投稿元:
レビューを見る
鬼畜の母親から逃れ切れない、節子の人生に胸が詰まる。
中途半端な愛では救えない渇きの前で、男たちはただ狡くふがいなく、滑稽な生き物にしか思えなかった。リアル。
投稿元:
レビューを見る
時間を巻き戻したり、冒頭とラストをつなげたりするのが好きなのかな?
ずるい男たちに翻弄される女たち。翻弄されながらもしたたかに生きようとする女たち。。。男のずるさが起こした事件なのかも。
投稿元:
レビューを見る
直木賞の「ホテル ローヤル」のスピンオフみたいなものかと思って読み始めたら、ぜんぜん別物だったんですね。こっちの作品の方が前なのね。
てっきり「ホテルローヤル」繋がりと思い込んで読み始めたので最初は???ばかりで、無関係と分かってからはシラけ気分で入りこめず、後半になってやっとすんなり読めるように。
「ホテルローヤル」よりも、こっちを先に読んでれば、もっと楽しめたのかも。
投稿元:
レビューを見る
節子の夫が交通事故で重体に。
実母は夫の元愛人。
節子は担当会計士の愛人。
夫の元妻の娘。歌会仲間の複雑な家庭用環境。
色々な線が最後に結びついて、とても面白く一気読み。
2014年7月19日
投稿元:
レビューを見る
タイトルの由来はとてもシンプルだった。
冒頭の始まりはかなり衝撃的だが、
ところどころ、視点を変えつつ、
たんたんと展開されてゆく。
オチは途中から、ぼんやりとわかってくる、はず。
投稿元:
レビューを見る
内容はもとより、表現・文章力がよかった。文学的というか。ちょっとしつこいくらいだったけど。寒いを寒いと書かない美しさ。
投稿元:
レビューを見る
女性にしか書けない類の小説なんだろうとは思う。
正直、日本語のリズムというかテンポというか、書きぶりがあまり性に合わないなあ…、と思いながら読み進めていったわけだが、中盤以降は気にならなくなった。
桐野夏生氏ほどグロくはなく、また村山由佳氏や唯川恵氏ほど軽やかでもなく、女の情念のようなものが、淡々とした筆致ながら切々と綴られている。
直木賞受賞作の「ホテルローヤル」は未読だが、その元作に当たる今作、若干ミステリーっぽい要素も入れられてはいるものの、本質的な内容は娯楽性よりも圧倒的に純文学に寄っていると感じた。
投稿元:
レビューを見る
北海道の僻地が舞台であるということの疎外感。そんな僻地のラブホテル経営という、さらに日の当たらない仕事を担う主人公。そして、その狭い世界に生きる関係者達。
彼らの抱く鬱屈した感情。それを心の奥底で理解しつつも、自分は満足して生きていることをアピールしたい人たちの虚栄心。序盤は特にそうした、うすら寒い人間の感情ばかり描写され、登場人物達が生きる世間界隈の退屈な日常感が、そのままページをめくる速度に反映されていました。
端的にいうとそれは、読むのがとてもとても辛かったということ。
正直、全般的に読中は退屈で仕方なかったです。薄っぺらい本なのに、京極夏彦のレンガ本より読むのが「重く」感じられました。
唯一、興味を持って読むことが出来たのは、まゆみを一時的に梢のところに預けたところ。
花火大会の場面とか——あの辺りだけは、この作品の中では珍しく朗々とした雰囲気でした——佐野倫子やその旦那のヒトデナシぶりに対する憎しみとかで、そのときだけはテンション高く読み進めていました。
けれどそれを過ぎてからは特筆するような盛り上がりもなく読了。序盤に感じた鬱蒼とした退屈さとか、嫌気がさすほど退屈な人間関係がそのまま読後の感想に直結。ミステリ視点で見たときの綻びーー司法解剖すれば佐野旦那からは薬物反応出るだろうし、節子と律子の違いも分からない訳がない——もあって、白けた面持ちで読むハメに。
こんな退屈な本を読むことになるなら、他の本を手に取れば良かったと後悔するほどでした。
投稿元:
レビューを見る
ホテル経営者が事故で意識不明の重体。夫を看病しながら、短歌仲間の家庭事情に巻き込まれる。実母が夫の元愛人。
投稿元:
レビューを見る
何となくすっきりしない読後感。
女性のしたたかさというか、生命力の強さ、ずる賢さを感じる作品で、感じのいいものではない。
ぐいぐいと引き込まれるものはあったが、後味は良くない。
投稿元:
レビューを見る
淡々と話が展開されるが、中身なかなかの話。女性作家特有の空気感っていうのかな、けだるさっていうのかな、これがたまんないんだよね。初桜木紫乃だったけど、やはり好きな作家になりそうな予感。ホント女性作家ばかりだな(笑)
最初にある程度の結末が描かれてるから、これをどうやって繋げるのだろう?って感じで引き込まれた。なかなか上手い手法だな(^^)/
投稿元:
レビューを見る
母親の愛人と結婚した娘節子。彼女の周りで次々と起こる事件や事故。序章から一気に物語に引き込まれた。ラストまで一気読み。上質なミステリーであり心の闇を見事に描いた人間ドラマだった。主人公を相武紗季で映像化、連続ドラマが楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
桜木紫乃さん4冊目。相変わらず内面の豊かさに圧倒される。まだまだ書きたい事は尽きないようだ。実家がラブホテルという著者が、どういう経験をしてきたのか大変興味深い。小説内の節子やまゆみのように、家庭環境に恵まれない子は幼少の頃から大人になってしまう。大切に育てられた人には想像もつかないような傷心と、したたかに生きる強さの表現が見事。ミステリーとしても面白かった。
解説に、この小説で削る事を覚えたと著者が言っていたとあったが、本当に無駄がなくて集中出来た。小説はすべからくこうであって欲しい。
p79
澤木との関係と、喜一郎自身が律子と切れていなかったことは、果たして相殺できるのかどうか。ひとの気持ちに相殺などというものがあるのかどうか、考えた。
p82
「そうは言ってないです。家に帰れば仕事よりきつい環境が待ってるというのは、どんな人間の気持ちもひねくれさせると思うだけですよ。親だの子だの言ってられないくらいにね」
投稿元:
レビューを見る
20150112 クールな話。女性の方がハードボイルドになっているのが違和感なく読めるのは作者の表現力なのだと思う。
投稿元:
レビューを見る
女流作家らしいサスペンス。
余計なことはほぼほぼ省いてあって読み応えあり。
先を推察しないようにしないように、と一気に読んだのが良かった。