紙の本
初野ワールド
2015/11/09 20:02
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投稿者:ゆた - この投稿者のレビュー一覧を見る
暗いほうの初野ワールドが展開されています。
語る人が変わっていって、最初からは先を予想することが私には難しかったです。
だからこそ先が気になる!
最終的にもやっぱり暗い印象で終わりますが、作家好きなら味わってみましょう!
紙の本
ファンタジー
2020/12/11 15:04
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投稿者:ありすばぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとダークファンタジーっぽい感じです。ちょっと悲しくなったり、切なくなったり。でも、読後はなんとなく柔らかい印象の残る不思議な作品でした。
紙の本
寓話と現実の境界に
2020/10/31 23:43
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
廃園となった遊園地にある、ペット専門の墓所をめぐる物語。
舞台の非現実感が、真相があらわになるにつれ、劇的なまでに変化する短編集。
不思議な静謐さに満ちた寓話めいた話が、愚かであったり、遣る瀬無かったりする人間の営みの物語に転化する瞬間は、ミステリとしても、物語としても読み応えがある。
特にお気に入りは「ヴァルキューリの丘」。ハーメルンの笛吹きを下敷きにしたような物語が、どんでん返しの果てに、どうしようもない人間の業を見せてくれる。
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ダークファンタジーっぽい短篇集。
各話、ミステリ的な構造を持っていて最後にどんでん返しがあるが、基本的な手法は共通しているので先読み自体は容易。
廃墟となった遊園地、花に覆われた動物の墓、謎の青年……など、作中で使われるガジェットは、物珍しさはないものの内容にマッチしている。話が進むに従い、重さが薄れ『いい話』傾向が強くなるのは、最近の流行なのかなぁ……。
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あらすじをサッと読んだ印象で、
これはもう絶対ガッツリ泣かせてくる系に違いない!
と身構えてずっと読むタイミングをなくしていたのだけど
やっと読了
そうしたら、いい意味で予想とまったく違う話で
裏切られた感
でも確かに裏のあらすじにミステリとちゃんと書いている
人間と動物の、複雑でそれゆえに愛しい繋がり、絡まり
真実はどこにあり、
動物たちと、そして向き合う人間とが互いに何を感じたのか
ときに言葉として、ときに雰囲気として
体感できる
良い作品だったと思う
冒頭からインパクトのある展開だったけど
クマネズミの話が堪えた
犬好きとしては一話と最終話がもう極まる
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現代作家の骨太の作品の久しぶりに読んだと思った。
初野晴はどうしてもハルチカシリーズのイメージが強いが、『水の王子』のような作品も書いていたのだと、改めて思いだした。
それぞれに抱える思いが悲しく、愛おしい。
読んで良かったと心から思う。
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"真実は目に見えない"
そんなところかな。
クマネズミの章では、なんとなく『新世界より』のバケネズミを思い出してしまった。
"戦士"という表現がひっかかったのかな?
アマラとカマラの丘 -ゴールデンレトリーバー-
ブクウスとツォノクワの丘 -ビッグフットー
シレネッたの丘 ー天才インコー
ヴァルキューリの丘 ー黒い未亡人とクマネズミー
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対価を払えば、ペットを埋葬してくれる謎の青年。
各話の逆転劇もお見事。
ペットや動物たちの切ない現状も勉強できます。
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廃園となった遊園地、真夜中の訪問者たちは
それぞれに理由を抱えた動物たちを弔うためにやって来る。
痛みも強い、哀しみが伝わってくる物語ばかりだけれど
を逸らせない。
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閉鎖された遊園地、そこには四季の花が咲き乱れる秘密の動物霊園があるという。
各話ごと埋葬される動物の語りで始まるが、墓守の青年と訪問者たちとのやりとりが会話方式で行われ、読者を意外な真実へと導いていく。
此岸と彼岸の狭間。切ない愛を書きつつ、動物の素直さに対して人間の醜さも強く書かれていて、その落差をうまくまとめてあるのだろうけれど、私には捩じれた世界に放り込まれたような感覚で少しぐらぐらする読後感であった。
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《人・動物・植物。心・倫理・科学。謎。》
しんと静まった冬の月夜、花が咲き乱れる不思議な動物霊園。
人と動物の間に在るのは、人と人とのそれと何が違うというのだろうか。
せめて、彼らの最期の言葉を聞けたなら、そう思わずにはいられない。
「カマラとアマラの丘」の信念とプライドが好き。
「ブクウスとツォワノクの丘」の狂気を孕んだ恐怖も好き。
「シレネッタの丘」の、純粋な愛も好き。
「ヴァルキューリの丘」の覚悟と決意も好き。
「星々の審判」の、これからも続きそうで、終わりが近づく寂しさも好き。
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花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人人。せめて最期の言葉を交わせたら…。ひとと動物との切ない愛を紡いだミステリー。
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わけありの動物たちを埋葬してくれる動物霊園の話。
夜寝る前に1話づつ読んでいました。
冷静に読み返せば首を傾げたくなる場面もあるし疑問も残るのだけれど、登場人物(動物)たちの痛みも舞台である廃墟の遊園地の描写も綺麗で、切ないながらに気分が落ち着く一冊でした。
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そこは、ひとが愛を葬る墓地だった。
花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人々。せめて最期の言葉を交わせたら……。ひとと動物との切ない愛を紡いだミステリー。
ライカは僕が付けた名前だ。
最初の出会いは去年の五月で、
駅前の雑居ビルの隙間にラブラドールのライカは
ひっそりとうずくまっていた。
P267より
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廃墟になった遊園地にある、花が咲き乱れる庭園。そこにあるのは秘密の動物霊園。
相変わらずはなしの内容は重めだけど読みやすい。
墓守の青年は、月の光の下でだけ人間と意思疏通ができる。
森野くんが謎を解く、というか、呪いを解くというか暴かれたくないものを暴くというか。
どれも切ないはなし。
似鳥さんの本と平行して読んだので、動物との関係を考えてぐぬぬとなる。
デカルトが唱えた「動物機械論」。動物行動学では、動物は感情がないよくできた機械だという態度を今も取っているのだとか。うーん、あんまり人と同じに考えるのもどうかと思うけど、これはこれで極端だなー
ビッグフットのはなし。最後に出した答えが辛い。知能を持ったインコのはなしも。
最後に森野くん本人のはなしが知りたかったなあ。