気付いたら作者の術中、という感じ。
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謎解きというよりは、現行の法制度における刑罰と真の贖罪についてが描かれていく。
刑務所に入って一定の刑期を終えることで罪を償ったといえるのか、あるいは犯人が死刑になれば被害者家族は救われるのか。答えの出ない問題について、登場人物たちがそれぞれの立場で苦悩し逡巡するさまはとても読み応えがあった。
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東野圭吾さんの作品を読むのは2作目。完全にハマりました。重いテーマだけど、読みやすくすぐに終わってしまった。『死刑は無力』死刑になっても遺族は救われないだろう。難しいテーマだとつくづく思いました。
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テーマは死刑制度の是非。「更生の可能性vs.遺族感情」「償いの実績vs.罪の重さ」「守りたいものvs.罪悪感」など、いくつもの葛藤が織りなす、悲しい真相。
ストーリーの意外性は『夢幻花』ほどではなかった。『スナーク狩り』『さまよう刃』のような復讐話に比べると、裁かれるべき者にも血が通っている感じ。